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抱きまくら

抱きしめることで

振り落とされそうな時にしがみつく

孤独のざわめきを超え

夜の影と和解する

 

抱きしめることで

抱きしめられている感じがする

わたに柔らかく弾かれて

夢よりも優しいうつつの中で

 

親でも恋人でも友達でもない誰かに

抱きしめられたい夜がある

抱きしめたまま潜っていきたい

どこまでも深い闇の奥


重荷

人口は増え

情報は増え

爆発的な勢いで

過去は増えている

 

それはただ

今を生きる者には

重すぎて

 

僕らはすでに

歴史を

抱えきれなくなってる

 

こぼしていく

過去は

現在への

違和感になる


呪文

意味のない言葉でも

叫んだらきっと

振り向く人がいるだろう

くすくす笑う人もいるだろう

 

泣きじゃくる赤ん坊は

心の捉え方を知っている

食べたい触れたい甘えたい

願望を叫びに変えて

 

言葉は隠せない

言葉が奏でる響きと旋律を

あぶらかたぶら

人は繰り返しつぶやく

呪文になるまで


果実

歴史は正義で動かない

たった一本のバナナで動く

 

自分で動かない植物の

果実や葉っぱや花の蜜が

人を動かす力を持ってる

 

人は一個のりんごをかじり

一個のりんごをを勝ち取るがため

争いに行く


別人

僕についてる眼と

君についてる眼は違うから

同じ花を見ていても

違うふうに見えるのかもしれない

 

僕が歩んだ歴史と

君が歩んだ歴史は違うから

同じ人に抱く印象が

全然違ってくるのかもしれない

 

僕が抱えている心と

君が抱えている心は違うから

僕が信じているあの神様と

君が信じているその神様は

同姓同名の別神かもしれない



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