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あのときの言葉

あのときの言葉を

笑顔で言えてたなら

もっと良い意味に

受け取ってもらえただろうに

 

あのときの言葉を

スムーズに言えてたなら

もっと格好よく

決められていただろうに

 

言葉が言葉だけで

伝えられたなら

たかが言葉くらいでと

思っていられた

 

あのときの言葉が

似合う自分だったなら

あのときの言葉に

説得力を持たせられる生き方だったなら


夕陽

薄雲に

見え隠れする

鮮明な赤

なまめかしくて

優しい

 

誤解を

解きほぐせずに

しこりを残した日

今日の夕陽は

なんだかひりひりして

 

明日

持っていくべき心を

見つけられない胸は

かすかな夕陽を

いっぱいに浴びる


闇に消えゆく今日の寂しさと

姿を魅せる明日への不安

その隙間に涙がぽとり

 

小さなリビングで落とした涙は

拾ってくれる人もなくこぼれて

カーペットの上で光る

 

なにか価値あるものに

つなげられなかったとしても

輝かしい涙


深まる暗闇が

星の光を浮かべ

この街を静かにした

 

月明かりに

止まろうとして

宇宙をさまよう虫たち

 

一杯のビールを

飲み干した後に

気持ちよく漂える夜


不幸

不幸は

現実的に見えてくる

幸福より

感触が強くて

 

不幸は

使命のように思えてくる

幸福より

意味深に思えて

 

怖れながら

魅せられている

一人の英雄が抱えていた

不幸話に

 

失っていく姿に

酔いしれてしまう

大切なものを捨てた時の

後悔を省みずに



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