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育つ

種は飛び

誰の庭かもかまわず育つ

 

命は紛れ

人に望まれない場所でも生まれてくる

 

ちょっとした条件に認められて

命はここで生きていく

誰に場違いだと言われても

ここで生きていく


名前

名前の知らない人と

隣り合って

何故だか分からず声をかけられる

 

名前も知らない人と

話が合って

お酒を飲み交わしたりもする

 

名前も知らない人に

おごられて

「ごちそうさま」と手を振って

 

名前も知らない人と

気分よく別れる

名前も知りあわないままに

 

そんな一日に

名前がついた


はかなさ

夢見る前から

儚くなって

またいつもの朝が始まる 

 

願うことと

叶うこととの距離は

開きすぎていて 

 

何をしてもしなくても同じ

そんな虚しさとの静かな戦い

繰り広げる穏やかな日常


区切り

僕らは一日という単位を作り

そこに自分を囲って暮らす

心のリズムを保てるようにと

 

僕らは永遠の中に

数え切れないほどの終わりを作る

何度も生まれ変われるようにと

 

僕らは時間を細かく区切り

乗り越えることに意味を持たせる

常に新しい時間を迎えられるようにと


昨日の悲しみが

今日の悲しみを出迎えて

ただぎゅっと抱きしめる

 

昨日組み立てた論理が

今日の気分と言い争う

その末に

一つの体に同居する

 

心にはどんなものも

入れてしまえるけど

心を通したものしか

入れられない

 

明日来る感情に

僕の過去は

どんなふうに語りかけるのだろう

 

空の向こうに見えるのは

まだ僕の知らない

感情かもしれない



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