閉じる


<<最初から読む

31 / 50ページ

深まる暗闇が

星の光を浮かべ

この街を静かにした

 

月明かりに

止まろうとして

宇宙をさまよう虫たち

 

一杯のビールを

飲み干した後に

気持ちよく漂える夜


不幸

不幸は

現実的に見えてくる

幸福より

感触が強くて

 

不幸は

使命のように思えてくる

幸福より

意味深に思えて

 

怖れながら

魅せられている

一人の英雄が抱えていた

不幸話に

 

失っていく姿に

酔いしれてしまう

大切なものを捨てた時の

後悔を省みずに


どこで身に着けたのか

その場のしのぎ方を

困難をやり過ごす方法を

 

ありとあらゆるものが

僕を作ってきた

自分で吐いた嘘でさえも

 

風呂場の鏡に映った

裸の自分を疑る

何か隠し事はないかと


ポケット

遠い国の戦争は

実感なく記憶を通り過ぎていく

胸を痛めた事件や事故も

今では言葉以上に響かない

たった一人の君でさえ

もう関わりあえない人

 

何を始めたらいいか

優先順位を見失って

付ける宛てのない手は

結局ポケットに収まるんだ


花火

花火は

一瞬の星

誰も住むことはできない星

私たちの心に住み着く星

 

花火は

一瞬の川

夜を流れ

宇宙に

溶けていく

 

花火は

咲きながら散る

花の命を

一瞬で語る



読者登録

udaudaさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について