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呪文

意味のない言葉でも

叫んだらきっと

振り向く人がいるだろう

くすくす笑う人もいるだろう

 

泣きじゃくる赤ん坊は

心の捉え方を知っている

食べたい触れたい甘えたい

願望を叫びに変えて

 

言葉は隠せない

言葉が奏でる響きと旋律を

あぶらかたぶら

人は繰り返しつぶやく

呪文になるまで


果実

歴史は正義で動かない

たった一本のバナナで動く

 

自分で動かない植物の

果実や葉っぱや花の蜜が

人を動かす力を持ってる

 

人は一個のりんごをかじり

一個のりんごをを勝ち取るがため

争いに行く


別人

僕についてる眼と

君についてる眼は違うから

同じ花を見ていても

違うふうに見えるのかもしれない

 

僕が歩んだ歴史と

君が歩んだ歴史は違うから

同じ人に抱く印象が

全然違ってくるのかもしれない

 

僕が抱えている心と

君が抱えている心は違うから

僕が信じているあの神様と

君が信じているその神様は

同姓同名の別神かもしれない


隔離

あらゆる偶然を拒絶して

運命の気配を遮断した

薄っぺらい壁を境界線にして

曖昧な自分を守っている

 

僕は僕を隔離する

僕は独りで一人になる

何もない一点を見つめ続ける

希望の形に見えてくるまで

 

24時間向き合うのは自分

堂々巡りと知っていても

部屋をカーテンで隠しながら

差し込む光を待っている


衝動

岸壁に

ぶつかりたい

荒波があるんだ

 

誰にも

癒やせない

衝動があるんだ

 

この激情の

居場所は

どこにあるんだ

 

朝はまだ

見えてきやしない

いくら走っても



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