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卒業

心は上の空

校長先生が何か言ってる

急ぐ用事もないのにそわそわ

 

後輩たちが作った道を歩く

涙する女子となぐさめる女子

握手してうなずく先生と同級生

 

僕たちの一年は

3月で終わるから

咲き乱れる桜の花が

妙に鮮やかに映るのだろう

 

卒業証書の筒を開ける音

新しい始まりの合図

思い残すことだらけの校舎を

ぼんやり見上げてさよなら


美しい言葉

それを追っていたつもりが

言葉を追っていた

夢という美しい言葉を

 

あなたを求めていたつもりが

言葉を求めていた

愛という美しい言葉を

 

心と言葉がいつの間にか

すり替えられていたのに

気付かずにいたんだ

 

言葉の眩しさに苛まれて

逃げ出した足だけど

まだ何かを追っているような気がするんだ


リアリティ

その一瞬に

抱き損ねた

悲しみが

後を引く

 

積み重なった

名もなき感情が

怒涛のごとく

押し寄せる

 

リアリティは

時が経って

痛感させられるもの

 

この想いは

引き取る人もいない

僕が抱かねばならぬもの


頭突き

固い壁に頭突きして

苦みを痛みで抑えようとした

じーんと頭に残る響きは

みっともない過去の余韻

 

忘れられるだけ忘れられたら

大切なものが思い出せるかな

壁の向こうで広がっている

真夜中には響かない感情


流れ

言葉が生まれるまで

心は淀みなく流れていた

血液と同じように

 

言葉は心の過去にすぎない

去り続ける現在を

がんじがらめにするための

 

さっさと次に向かおうとした心を

生まれたての言葉が呼び止める

「声にしなくていいのですか」



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