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迷う

僕らはよく迷う

山にいても

街にいても

 

それを旅だと思えたら

それを運命と思えたら

迷いもなくなるだろうに

出口を探し続ける

 

帰りたい家があって

人は迷う

会いたい人がいて

人は迷う

そこに望みがある限り

人は迷う


空回り

真っ直ぐに生きようとするほど

複雑なことからは逃げられなくなるよ

世界を変えるために

あと何枚書類を作ればいい?

 

想いが募っていくたびに

空回りすることが増えるよ

時を駆け抜けるスピードがほしい

つまずいたことも忘れるくらい

 

明日を大きく膨らませるほど

今日が煩わしく思えてくるよ

叶わない未来を心に溜めては

ただどうしようもなく願っているんだよ


夜空

気づけば

傍に

光はあった

 

空を見ていたら

言葉より先に

ため息が出てきた

 

悲しみでも

安堵でもない

星の瞬きに呼ばれて

 

闇に溶けた

息は流れ

どこかの命へ向かう

 

吐き出した体に

そこはかとない

夜が染み込んでくる


交代

眠らなきゃ

始まれない気持ちがある

布団をかけて横になる

 

暗い空をかけられて

一日はゆっくり葬られる

たくさんの夢に看取られながら

 

闇の深くで繰り返される

今日と明日の静かな交代

太陽と月が証明する

 

まどろみの中で

新しい一日の産声を聞いている

それはまるで子守唄のよう


雨言葉

地べたに伝う

雨のつぶやきは

いっせいに落ちれば

賑わいに聞こえる

 

溝に落ちれば

叫びとなり

川になれば

歌となり

 

声にならない雨は

水溜りとなり

誰かの足が聞きに来るまで

黙っている

 

それでも声になれない雨は

言いそびれたように空になって

例え好きな僕を

からかうようにささやいてくる



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