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「ケイオス……。うっ」
 思い出したら、また悲しい気持ちになった。
「ディア」
 そんな僕を、クリスが胸に抱き寄せる。
「元気を出せ、ディア。お前がそんな風では、ケイオスも安心できないぞ」
「…………」
 僕には答える気力もなかった。
「いいか、ディア。ケイオスは、自ら望んでああしたんだ。最期、お前の役に立てて、ヤツは嬉しかったに違いない。お前の身代わりに《穢れ》を引き受け、お前を自由にするきっかけが作り出せた。ただそれだけで、アイツは満足しているはずだ。アイツはそういうヤツなのだ」
「なんで? どうして、そんなことがクリスに分かるの?」
 僕の素朴な疑問に対するクリスの答えは、予想外のものだった。
「分かるさ。なぜなら、ケイオスは私の兄。私とケイオスは、兄妹なのだ」

「えっ? ええっ?」
 兄妹? ケイオスとクリスが?
 そういえば、なんとなく、顔とか知性的な雰囲気とか、少し似ているような気もするけれど。
「まぁ、人間でいうところの『兄妹』とは、ちょっと意味合いが違うがな。『分身』と言った方が、しっくりくるのかも知れない」
「分身?」
 まさか、ケイオスとクリスが、そんな関係だったなんて。
 待って。
 じゃあ、僕のためにケイオスが犠牲になったことを、クリスは、本当は怒っているんじゃないだろうか?

「そう、なんだ。僕には、あまり意味が分からないんだけど……。じゃあ、クリスも、ケイオスが消えちゃって、いなくなっちゃって、やっぱり……悲しいんだよね?」
 もしそうなら、僕はクリスに責められなくっちゃならない。それでクリスの悲しみを、少しでも和らげてあげなくっちゃならない。何を言われたって構わない。ケイオスが消えたのは、僕のためだったんだから。
 そう考えて、僕は思い切って訊いてみたんだ。
 なのに。
 クリスの返答は、またしても僕の予想を、ものの見事に裏切ったのだった。

「ん? ふふん。なんだ、私を心配してくれているのか? 未曾有の悲しみの中、そこまで気を遣うとは、お前はどこまで優しいのだ。私ならば心配ない。ケイオスがいなくなった今、私はむしろ、清々しているくらいなのだから」
 クリスは、涼やかな笑顔を浮かべてそう言った。
「えええっ! な、なんで?」
 驚いた。僕は本当に驚いていた。なので、声が上擦っていた。
「ケイオスが、ディアを愛していたからだ。対して、私もディアを愛している。お互いに、ディアを独り占めしたいと思い、《ギルトサバス》にまで付き添って来ていたくらいにな。ケイオスが消えた今、私はディアを独り占めだ。ふはははは」
 うわぁ。口の両端が、大きく吊りあがってる。なんて邪悪な笑顔なの、クリス。
 僕は若干後ずさった。
 これ、本気なのかな? 僕を元気付けるための嘘なのかな? どっちなんだか分からない。クリスは、分からないことだらけだ。
 ところで。
「ねぇ、クリス。『愛してる』って、なに?」
「へ?」
 笑っていたクリスの口が、かぱっと開いたまま固まった。

 あれ? 僕、なにかおかしなことを訊いたのかな?
 そう思い、僕が不安に感じていると、
「ディアっ……!」
「むぐ」
 クリスが苦しそうに僕の名を呼び、唐突に抱き締めてきた。
「ああ、かわいそうなディア。永きに渡り《穢れ》の毒気に晒されてきたせいで、『愛』の意味さえも忘れてしまったというのか……」
「? ? ?」
 クリスの言っている意味が、僕にはまるで理解出来ない。
「いいさ。それも仕方の無いことだ。悪いのは、全て人間だ。いや、あの『クソジジイ』のせいだ。むしろ、ジジイの責任の方が大きい。おのれ、あのクソジジイ……!」
 クソジジイ? 誰のことだろう?
「よしよし、そんな不安そうな顔をするな、ディア。何も心配はいらない。『愛』の意味など、そのうちにちゃんと分かってくる。私といれば、きっと」
 じゅるり、とクリスが舌なめずりをした。僕を見つめる目が熱い。
 なんか怖い。
 僕の笑顔が引き攣った。


「さて。こんなところにいても仕方が無い。夜のうちなら、《アルクデスタ》までひとっ飛びしても、誰に見られることもないだろう。さぁ、行くぞ、ディア」
「え? う、うん」
 そうだ。僕には、ウィルとの約束があるんだ。ケイオスのことは悲しいけれど、いつまでも泣いてばかりはいられない。僕は屹度顔を上げ、クリスの差し伸べられた腕に捕まった。細いのに、力強いクリスの腕。それは僕を誘う灯台の光にも思える。
 ぶわ、と純白の翼が広がった。辺りに砂塵が舞い上がる。月明かりを受けた翼は、仄かな輝きを放ち、僕の目には幻想的に映った。

 ゆっくりと、僕たちは上昇を開始した。目指すところは、《アーク公国》の辺境にある田舎町、《アルクデスタ》。勇者ウィル・ハーバーライトの妹、たった一人の肉親である、シャルル・ハーバーライトの住む町だ。僕はぶかぶかの服を風に揺らし、ウィルから預かった《カイロスの盾》をしっかりと抱え込んだ。
 どんな子なんだろう、シャルルって。
 会ったら、なんて言おう。
 ウィルのことを、どう話せばいいのだろう?
 すり鉢状になった地面の底から、地上へと昇る。僕は、これからの行く手に不安と、それより大きな期待に、胸を膨らませていた。

 

「グファファファファ! 出たぞ! 撃て!」
 突然、大きな声がした。男の人の、野太い声だ。
「なにぃっ!」
 クリスが驚愕の叫びを上げた。 すぐ目の前には、矢があったからだ。四方八方から、僕らを目指して、一直線に向かってくる。
「むんっ!」
 クリスが翼をぶるんと振った。クリスの翼から発せられた突風が、全ての矢を吹き飛ばした。
「うおおっ!」
「なんだこれは!」
「やはり、人ではなかったか!」
 同時に、驚きに彩られた無数の声が上がった。

「不意打ちとは、無能で無礼で汚らわしい、人間らしい行動だな。答えろ! 貴様らは、何者かっ!」
 さらに上昇したクリスは、地上にある複数の人影を見下ろし、凛とした言葉でそう告げた。人影たちは、抉れた地面のその丸い縁を、取り囲むようにして立っている。手には、今、僕たちに向かって飛んできた矢を撃ったのであろう《ボウガン》がある。
 鉄の鎧すら突き破るほどの威力がある矢を撃てる《ボウガン》は、弦を張るのに専用の機械を使うため、次射にはけっこう時間がかかる。彼らのうちの何名かは、その準備に慌てている。僕はぬいぐるみみたいにクリスの両腕に抱えられ、その様子を見ていた。
 なんなんだろう、この人たちは?
 なぜ、僕たちを攻撃してきたんだろう?

 ほどなく、僕らを見上げる一団の人間たちから、一人の大男が進み出た。
「グファファファファ! 俺たちは《アーク公国魔導探査部隊》だ! 通称である《セレクタ(選別者)》と名乗った方が、分かりやすいかもしれねぇな! グファファファ!」
 他の人間が頭をすっぽりと覆うヘルムを被っている中、そう答えた大男だけが、素顔を晒していた。
 銀色の短めな髪が生えた頭をガリガリと掻きながら、もう一方の手は鈍く光る甲冑の胸をどんと叩いている。
 大きな目。大きな口。大きな体。全てが無骨な輪郭で出来ていて、どこからどう見ても粗暴としか言い表せない男の人だ。背負っているのは、地面に引き摺りそうなほどに巨大な剣だ。
 この人も、《騎士》なんだろうか?
 いろいろと特徴のある風貌だけど、僕は特に目が気になった。
 銀色の瞳孔が、縦長になっている。獣じみた瞳に、僕は興味を持った。

 


「ほう。《セレクタ》か。それは確か、放置されている《魔導士》どもを探し出し、味方に引き入れるか、さもなくば捕らえて処刑するという、勝手極まりない組織だったな」
「グファ! 人聞きの悪いことを言うなよ、お嬢ちゃん。『保護している』って言って欲しいもんだよなぁ。ま、意味は一緒だけどな。グファファッ!」
「ふむ。そういう貴様も、《魔導士》だな。人間にしては、かなりのレベルにあるようだが……。貴様、名はなんという?」
 この大男に興味を持ったのは、クリスも同じだったようだ。じゃなきゃ、クリスは名前なんか訊きそうにないし。多分、すぐに反撃して終わらせているんじゃないだろうか。

「へぇ。おめぇも相当やりそうだな。見かけからしておかしいが、《魔物》の類じゃなさそうだ。ヤツラは会話なんて成り立たねぇしな。グファ!」
「あんなモノと一緒にするな。生意気な口をきくヤツめ。今すぐ殺してもいいのだぞ?」
「まぁまぁ。そう焦るなよ。俺は『ウィンザレオ』ってんだ。一応、この部隊の指揮を任されてるもんさ」
 ウィンザレオと名乗った大男は、クリスの脅しにも臆することなくにかっと笑う。いきなり攻撃しておいて、なんて言い草なんだろう。僕はちょっと呆れてしまった。

「いやな。魔王の討伐軍に選ばれなくて、俺もむしゃくしゃしていたからよ。ここから少し離れた所で、その辺にいる魔物どもを片っ端から狩りまくって、暇つぶしをしてたのさ。お陰で部下は何人か死んだがな。グファファ」
 そして、僕は更に呆れた。
 暇つぶしで、仲間を死なせたって言ってるの?
 この人、信じられないよ。
「そしたら、いきなり凄い音と衝撃が発生したから見に来てみれば、おめーらがいたってわけだ。どうにも只者じゃなさそうだって思ったからな、とりあえず不意討ちしてみた。グファファファファ!」

 ウィンザレオという男はそこまで言い終えると、腰から提げていた小さな樽を外し、口元に運んだ。そして樽の中身を喉に流し込み、「ぷはー」と一息ついている。中身はお酒らしい。
 今って一応、戦闘中になるんじゃないの?
 このウィンザレオって人間は、相当剛毅な性格らしい。
「ふふん。おかしな人間もいるものだな。ウィンザレオ、と言ったか。貴様、騎士ではないのか?」
「騎士? あんなもん、堅苦しくてやってられん。俺はただの兵隊さ。そもそも、なぜ騎士どもが貴族の下で戦っているのかが理解出来ん。そのうち、騎士は貴族から独立して、実力で覇権を奪ってゆくだろうが、今はとてもやれないぜ。俺みたいな人間は、その前に処刑されちまうだろうからな。グファファファ!」

 その時、僕は気が付いた。
 僕らに向けられているボウガンが、全て、すっかり準備の整っていることに。
 この無駄話、もしかして時間稼ぎだったのかな?
 心配になり、胸の中からクリスを見上げる。
 クリスは、目だけで頷いた。
 よかった。気付いてる。
「さて、と。そろそろ本題に入ろうかね。……おめーら、一体、何者だ?」
 ぎらり、とウィンザレオの縦長な瞳孔が凶悪な光を放った。

 


「人間ごときが詮索するか。不愉快だな」
 クリスの声は氷点下だ。僕は背中が冷たくなり、ぶるっと震えた。
「グファファ。一応、仕事なもんでね」
 対して、ウィンザレオは変わらずぬるい。
「答えねばどうする?」
「仕事だって言ったろ? それなりの行動に出るだけさ」
 二人の相性は良すぎるのかも知れない。打てば響くような問答だ。
 そして、クリスが動いた。
「好きにしろ。どちらにせよ、死にゆく者に答える言葉など持ち合わせていない」
「クリス!」
 音もなく、またあの光り輝く羽が舞い踊った。

「おお。こりゃきれいだ。グファファ」
 ウィンザレオは僕らの周りを旋回する無数の羽の乱舞を見上げ、笑う。まるで花見をしているかのような風情だ。背中の大剣を抜く素振りもない。
 なんでウィンザレオは、あんなに余裕でいられるの?
 これ、勇者ウィルでさえも、あっという間に倒しちゃった羽なのに!
「舐めおって」
 旋回していた羽が突如方向を変え、地上へと降り注ぐ。光の尾を引く羽たちは、白いラインを残して人間たちに襲い掛かった。
「撃て!」
 ウィンザレオが号令をかける。
「ぎゃ!」
「が!」
「げふ!」
 が、それは遅すぎた。
 甲冑に身を包んだ人間たちは、ボウガンを構えたままで、全身を羽に貫かれていく。
「う」
 僕はウィルを思い出し、思わず顔を背け、目を瞑った。それでも瞼の裏には血を噴き出させて倒れてゆく人々の姿が浮かぶ。悲鳴が聞こえてくるせいだ。僕は耳を塞ぎ、頭を振った。

「ふん。他愛もない」
 ひとしきり羽を降らせたクリスは、もうもうと土煙を上げる地上を見下し、人間たちを皆殺しにしたことを確信している。それは満足げな声だった。
 やっぱり……クリスは、怖い。
 僕は目を閉じ、耳を両手で塞いだまま、そう考えていた。
「くだらん時間を使った。さて、行こうか、ディア」
「う、うん」
 クリスに優しく頭を撫でられ、僕は手の力を緩めた。
 そして目を開けると、信じられない光景があった。
「ひゃー。危ない危ない。いやいや、危うく死ぬところだったな、これは。グファファファファ!」
 土煙の晴れた大地に、ウィンザレオが立っていた。

「あーあ。俺の便利な部下たちが。こりゃー、城に戻っても言い訳できねぇなぁ。それどころか、首を斬られるかもしれねぇ。グファファファファ!」
 大口を開けて笑っているのは、かすり傷一つないからだ。
「うそ……! なんで……?」
 僕は思ったままを口にしていた。
「馬鹿な。こいつ、一体……?」
 クリスも驚いている。
 クリスは空中で進みだした体を止めて、ウィンザレオを睨んだ。
「すげぇな、お前。名前だけでも教えてくれよ?」
 ウィンザレオは一切変わらずそこにいる。
 周りには、沢山の仲間が、血を流して倒れているのに。
 なぜ、怒らないの? なぜ、悲しくないの?
「ふぅん。白い翼を持つ者か。お前、『教会』にある、天使ってやつの絵に似ているな」
 答える気のなさそうなクリスをウィンザレオはしげしげと見ている。

「…………」
 クリスは答える代わりに、ウィンザレオに向けてまた羽を飛ばした。
「おとと」
 それをウィンザレオは見えなくなるほどのスピードでかわして見せた。羽は虚しく空を切り、地面を裂いた。クリスはそれを見てにやりと笑う。
「そうか。貴様、『獣人』だな。それも、桁外れな」
「グファファファファ! すげぇな! もう見抜かれたのかよ!」
 ウィンザレオは何が嬉しいのか、豪快に笑う。僕にはこの男の人が、何を考えているのかまるで分からない。全然なんにもおかしくない。おかしくないのに。
 気付けば僕も、口元が緩んでいた。
 直後、ウィンザレオは意外なことを口走る。
「なぁ、おめぇら。俺と、組んでみる気はねぇか?」
 僕らに向けて伸ばされた手は、とてもごつくて大きなものだった。

 


「組む? 貴様と? それに、なんのメリットがある?」
 意外に思い、僕はクリスの顔を見た。
 言葉とは裏腹に、目が輝いているようだ。
「王様になれる」
 即答だった。
 ウィンザレオは不敵な笑顔を僕らに向け、目を爛々とさせている。
「王様になど、興味はない。ディアはどうだ?」
「えっ? 僕?」
 急に話を振られ、僕はぷるぷると首を振った。
「そ、そんなの別になりたくないよ。それより、シャルルの所へ行かなくちゃ」
 もう王様なんて懲り懲りだ。
「シャルル? それ、ウィルの妹の事か、もしかして?」
「知ってるの?」
 ウィンザレオは力強く頷いた。

「まぁな。ウィルのヤツとは、よく一緒に戦ったからよ。家だって知ってるぜ?」
「家?」
 そういえば、僕はシャルルの住んでいる所も知らない。
「クリス?」
 クリスは首を振っている。クリスも知らなかったんだ。
 僕をどこに連れていこうとしていたの、クリス?
「な、なんだ、その目は、ディア? シャルルの家など、近くまで行って、その辺の者に訊ねればいいだろう?」
「あ? そいつは無理だぜ、天使ちゃん」
「誰が天使ちゃんだっ!」
 クリスがむきになっている。
 なんだかおかしい。でも、笑ったら怒られそう。
 僕は吹き出しそうになる口を、両手で押さえた。
 でも、すぐに放さなければならなくなった。
「で、でも、どうして無理なの?」
 クリスがむすっとしているので、僕が訊くしかない。
 クリスは人に何かを訊くのは苦手そうだ。

「あいつんち、近くに誰も住んでねぇんだ。山奥にあるから何も知らずに行くと迷うし、魔物がうようよいやがるからよ。へたすりゃ死ぬぜ」
 普通に話すウィンザレオの口調に、僕は返ってぞっとした。
「むぅ……」
 クリスは一つ唸ると、ふよふよ翼をはためかせ、僕と共に地上に降りた。
 どうしたんだろう? 何を悩んでいるんだろう?
「グファファ。そう悩むなよ、天使ちゃん」
「……天使ちゃんと言うな」
 あれ? クリス? 元気がないけど?
「何しに行くのか知らねぇが、俺が送って行ってやろうか? こんなに頼りになるボディーガード、そうそういねぇんだぜ。グファファファ!」
「え? ホント?」
「待て、ディア。貴様、その代償になにを望む? まさか、ただの善意でそんなことはしないだろう? 貴様はそんなに出来ている人間ではないはずだ」
 飛びつこうとする僕を、クリスが腕で制した。
 そういえばそうだ。仲間が死んでも平気にしてるし、この人、怖い人だったんだ。
 とても信用出来ないよ。

「まぁな。なに、そっちの用が済んだら、今度は俺の用事に付き合ってくれればいいだけさ」
「用事?」
 無精ひげの生えた顎をさするウィンザレオに、僕は問い返した。
「ああ。なに、簡単な用事さ。妙に疑われるのはめんどくせーから話しておくが、《アルクデスタ》から一週間ほど歩いた向こうに、《ドラムフォルス》って山脈があるだろう?」
「《ドラムフォルス》だと? なるほどな。そこに、何をしに行くつもりだ?」
 何が「なるほど」なのか、僕には分からなかったけれど、クリスもそこに何をしに行くのかは分からないみたいだ。
 でも。
 薄々は分かっているのかな?
 言外に、そんなニュアンスを感じる。
「何しに、だって? 《ドラムフォルス》っていやぁ、一つっきゃねぇだろうが? グファファファファ!」
「……貴様は、相当な馬鹿者のようだな。面白い。よかろう。連れて行くだけでいいのだろう?」
「ああ。俺を降ろした後は、好きにしてくれて構わねぇ。あとは、自分でなんとかするさ。グファファファ」
「よし。交渉成立だ」
「おう。よろしくな、天使ちゃん」
 ウィンザレオのセリフにクリスの眉がぴくりとしたけど、二人はがっちり握手した。

 



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