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交代

眠らなきゃ

始まれない気持ちがある

布団をかけて横になる

 

暗い空をかけられて

一日はゆっくり葬られる

たくさんの夢に看取られながら

 

闇の深くで繰り返される

今日と明日の静かな交代

太陽と月が証明する

 

まどろみの中で

新しい一日の産声を聞いている

それはまるで子守唄のよう


雨言葉

地べたに伝う

雨のつぶやきは

いっせいに落ちれば

賑わいに聞こえる

 

溝に落ちれば

叫びとなり

川になれば

歌となり

 

声にならない雨は

水溜りとなり

誰かの足が聞きに来るまで

黙っている

 

それでも声になれない雨は

言いそびれたように空になって

例え好きな僕を

からかうようにささやいてくる


育つ

種は飛び

誰の庭かもかまわず育つ

 

命は紛れ

人に望まれない場所でも生まれてくる

 

ちょっとした条件に認められて

命はここで生きていく

誰に場違いだと言われても

ここで生きていく


名前

名前の知らない人と

隣り合って

何故だか分からず声をかけられる

 

名前も知らない人と

話が合って

お酒を飲み交わしたりもする

 

名前も知らない人に

おごられて

「ごちそうさま」と手を振って

 

名前も知らない人と

気分よく別れる

名前も知りあわないままに

 

そんな一日に

名前がついた


はかなさ

夢見る前から

儚くなって

またいつもの朝が始まる 

 

願うことと

叶うこととの距離は

開きすぎていて 

 

何をしてもしなくても同じ

そんな虚しさとの静かな戦い

繰り広げる穏やかな日常



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