ストリート・オブ・ファイヤー
1984年アメリカ映画
監督 ウォルター・ヒル
主演 マイケル・パレ、ダイアン・レイン、ウイレム・デフォー
ラブストーリー系アクション映画でございます。
ラブストーリーが苦手な私は、この映画のこと「風と共に去りぬ」みたいなめっちゃ恋愛映画だと思っておりまして、長い間見なかったです。
だってビデオジャケットがすんごい恋愛映画っぽいんだもん。
この作品をちゃんと知ったのは、劇団時代だったですね。ある舞台のBGMで、この映画のクライマックスで流れる曲が使われてまして、「かっこええ曲やなあ、誰の曲かいなあ」って思って調べてみたらこの映画のサウンドトラックでございまして、あわてて観たらけっこう面白かったです。
やっぱり映画はちゃんとチェックしないとだめですよね。
ロックスターのレインさま。
彼女は地元の町でコンサートを開きます。ライブの最中にならず者グループが乱入し、あわれレインさまは拉致されてしまいます。
彼女の兄がレインさまの元彼に手紙を送り、帰ってくるのがパレさまでございます。
パレはならず者のアジトに、レインさまを救出すべく向かうわけでございます。
いぐわあああ。かっこええ。
ならず者のリーダーがデフォーさま。めっちゃ若い。そらそうやわな。
当時、デフォーさまは自分より若干年上だったわけですから、今ではおっちゃんでございます。
「スパイダーマン」で久々に姿をスクリーンで拝見しましたが… ここから先は書かないほうがいいですかね。
ともあれ、この作品ではすっげえ印象的な悪役を演じておられました。
この作品が「プラトーン」につながったんでしょうね。
しかしながらこの作品での悪役がはまりすぎていたのも事実です。「プラトーン」でも何か悪いことしそうな気がしてしかたなかったです。
物語後半のペレさまとデフォーさまの格闘シーンが出色の出来ですね。
ラストのダイアン・レインさまのライブシーンもとてもようございます。
余韻を残すようなラストもよかったです。
とりあえず、ポスターやビデオジャケットで映画の好き嫌いを決めつけちゃいけませんですね。
ハドソン・ホーク
1991年アメリカ映画
監督 マイケル・リーマン
主演 ブルース・ウィリス、ダニー・アイエロ、アンディ・マクダウエル、ジェームス・コバーン
アクション映画のご紹介が続いております。
この作品はねえ、まあアクションはアクションなんだけど、ちょっとすかした系のアクション映画でございます。
主人公のウィリスさまは、まあ怪盗なわけですな。
美術品だとか高級品ばかりを狙う系の泥棒さんです。
「この映画すげえ」って思ったのは、作品最初の盗みの場面なんですね。
いっしょに盗みに入った仲間とおち合う時間と場所を決める場面があったわけですが、じゃあ今日は「○○にしよう」って曲のタイトルを言うわけですね。
で、おもむろに二人は別れてそれぞれに(曲を口ずさみながら!)仕事をして、曲がフルコーラス終わったところで無事おちあうと。
そんな洒落た怪盗が活躍する映画でございます。
10年の刑期を終えて、自由の身になった怪盗ハドソン・ホーク(=ウィリスさま)。
彼は世界征服を狙う夫婦にだまされて、ダ・ヴィンチの隠された美術品を盗まされることになりますが…
「ダイ・ハード」でスターの座に踊り出たウィリスさまですが、この作品ではとってもお茶目な演技を見せてくれています。
まあね、「ダイ・ハード」のジョン・マクレーンも自分の身の上に起こった事件をボヤきながら戦うヒーローだったので、かなりおちゃめだったんだけど。
ただ、この映画ではウイリスはかなり楽しみながら演じていたようですね。
なんかすごく余裕のある表情を見せていたような気がします。
いいなあ。こんな作品に恵まれて。って思っていたらウィリスさまの楽しげな表情の理由がわかりました。
この作品ってウィリスさま自身が企画した作品らしいです。そら楽しいやろな。
アウトブレイク
1995年アメリカ映画
監督 ウォルフガング・ピーターゼン
主演 ダスティン・ホフマン、レネ・ルッソ、モーガン・フリーマン
ここからパニック系アクション映画を続けてご紹介。
この映画って、かなり堅くて難しい物語なんじゃないかなって勝手に想像してました。
「ストリート・オブ・ファイヤー」みたいにビデオジャケットで判断してたんですね、この作品も。
なんかダスティン・ホフマンさまが、ウイルス防護服みたいな服を着ている写真がビデオジャケットになっておりましたが。「ウイルスからアメリカを守れ」みたいな、学術シミュレーション映画みたいな作品をイメージしておりました。
映画を見て、あまりの面白さにびっくりした記憶があります。
アフリカで、強烈な致死率をもつウイルスが広がりはじめます。感染し発症すると、体じゅうから出血して死ぬというウイルス。
このウイルスに「感染しているけど発症していない」サルがアメリカ国内に持ち込まれます。
このサルに噛まれた男がウイルスに感染し、この男からウイルスは次第に町じゅうに広がっていきます。
軍の研究所でウイルスを研究しているのがホフマンさまでございまして、彼はウイルスの封じ込めと感染者の隔離を行うために町に入ります。ウイルスは当初、唾液を含む体液の接触による感染しかしないと考えられていましたが、次第にウイルスは変異し、空気感染をはじめます。
ここらのサスペンスの盛り上げかたが実に巧いですね。
ウイルスの封じ込めと並行して、「なぜこの町でウイルスが流行したか」を調べるプロセスも描かれ、やがて「感染しているけど発症していない」サルの体内には、ワクチン製造に不可欠な抗体ができていることが明らかになります。
すげえすげえ。ごっついもりあがり。
やがて町に医療班として入ったホフマンさまの元カノのルッソさまがウイルスに感染してしまいます。
えらいこっちゃ。
果たしてサルは捕まるのでしょうか。
ワクチンは間に合うのでしょうか。
いぐわああああ。
「MI2」だとか「24・シーズンⅢ」は、かなりこの作品に影響を受けているように感じます。
とにかくリアルでよくできています。
「いい映画見た~」っていう、すっごく幸せな気分を味わうことのできる一本でございます。
大地震
1974年アメリカ映画
監督 マーク・ロブスン
主演 チャールトン・ヘストン、エヴァ・ガードナー、ジョージ・ケネディ、ジュヌヴィエーブ・ビジョルド
元祖パニック系アクション映画です。
私ってねえ、この映画が公開される前後から映画に興味をもちはじめたので、ここらへんの映画には思い入れがあったりしますが。
えっとね、パニック映画の元祖はやっぱりこの作品になると思いますね。
これ以前にも、「大空港」だとか「ポセイドン・アドベンチャー」みたいなパニック系の映画はあるにはありましたが、「パニック映画」というジャンルが設定されたのはおそらくこの映画が最初だったです。
というか、「パニック」って言葉が一般的になったのがこの映画の時期だったと記憶しております。
この映画以降、パニック映画ブームの流れを決定づけた「エアポート75」だとか「ジャガーノート」、タイトルにパニックって言葉を埋め込んだ「サブウェイ・パニック」だとか「マシンガン・パニック」だとかの映画が公開されます。
ちなみに「サブウエイ・パニック」「ジャガーノート」はパニックものではなくてサスペンス。
「マシンガン・パニック」はハードボイルドの刑事ものです。
「エアポート75」も乗客がパニックに陥ってああだこうだって場面はほとんどありませんでしたから、厳密にはパニック映画ではないでしょうね。
「ポセイドン・アドベンチャー」は極限状況でのサバイバルドラマだし、「大空港」も人間ドラマっぽいサスペンスだったから、人々がパニックに陥ってどうのこうのって映画の元祖はやっぱりこの「大地震」ってことになるかと思います。
物語は…ロサンゼルスで大地震が起きます。以上。
だって本当にそれだけなんだもん。
チャールトン・ヘストンさま演ずる主人公が、奥さんのガードナーさまと不仲で、彼女のビジョルドさまを助けたくて、とか。
治安維持のために出動した軍の部隊が暴徒化しつつある市民に発砲したりとか。
地震でダムが決壊してとか。
みたいな細かい話はいろいろありますが、基本的には地震のあとのどさくさをわわわって描いた感じです。
申し訳ないですが、私はかの阪神大震災を直接経験しておりますので、ちょっとリアリティに欠ける話だと思ってしまいました。
地震が起きてもね、そんなに自分のこと見失うものじゃないですよね、人間って。
そういう意味ではテレビドラマの「救命病棟24時」の第二シーズンなんかのほうがよっぽどリアルに地震の後ってものを描いていたように感じました。
ちなみにこの作品、(当時の)新時代の音響システム「センサラウンド方式」って音響方式を使って上映されました。
でもこの作品以降、「センサラウンド方式」の作品は一~二本くらいしか公開されなかったみたいなので、これってどうやらダメダメシステムだったみたいですね。
ブローン・アウェイ・復讐の序曲
1994年アメリカ映画
監督 スティーブン・ホプキンス
主演 ジェフ・ブリッジス、トミー・リー・ジョーンズ、スージー・エイミス
パニック系のアクション映画を続けてご紹介しております。
今日はなかなかスリリングで面白い一作。
爆破魔と爆発物処理班との息詰る戦いを描いたサスペンスアクション映画でございます。
爆破テロの首謀者として北アイルランドの刑務所に収監されていた「天才爆弾魔」ジョーンズさま。
彼は囚われの身でありながら爆弾を作り、牢を爆破して脱走します。
彼の行く先はアメリカ。
そのころ、爆発物処理班の隊員ブリッジスさまは爆弾事件を見事に処理し、ヒーローとしてまつりあげられます。
ちょうどその報道の直後から、まるで処理班の隊員を狙ったかのような爆弾事件が連続して起こります。
犯人はもちろんジョーンズさまでございます。彼のターゲットはブリッジスさま。
そもそも彼が投獄されたのは、同じIRAの同志だったブリッジスさまが裏切ったためだったからなんですね。
ってことで、ジョーンズさまはブリッジスさまに復讐するためにあの手この手を使ってくるわけですな。
処理班を狙っていたジョーンズさまは、やがてブリッジスさまの身内を狙いはじめます。
ブリッジスさまの妻と娘が外出から帰ってくる。ガスコンロに火をつける、コンセントにコードを差し込む、ドライヤーを使う…
どこに爆弾が仕掛けられているかわからない恐怖感を盛り上げる好演出でございます。
この場面、なかなか好きです。
あと、クライマックスもすごい。
ブリッジスさまとジョーンズさまの最終対決のシーン。
ジョーンズさまの仕掛けで、ドミノ倒しのような仕掛けで爆弾が爆発します。
おおすげえすげえ。すっごく屈折した爆弾魔を、トミー・リー・ジョーンズさま、大熱演。すごく楽しめました。
惜しいのは、この作品が製作されたのが、たまたま「スピード」と同時期だったことでしょうか。
私的には「スピード」もこの作品も楽しめましたが、それにしても内容かぶりすぎ。
そうなると、明らかにヒットした「スピード」が基準になってしまうので、「スピード」に似た話って思われてしまいます。
けっこう面白い話だったんですが。残念。