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頭突き

固い壁に頭突きして

苦みを痛みで抑えようとした

じーんと頭に残る響きは

みっともない過去の余韻

 

忘れられるだけ忘れられたら

大切なものが思い出せるかな

壁の向こうで広がっている

真夜中には響かない感情


流れ

言葉が生まれるまで

心は淀みなく流れていた

血液と同じように

 

言葉は心の過去にすぎない

去り続ける現在を

がんじがらめにするための

 

さっさと次に向かおうとした心を

生まれたての言葉が呼び止める

「声にしなくていいのですか」


引越し

生まれた時から

取り残されてる気がする

湿気のこもった下宿にたたずむ

 

孤独が生んだ言葉は

どれも貧しくて使い物にならない

喉元に積もらせたまま

 

去れども去れども

取り残されるのは僕の方

分かっていて繰り返す引っ越し


暗い地面に滲む影

体が疼くのは稀

思い浮かばない術

動きかけて停滞している夢

向こうの歩道からの声

僕じゃない人の名を呼ぶ誰?

傘から覗きこんだ上

相変わらず降り続く雨


あのときの言葉

あのときの言葉を

笑顔で言えてたなら

もっと良い意味に

受け取ってもらえただろうに

 

あのときの言葉を

スムーズに言えてたなら

もっと格好よく

決められていただろうに

 

言葉が言葉だけで

伝えられたなら

たかが言葉くらいでと

思っていられた

 

あのときの言葉が

似合う自分だったなら

あのときの言葉に

説得力を持たせられる生き方だったなら



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