目次
はじめに
この本はこんな本
1~30
スクリーム
スクリーム2
シュリ
トミー
アウトサイダー
幻魔大戦
MUSA(武士)
薄化粧
嗤う伊右衛門
吸血鬼ドラキュラ
凶人ドラキュラ
ドラキュラ‘72
新ドラキュラ悪魔の儀式
蠅男の恐怖
ザ・フライ
ポランスキーの吸血鬼
ウッドストック・愛と平和と音楽の三日間
ハムナプトラ
愛と青春の旅立ち
コマンドー
風と共に去りぬ
デッドゾーン
南極物語
バックドラフト
キャシャーン
レインマン
ナバロンの要塞
ナバロンの嵐
グッド・モーニング・ベトナム
7月4日に生まれて
31~60
シンドラーのリスト
戦争のはらわた
太陽の帝国
ディア・ハンター
フルメタル・ジャケット
ヤング・ガン
ヤング・ガン2
ウォーター・ワールド
ジュマンジ
ストリート・オブ・ファイヤー
ハドソン・ホーク
アウトブレイク
大地震
ブローン・アウェイ・復讐の序曲
ポセイドン・アドベンチャー
黒い家
トップ・ガン
フォーエバー・ヤング 時を越えた告白
永遠に美しく…
青い体験
殺人の追憶
ナルニア国物語・第一章 ライオンと魔女
汚れなき悪戯
ウィズ
ファントム・オブ・パラダイス
三銃士(1993)
十戒
天地創造
ヒーロー
マルコムX
61~90
告発の行方
JFK
暗くなるまで待って
氷の微笑
コレクター(1997)
依頼人
ザ・ファーム 法律事務所
スニーカーズ
ダイヤルMを廻せ
ハンニバル
ピクニック・アット・ハンギングロック
羊たちの沈黙
ボディ・ダブル
ミザリー
ゆりかごを揺らす手
ルール
レッドツエッペリン・狂熱のライブ
リーサル・ウエポン
めぐり逢えたら
ピンク・パンサー3
悪魔の赤ちゃん
オーシャンと11人の仲間
ジョニー・ハンサム
ゲッタウェイ(1994)
怒れるドラゴン・不死身の四天王
ミッション
ジョー・ブラックをよろしく
感染
トリプルX
91~120
007/ダイ・アナザー・デイ
恋人はスナイパー・劇場版
遥かなる大地へ
マイノリティ・リポート
風とライオン
リーグ・オブ・レジェンド/時空を越えた戦い
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
リベラ・メ
トパーズ
コットン・クラブ
黒の試走車
ナースコール
ミミック
イーストウイックの魔女たち
トゥルー・ロマンス
ハイ・クライムズ
ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
ポセイドン・アドベンチャー2
事件
望郷(1937)
ガメラ2レギオン襲来
ドラゴン危機一発
オーメン(1976)
最後のブルース・リー ドラゴンへの道
海猿
ザ・グリード
シェルタリング・スカイ
ゲロッパ
ダンテズ・ピーク
下妻物語
121~150
ミッドナイト・エクスプレス
ノー・マーシイ~非情の愛
T.R.Y.(トライ)
レイクサイド・マーダー・ケース
オーメン2・ダミアン
オーメン3・最後の闘争
ゴースト・ニューヨークの幻
ひまわり
幸福の条件
ロミオとジュリエット
ワーキング・ガール
小さな恋のメロディ
恋しくて
俺たちに明日はない
火山高
グレート・ブルー
サタデー・ナイト・フィーバー
スタンド・バイ・ミー
トゥームレイダー2
戦場のメリークリスマス
銀河英雄伝説・我が往くは星の大海
チャンプ
エクソシスト
エクソシスト2
ミッション・インポッシブル
モダン・タイムス
チャップリンの黄金狂時代
街の灯
死霊のはらわた
チャップリンの独裁者
151~180
となりのトトロ
突入せよ あさま山荘事件
ホワット・ライズ・ビニース
引き裂かれたカーテン
タービュランス2
戦国自衛隊1549
沈黙の断崖
キャノンボール2
乱気流・タービュランス
案山子・KAKASHI
カジノ
悪魔の植物人間
バスケットケース
悪魔のはらわた
処女の生血
ブレインデッド
悪魔のしたたり
幸福の黄色いハンカチ
スターウォーズ・エピソード1・ファントムメナス
あの夏・いちばん静かな海
BROTHER
デモリッションマン
金田一耕助の冒険
未来警察
スーパーマン
ワイルドバンチ
13日の金曜日パート2
13日の金曜日パート3
13日の金曜日完結編
新・13日の金曜日
第二集 上巻 あとがき
第二集 上巻 あとがき

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1~30

スクリーム

1996年アメリカ映画
監督 ウエス・クレイブン
主演 ネーブ・キャンベル、コートニー・コックス、スキート・ウーリッチ

記念すべき二年目最初の作品はホラーざんす。
ウエス・クレイブン監督の「スクリーム」でございます。
作品のジャンルとしてはホラーというより謎解きサスペンスになります。
ただし、やっぱり「エルム街の悪夢」のクレイブン監督らしく、殺人シーンはまったりずっぽり、これでもかみたいな感じで見せてくれます。
でも同じホラーの大巨匠「サスペリア」のダリオ・アルジェント監督ほど視覚的に痛い映像ではないですね。
この作品、クレイブン監督のホラーに対する愛情がひしひしと伝わってくる作品です。
冒頭いきなり、女性が殺されちゃうわけですが、これがなかなか怖い。女性が一人で留守番していたら、電話が鳴る。クイズに答えたら命を助けてやるとか言われます。
電話の相手は自分の姿が見える場所からかけてきているらしい。出されるクイズは…「『十三日の金曜日』の殺人鬼の名前は?」ここでちょっと笑ってしまいましたが。
彼女は答えを間違えてしまいます。で、殺人鬼乱入~ 
彼女は第一の犠牲者になってしまいます。
さてここから事件が始まります。物語の主人公はやっぱり女性。同じ殺人鬼に彼女が狙われるわけですな。かなりしつこく狙われます。
こうなると、もう自分の周囲の人間みんなが殺人鬼みたいに思えてしまって、彼女のことが心配になったといって様子を見にきた彼氏さえ疑って警察に通報してしまう始末。
結局彼氏には犯行が不可能だったことが証明されて、そこからは彼氏に守ってもらうことになります。
そうこうしているうちに学校が休みにはいり、クラスメートたちは友人の家に集まってパーティーなんぞをします。
みんな集まって見るビデオがなぜか「ハロウイン」だったりして、これまたニヤリとさせてくれます。
映画見ながら解説する奴がいたりして。
「みんながいる場所から『すぐ戻るね』なんて言って出て行く奴は、そのあとすぐに殺される」とか。
パターンやなあ。でもこの作品でも「すぐ戻る」って言って出て行った子は、やっぱりそのあとすぐに殺されてしまう。
やれやれ。
犯人がとっても意外。ホラーを知り尽くしたクレイブン監督ならではの、観客の予想の裏をいく犯人設定。
「巧い」とうなってしまいました。結末は是非映像でご確認くださいませ。
おっとちなみに。作品冒頭のクイズの答え。「ジェイソン」と答えたあなたは殺人鬼に殺されちゃうパターンですよ~ 
正解は…「ボリーズ夫人」。ジェイソン君が殺人鬼として登場するのは「十三日の金曜日」ではなく、「十三日の金曜日パート2」以降です。
ひっかけ問題やあ~


スクリーム2

1997年アメリカ映画
監督 ウエス・クレイブン
主演 ネーブ・キャンベル、コートニー・コックス、サラ・ミッシェル・ゲラー

ホラー映画ファンによる、ホラー映画ファンのためのホラー映画第二弾。
相変わらずホラー好きな皆様を喜ばせるような会話があちこちで出てまいります。
今回は第二弾もののホラーではこんなことがあるあんなことがあるって会話が面白かったですね。
あの事件から二年の月日が流れました。前作で事件を現地レポートしていた人が事件を題材にした本を書き、その本が映画化までされてしまいます。
映画の完成試写会で起こる第二弾第一の殺人(ややこしい)。
今回は前作で犯人がかぶっていた骸骨マスクをかぶって試写会を見にいっているお調子者がたくさんおりまして、それはそれで奇妙で危ない絵が展開します。劇場骸骨マスクだらけ。その中に犯人が骸骨マスクかぶって暴れまくる、みたいな。最初の殺人はこんな感じで力が入っておりましたが、第二の殺人からは前作みたいな感じです。ショックシーンもあまりパワーアップしてない感じ。
作中人物の会話にあったように、やはりよほど作品全体がよくできていないとパワーダウンしているように感じられます。第一の殺人はかなりすごかったんですが、第一話の生き残り組を狙う第二・第三の殺人はちょっとありきたりかなあ。
最後に明らかになる犯人も、前作の「映画ファンの常識を逆手にとった犯人像」ほど意外ではありませんでした。
とはいってもクレイブン監督、「前作の犯人像を知っている観客心理をさらに逆手にとった仕掛け」もあって、ちょっとニヤリ。でも百八十度の百八十度逆は三百六十度まわって元に戻りますでしょ?犯人像としては全然意外ではなくて、むしろ普通っぽかったです。もっとびっくりしたかったんですが。ちょい肩透かしの消化不良感が残りました。


シュリ

1999年韓国映画
監督 カン・ジェギュ
主演 ハン・ソッキュ、キム・ユジン

とにかく最近勢いのある韓国映画でございます。
この作品にしても「シルミド」あたりの作品にしても、南北に分断された朝鮮半島の問題が作品のベースになっています。
分断された祖国への思いってものがあるわけだから、全てはデリケートな話にならざるを得ないですよね。
物語の主人公は韓国の警察官。
テロ防止のセクションにいる青年です。彼のもとに情報が入ります。北朝鮮からスナイパーが潜入したという話。
実際に何人もの人が犠牲になります。
そんな事件と並行して、韓国が開発した液体爆薬が北朝鮮のテロリストグループに略奪されてしまいます。
このグループってのが実に微妙な連中でして、北朝鮮軍部の命令をうけて行動してるわけではないことがだんだんとわかってくるわけですな。
というのも、南北朝鮮の友好的なムードを歓迎する勢力と、それに反対する勢力がいるわけです。
平和協調路線と強硬路線ですな。
テロリストグループは南北朝鮮の親善サッカーが行われているスタジアムに液体爆弾を仕掛け、韓国大統領と協調路線の北朝鮮の特使を一気に吹き飛ばそうとします。
それを阻止しようとする韓国側。
なんとテロリスト側は、爆破計画が失敗したときのためにスナイパーを待機させています。
そのスナイパーはなんと主人公が愛を誓った女性でした。いぐわああああ。
物語途中で北朝鮮のテロリストが戦いのビジョンを語る場面があります。
北朝鮮のテロリストでさえ、南北に分断された祖国の状況を憂えていて、南北統一を願っているわけです。
その方法論が違うだけなんですね。このあたりがとても複雑ですよね。重く、悲しく、とてつもなく素晴らしいドラマに仕上がっております。
必見といっておきましょう。


トミー

1975年アメリカ映画
監督 ケン・ラッセル
主演 ロジャー・ダルトリー、アン・マーグレット、オリバー・リード、ジャック・ニコルソン、エリック・クラプトン、エルトン・ジョン

ロックバンド「ザ・フー」が発表したロックオペラ「トミー」の映画化です。
とにかく壮大な作品でございます。物語中、普通に台詞が喋られるところはほとんどないです。
ほとんどの台詞が音楽です。まあ歌詞が台詞だと考えていただいたらいいんじゃないかと思います。
第二次世界大戦終戦の日に生まれた少年トミー(ダルトリーさま)。
戦闘機パイロットの彼の父は出征し、戦地上空で消息を断ちます。トミーの母マーグレットさまは女手ひとつでトミーを育てることになるわけですな。
トミーが六歳になったころ、母の前に男性が現れます。ホリデーキャンプのおじさん、リードさまでございます。
マーグレットさまとリードさまは次第に惹かれあい、やがてベッドを共にする間柄になるわけですが、突然トミーの父が帰還します。
リードさまは口論の末、トミーの父を殺してしまいます。間の悪いことにトミーはその現場を目撃してしまう。
「お前は何も見ていない。聞いていない。何も喋ってはいけない」とマーグレットさまとリードさまにつめよられ、父が殺される現場をみたショックも加わり、トミーは言葉を忘れ、自分の殻に閉じこもってしまいます。
責任を感じた二人は、息子を専門医(ニコルソンさま)に診せたり、怪しげな伝道師(クラプトンさま)のいる宗教の教えにすがったり、麻薬の女王(ティナ・ターナーさま)の世話になったりと、いろいろな治療を施しますが、一向に症状は回復しない。
ある日トミーは「鏡の中のもう一人の自分」に導かれ、家出をします。で、ゴミの山の中で廃棄されたピンボールマシンで遊んでいるところを発見されます。
ピンボールをやらせてみるとこいつが巧い。またたく間にピンボールチャンピオン(エルトン・ジョンさま)に挑戦するまでになり、とうとう彼を倒してしまいます。
有名人になったトミーですが、症状は回復しない。遂に母は錯乱し、鏡に向かって彼をつきとばす。
するとあらら、鏡が割れたショックで彼の身に奇跡が起き、トミーの症状は回復するわけですな。
もうこうなると奇跡の男。トミーを崇拝する若者が彼の周囲に集まりはじめるのですが、それが次の不幸の始まりとなるわけでございます。
ザ・フーってバンドは、日本では考えられないくらいアメリカイギリスではビッグネームです。
だからこそこんなにとんでもないメンバーが集まったんでしょうね。
再結成されたときの「トミーライブ」の映像を見ましたが、そのライブでもけっこうすごいメンバーが集まっていました。
作品的にどうのこうのというのではなく、ロックにひたすら浸っていただくのがこの作品の正しい見かたなんじゃないかと思いますです。


アウトサイダー

1983年アメリカ映画
監督 フランシス・フォード・コッポラ
主演 C・トーマス・ハウエル、マット・ディロン、ダイアン・レイン、エミリオ・エステベス、トム・クルーズ、ソフィア・コッポラ

コッポラ監督の作品です。
不良少年たちの青春ムービーでございますな。
申し訳ござらんが、ちょいと苦手にしている系統の作品でござる。
恋愛映画・コメディ映画は「好んではあまり見ない映画」なんですが、こういう青春映画は「できれば避けて通りたい」ジャンルでございます。
アメリカの田舎町。そこではボンボンたちの不良少年集団と、下町の不良少年集団がいざこざを繰り返しております。
主人公のハウエルさまが所属するのは下町のグループ。この二派はとにかくしょっちゅうモメているわけですな。
その日もええ感じでモメます。
で、例によって喧嘩になり、殺される一歩手前までいっちゃいます。
で、ハウエルさま派の少年が、ナイフで対立グループの少年を刺してしまいます。
ハウエルさまとその「刺しちゃった少年」はグループの先輩格(ディロンさま)の計らいで郊外に逃げます。ほとぼりが冷めるまで田舎で暮らす、みたいなノリですね。
その田舎町で教会が火事になり、彼らがその火災現場に出くわすわけです。
二人は命懸けで教会に取り残された子供たちを救います。一躍二人はヒーローに。
しかし「刺しちゃった少年」は重症の火傷で生死の境を彷徨うことになってしまいます。
結果的にハウエルさまはその火事によって人生が好転したことになり、もう一人の少年は暗転したことになります。
しかしそれだけでは終わらないわけです。グループの少年たちにとっての不幸はさらに拡散していきます。
そして突きつけられる強烈なクライマックス。
ラストシーンに救いのある描写をもってきたのはコッポラ監督の良心の部分かもしれません。
途中、主人公を助ける仲間の少年役でエミリオ・エステベスさまが出演しています。
けっこうどうでもいい役でございます。そしてさらにどうでもいい役でトム・クルーズさまが出ております。
さらにクレジットにはソフィア・コッポラさまの名前もありましたが…
どこに出ていたのか結局わかりませんでした。なはは。


幻魔大戦

1983年角川春樹事務所作品
監督 りんたろう
声の出演 古谷 徹、小山芙美、江守 徹、なんと原田知世、白石加代子、美輪明宏

角川映画初のアニメ作品。平井和正様原作の大傑作。
それを故石森章太郎先生がコミックスにしたものが原作になっております。
小説のほうの原作はめっちゃ大作。文庫本で十巻以上のスケールだったと思います。
そんな作品を二時間や三時間のアニメにすること自体無理があるわけなんですが、そういうこと言ってしまうと、ほとんどの小説の映画化が難しいって結論になってしまいますね。仕方ないかな。
宇宙で破壊を繰り返している「幻魔一族」。
数々の惑星を滅ぼし、一族は地球にやってきます。
幻魔に対抗する一族もおります。故郷の星を破壊された超能力者の少女。
彼女は地球のある国の王女に転生します。悪の一族と戦い続けているアンドロイド戦士とかもおります。
王女とアンドロイド戦士は、全世界に散らばってい超能力戦士たちを集め、幻魔一族に対抗しようとします。
そんな王女様が強烈な力を感じたのは日本の高校生の少年。
突然目覚めた超能力者の力に戸惑いつつも、彼は幻魔一族と戦う決意をします。
一人また一人と超能力者が集まってきます。テレポーテーションが使える少年だとか、念動力が使える人だとか。
クライマックスは集結した超能力者と大魔王「幻魔」との壮絶な戦い。すげえすげえ。
りんたろう監督は、光の処理がとても美しく、印象的です。
この映画のすこし後になりますが、「さよなら銀河鉄道999」の映像など、とても素晴らしかった印象だけが残っています。本作も、超能力者が「力」を発揮するときに「光る」って設定がありまして、そこの光をインサートさせるときの処理がとてもすばらしかったです。


MUSA(武士)

2001年韓国映画
監督 キム・ソンス
主演 チャン・ツイイー、チャン・ウソン

ここ数年とにかく元気の良い韓国映画です。
そんな韓国の歴史スペクタクル大作でございます。
西暦1375年。中国では明が建国され、蒙古を北に放逐しました。
高麗と明の関係は明の使節団殺害事件によって悪化。
高麗は関係修復のために使節団を南京に送りますが、そのすべてが投獄されてしまいます。
そんな時代の物語です。
投獄された特使たちは流刑地に連れられますが、その途中で一行は蒙古の襲撃をうけ、護送の任にあたっていた明の兵士たちは皆殺しにされてしまいます。
しかし高麗の者に恨みはないということで、高麗の兵たちは命を助けられます。
そこは灼熱の砂漠。
犠牲をだしながらも武器商人の一行に会った使節団、そこで別の蒙古の軍隊に会うわけですな。
蒙古の兵は拉致された明の姫君をつれております。
姫君がチャン・ツイイーさまでございます。
で、高麗の奴隷兵がチャン・ウソンさまです。
高麗の将軍は、姫を救出して明へ返し、その上で使節団の使命を果たそうと考えます。
はてさて彼らの運命やいかに。
「ヒーロー」「グリーンディスティニー」「ラバーズ」「SAYURI」のチャン・ツイイーさまと「私の頭の中の消しゴム」のチャン・ウソンさまの競演です。
とにかくすごいスケールです。お話もとっても面白い。途中からめっちゃ集中して見てしまいましたです。
物語後半はもう滅びの美学のオンパレード。
「ワイルドバンチ」というか「ダブルボーダー」というか「アラモ」というか「白虎隊」というか「シルミド」というか。
こういう滅び系の映画、日本人って好きですよね。
私も日本人だから嫌いじゃないんだけど、あんまり好んで見たくはない題材ですわなあ。


薄化粧

1985年松竹・五社プロ作品
監督 五社英雄
主演 緒形 拳、川谷拓三、藤 真利子、松本伊代、浅野温子

殺人犯にして脱獄犯の逃亡生活を、五社監督が丁寧なタッチで描きます。
冒頭いきなり爆破シーン。
犯人は緒形さまでございます。いきなりつかまって取り調べをうけます。
爆破で緒形さまと関係のあった女性が死亡。警察は彼の家を調べます。
そしたらなんと、床下から死体が出てくる。えらいこっちゃってことで緒形さまを締め上げようとしたら自殺未遂。
そしてその後脱獄。緒形さま、あちこちを転々としながら逃亡生活を続けます。
逃亡生活のなかで彼はこれまでの人生を回想すると、こういう筋立てでございます。
この回想がところどころ時系列を無視してインサートされるので、ちょっと混乱しそうですね。
もう緒形さまとにかく強烈。
めっちゃ悪い顔してます。すっごく優しい人の芝居もできるし、とんでもない悪人の芝居もする。
ほんますごい役者さんでしたね。
こういうどろどろした題材って、「鬼龍院花子の生涯」あたりから五社監督は好んでとりあげておられましたが、私は「雲霧仁左衛門」みたいな明快なアクションのほうが好きでしたから、あまり好きな世界ではないですね。
緒形さまの役柄としては、今村監督の「復讐するは我にあり」みたいな感じでしょうか。
こういう題材はやっぱり今村監督なんかが得意とする題材だったんじゃないかなって勝手に思いますが。
五社監督って、信頼できる役者さんをすごく大事にする人ですね。「陽輝楼」の緒形 拳さま、「雲霧仁左衛門」の川谷拓三さま、「吉原炎上」の藤 真利子さまなど、安定した巧さの俳優さんがたが出演しておられます。
その一方で故笑福亭松鶴師匠を起用したり、竹中直人さまや柳沢慎吾さまなんかも起用したりしておられます。
竹中さまなどは当時は青年座(だったと思いますが)所属ではあるものの、まだまだコメディアンとしてしか認知されていなかった時期ですもんね。
そういえば「鬼龍院花子の生涯」ではアゴアンドキンゾー(アゴイサムさまと桜 金造さまのコンビです)なんかも起用しておられましたね。
お笑いの人好きだったんでしょうか。


嗤う伊右衛門

2004年「嗤う伊右衛門」製作委員会作品
監督 蜷川幸雄
主演 唐沢寿明、小雪、椎名桔平、香川照之、池内博之

京極夏彦さまの傑作原作小説を、演劇界の鬼才・蜷川幸雄さまが監督した問題作。
お岩・伊右衛門の物語を解体・再構成したって感じですね。
とはいっても、多少物語を組み直した四谷怪談って印象です。
四谷怪談でいうと、深作監督の「忠臣蔵外伝・四谷怪談」が傑作だったので、どうしても比較してしまいます。
今回お岩を演ずるのは小雪さま。伊右衛門は唐沢寿明さま。
小雪は藩の老臣・民谷氏の娘。過去に煩った病気がもとで、顔にただれたような傷があり、右目も色素がおかしくなっております。
仕官を希望する伊右衛門は、岩と結婚することを条件に仕官することになります。
しかし結婚してすぐに小雪=岩の父である老臣が他界し、仕官話は流れてしまいます。
とっても貧乏な夫婦です。そのことが原因で夫婦の仲がだんだん微妙になってきたりします。
そんな唐沢伊右衛門に目をつけたのが藩のえらいさんの椎名桔平さまでございまして、この男がいろいろとわるだくみをしまして、話をややこしくするわけですね。
ってことで、物語が終わってみればこの話はお岩と伊右衛門の純愛物語と見れないわけでもないわけでございまして、これってどういうことやろ、みたいな感じですわね。
物語のラストまでお岩さんは死にません。
ってことはこの話は亡霊話にはなりようがないわけでございまして。
新解釈の四谷怪談ではあるわけですが、京極作品ってことでちょっと期待しすぎたかもしれませんね。
ただ、香川照之様演ずる坊さんがキーマンかもしれないです。
この設定は「巷説百物語」の主人公にそっくりなんで、原作では「巷説…」の作品世界にリンクさせる設定がなされているかもしれません。
それ以上に、原作は映画版とは別の結末があるのかもって思ってしまいましたです。
原作読もうって思っております。


吸血鬼ドラキュラ

1957年イギリス映画
監督 テレンス・フィッシャー
主演 クリストファー・リー、ピーター・カッシング、マイケル・ガフ

いわずと知れた恐怖映画の古典でございます。ハマープロって恐怖映画ばっかり製作していた映画会社がありまして、その会社の代表的傑作がこの作品です。
物語はあまりくだくだ書かないほうがいいでしょうが、一応おさらい。
この映画はキャラがとにかく有名なので登場人物名で書きますね。
主人公のハーカー君、トランシルバニアのある伯爵から、城の古書の整理を依頼されます。
招待主はドラキュラ伯爵。伯爵は昼間は全く姿を見せず、夜だけしか現れない。
で、どうやら自分は幽閉されつつあることに気づくわけですな。
実はハーカー君、吸血鬼研究の第一人者ヘルシング教授とともに、ドラキュラ伯爵を退治すべくやってきていたわけです。
やはり伯爵はこの世の住人ではなく、夜な夜な闇の世界を彷徨し、生ける者の生き血をすう吸血鬼だったわけです。
ハーカー君、伯爵に襲われ、次第に化け物になりつつあるので、これから伯爵を退治するつもりだと手紙を書いて教授に送ります。
手紙を受け取った教授が駆けつけたときにはすでに遅く、城はもぬけの殻。
哀れなハーカー君は吸血鬼の餌食になっておりました。ヘルシング教授は城から運び出された荷物=棺を追ってイギリスに戻ります。
荷物の届け先はロンドンのどこからしい。時を同じくして、ハーカー君の婚約者のまわりに怪しい影。
きゃあああ。その女性がドラキュラに狙われていることを知った教授、窓にニンニク、首に十字架みたいな吸血鬼防衛ツールを駆使して彼女を守ろうとしますが…
とにかくドラキュラ伯爵がかっこいい。
クリストファー・リーさま最大のあたり役ですよね。
こんな作品にめぐりあえたことはある意味幸せでしょうが、この後、ハマープロは吸血鬼映画を量産し続け、最後にはわけわからなくなって、リーさまをして「私は二度とドラキュラ映画には出ない」と言わしめることになります。
そらそうやろ。シリーズ後半の「ドラキュラ72」以降はかなりハチャメチャな映画になり、リーさま引退後ハマープロは香港映画と連携して、吸血鬼とカンフーの達人を戦わせたりすることになるわけです。
気持ちはわかるけど、それは違うやろ。


凶人ドラキュラ

1965年イギリス映画
監督 テレンス・フィッシャー
主演 クリストファー・リー、バーバラ・シェリー、アンドリュー・キア

ハマープロの「吸血鬼ドラキュラ」シリーズの第二弾。
ドラキュラ役のクリストファー・リー大先生は引き続き登板ですが、ヴァン・ヘルシング教授役のピーター・カッシング先生は本作ではお休みでございます。
と、いいますか、このシリーズって取り扱いが微妙なんですが、ハマープロの「タイトルに『ドラキュラ』とつく作品」としては本作は三作目にあたります。
二作目は「吸血鬼ドラキュラの花嫁」で、これにはクリストファー・リーさま演ずるドラキュラ伯爵は登場しません。
しかしピーター・カッシングのヴァン・ヘルシング教授は出てくるわけですな。
ちなみにヘルシング教授、三作目以降はあんまり活躍しておりません。
教授が大活躍するのは後期作品。「ドラキュラ‘72」以降でございます。
これって、今回色々調べてわかったことですが。意外ですね。
禁断の「吸血鬼の領域」に踏み込んだ二組の夫婦が、ドラキュラ伯爵の城に迷い込み、そのうちの一人がドラキュラの下僕の手で殺害され、その血でドラキュラ伯爵が復活します。
おお、すげえ。
しかしですなあ、これだけの連作ホラーともなると、各作品ごとのコメントなんかがすごく難しいし、作品ごとのあらすじとかもとっても書きにくいです。
「13金」なんかは、前半の作品群はかなりわかりやすい特色があったんで、まだ書きやすいほうなんですが、「エルム街」とか「ハロウイン」なんかのシリーズは、めっちゃ書きにくいです。作品ごとの特色が薄いですから。で、ドラキュラシリーズはどうかというと、途中の物語は特色が薄いんですが、ドラキュラのやられかたがええ感じで特色がでております。昨日紹介の「吸血鬼ドラキュラ」は太陽の光で滅びます。本作では「流れる水」で金縛りにあい、氷の池に封じ込められてしまいます。この後の「帰ってきたドラキュラ」では心臓に杭を打たれ、「ドラキュラ血の味」は確か心臓串刺しで、「ドラキュラ復活吸血のエクソシズム」では、手に持った槍に落雷して焼死でしたでしょうか。
シリーズ後半になってすげえ特色がでてきたのは「13金」と好対照ですね。
「ドラキュラ‘72」と「新ドラキュラ悪魔の儀式」は、順にご紹介しますです。


ドラキュラ‘72

1970年イギリス映画
監督 アラン・ギブソン
主演 クリストファー・リー、ピーター・カッシング。
ドラキュラシリーズのなかで、後期の三作はけっこう好きな世界です。
「帰ってきたドラキュラ」、「ドラキュラ血の味」、「ドラキュラ復活・血のエクソシズム」の中盤三作は、いずれも中世を舞台にした作品で、かなりマンネリムードが目につきます。
そこで考えましたハマープロ。ドラキュラ伯爵を現代に復活させてしまいました。
とりあえずクリストファー・リーとピーター・カッシングの二大ホラースターが競演しているだけで涙ちょちょぎれます。
ドラキュラシリーズの基本的なパターンは、その前の作品でドラキュラが滅ぼされる場面から始まって、ドラキュラの灰だとか遺品だとかを集める奴(これは弟子だとか下僕だとか狂信者です)がドラキュラを復活させて…って始まりかたをします。
本作ではいきなりヘルシング教授とドラキュラが疾走する馬車で戦います。
老骨のむちうって頑張るカッシングさま。ついに教授はドラキュラを滅ぼします。街には平和が戻ってめでたしめでたし、って感じでカメラが上空にパンすると、そこにジェット機が飛ぶ。
そこへタイトル「ドラキュラ‘72」。
もうこれだけでノックアウトです。
しかし肝心の物語はもひとつ現代って設定を生かしきれていなかったように思いました。
今回ドラキュラを復活させるのはドラキュラの下僕の孫。
ヒッピーの若者たちを集めて復活の儀式を行い、遂にドラキュラは復活。うひょおおおお。
復活の儀式に参加していたのはかのヴァン・ヘルシング教授の孫のヘルシング(やっぱりピーター・カッシングさまが演じます)のそのまた孫娘。
ドラキュラ伯爵(この時代に復活しても伯爵なんだろうか)は逃げ出したその娘を狙います。
これまでのシリーズのパターン通り、作品冒頭のシーンは「その一つ前の作品のクライマックス」だって先入観があったもんで、映画のクライマックス(ってことはこの作品のオープニングです)で教授と伯爵が馬車で戦う作品、見逃したってずっと思っておりましたが、その場面はどうやらこの作品用に撮られた新撮影シーンだったようですね。
だってクリストファー・リーとピーター・カッシングのドラキュラ映画での競演は第一作以来ですから。
こういう異色作、大好きな人なんですわ。
ドラキュラシリーズの後期作品は、なにかにつけ賛否両論を巻き起こしています。
というか、「吸血鬼ドラキュラ」的ゴシックな作品世界がお好きな方は「これは違うやろ」と思われるかも。
しかしこういう作品世界が後に「ドラキュラ都に行く」だとか「フライトナイト」の世界に続くのも事実でありまして。
もう少し評価していただきたいな、と思う作品でございます。


新ドラキュラ悪魔の儀式

1973年イギリス映画
監督 アラン・ギブソン
主演 クリストファー・リー、ピーター・カッシング

現代版ドラキュラ映画最後を飾る大問題作。
厳密に言いますと、この作品のあとにハマープロ・香港ショーブラザーズ合作の「ドラゴン対七人の吸血鬼」なんて最高級の異色作がありますが、これはねえ、吸血鬼映画じゃなくてカンフー映画としてしか見てないですし、いくら異色作が好きな私でもこの映画だけはさすがに「これは違うやろ」って思ったくらいの作品でございますから、この作品には今回は触れないでおきましょう。
さて「新ドラキュラ悪魔の儀式」ですが。
次の「ドラゴン…」がカンフー映画だとしたら、この映画はスパイ映画。
なんじゃこりゃ。でも私的にはぎりぎり許せる世界かな。
謎のカルト教団があります。
この教団に潜入していた英国諜報部員(!)が命がけで本部にある情報をもちかえります。
そこには聖職者や大臣たちがその教団に参加しているということと、細菌を研究している大学教授がメンバーにいるということ。
大学教授の親友のヴァン・ヘルシング教授は、情報部の依頼でその教授と会うことになります。
そこへ教団のメンバーが乱入。細菌学の権威の教授は殺され、彼がペスト菌を培養していたことが明らかになります。
なんかすげえ展開。
細菌テロでございます。
そしてその教団を操っていたのは…ドラキュラ伯爵だったのだ~
あのねえ、って感じです。この作品ではドラキュラ様はもう吸血行為に興味がなくなったのか、そういうシーンはほとんどなし。
007シリーズに出てくる悪の大富豪みたいになっております。
彼に対するのは、イギリス諜報部と警察とヘルシング教授。
別にこういう世界やりたいんだったらやったらいいんだけどお。諜報部はやりすぎやろ。
まあねえ、そもそもの小説版、ブラム・ストーカーの描いた「吸血鬼ドラキュラ」は、蔓延するペストの脅威を吸血鬼に置き換えて描いているってのは有名な話ですよね。
だからペストがでてきて「ほほう、やるやないかハマープロ」とか思ったりもしましたが、やっぱり大富豪みたいなドラキュラ伯爵はちょっと違いますわな。
ドラキュラ役でブレイクしたクリストファー・リーさま、この作品にブチギレしまして、「私は二度とドラキュラはやらない」と宣言いたしました。
その数年後、「007黄金銃を持つ男」の悪役を演じ、英国諜報部のジェームズ・ボンド様と対決します。
ドラキュラはやらないけど、悪の大富豪はやるんかいな。
ヘルシングとは戦わへんのに諜報部とは戦うんかいな。
どないやねん、ってつっこんでしまいたくなる顛末でございました。


蠅男の恐怖

1958年アメリカ映画
監督 カート・ニューマン
主演 ヴィンセント・プライス、アル・ヘディソン、パトリシア・オーウェンズ

この映画はねえ、めっちゃ強烈なシーンがありますので、すっげえ苦手な人、実は多いと思います。
私もちょっとどんよりした気分をひきずることになりました。
主人公のヘディソンさまは科学者でございます。
彼が研究していたのは、物質を原始に分解して再合成することにより、あらゆるものを電送しようとする実験でございました。
静物での実験は成功。
そして彼の実験は生物を電送する段階に到達。
自らをモルモット代わりにして電送実験が開始されます。
しかししかし。実験装置に蝿が一匹入り込んでしまいます。
再合成の段階で蝿と人間、顔と左手が入れ替わって再生されてしまいます。
これが蠅男ですな。身体は人間で、頭と左腕が蠅のモンスターになってしまいます。
問題の蝿を捕まえることができればなんとかなるのですが、そいつは逃げてしまっております。
えらいこっちゃ。ヘディソンさまは顔を頭巾で隠し、左手をポケットに入れたまま事故の対策を考えることになります。
すっげえ哀れ。かわいそう。
ヘディソンさまの奥さんがオーウェンズさま。
むっちゃきれい。ヘディソン博士は、筆談で妻とコミュニケーションをとることになります。
しかし左腕が徐々に言うことをきかなくなります。突然豹変した夫の態度に徐々に不信感をつのらせる妻。
そしてそして、ショック映画史に残る頭巾がとられるシーン。
頭巾の下には蠅の顔。叫ぶ妻。きゃああああああ。恐怖のあまり叫ぶ彼女の顔が昆虫の複眼を通して見たように分割されます。
秀逸な演出です。
結局博士は生き続けることをあきらめ、死を選びます。
巨大なプレス機で自らの頭と左手を潰すようにして死ぬわけですね。
なあんだ。「蝿男の恐怖」って言いながら全然「恐怖」じゃないじゃない。
頭巾とったときの一瞬だけじゃん。蝿男って人とかを襲うわけじゃないし、すっげえジェントルだったし。
って思っていたら、見ている人を恐怖のどん底に叩き込むようなとんでもないラストシーンが待っています。
ほんま夢に見るくらい強烈なラストシーン。
このシーンがトラウマになっちゃった人、けっこう多かったんじゃないでしょうか。
B級モンスターホラーの香り漂う作品ですが、とにかく蝿男は悲劇の主人公なんで、そういった点が高く評価されることになったわけでしょうね。
この物語は二十年以上の時を越え、デビッド・クローネンバーグ監督の手によってリメイクされます。


ザ・フライ

1986年アメリカ映画
監督 デビッド・クローネンバーグ
主演 ジェフ・ゴールドブラム、ジーナ・デービス、デビッド・クローネンバーグ

前回ご紹介しました「蝿男の恐怖」のリメイク作品。
二十年以上の時を越えてのリメイクでございます。
前作では物質電送のプロセスのなかで、顔と左手が入れ替わって再合成されてしまったって話でした。
今回はもうちょっとすごい。同じように物質転送装置で実験をしていた科学者。で、やっぱり装置に蝿が紛れ込みます。
今回はDNAレベルで合成されてしまうって設定でございます。
科学者を演ずるのはジェフ・ゴールドブラムさま。
この映画のあと、「ジュラシック・パーク」で天才数学者を、「インデペンデンス・デイ」でも学者を演じました。科学者顔ですもんね。
この作品でのゴールドブラムは、出かけるときの服を選ぶのが面倒だといって同じスーツを何着もドレッサーに入れているような変わり者。
彼は物質転送装置を研究しておりまして。やっぱり自ら実験を行います。
前作では装置から出てきたときには蝿男だったわけですが、今回はゴールドブラム様、めっちゃ普通に出てきます。
転送によって体内の細胞が純化されたと思ってご機嫌です。
しかしそれは、体内に蝿の遺伝子が入りこんできたからなんですね。徐々に変化をはじめるゴールドブラムさまの肉体。
蝿になっていくわけです。
体が崩れていく。精神が溶けていく。自分は蝿になる。きゃあああああ。
科学者ゴールドブラムさまは、人間と蝿男を転送機にかけ、人間のDNAを回復させようとします。
ここらはリメイク版独自の設定です。
ゴールドブラムさまは自分の彼女デービスさまと自分を合成させようとします。
彼女と蝿男の運命はどうなってしまうのでしょうか。
すっげえハリボテっぽかった「蝿男の恐怖」ですが、やっぱりとんでもない勢いでSFXが進歩しておりますから、こういう設定も可能になるわけですわな。
とにかくSFXがよくできているし、ゴールドブラムさまも上手いです。
この映画は予想を越える大ヒット。第二弾の「ザ・フライ2」が製作されましたです。

ポランスキーの吸血鬼

1966年アメリカ映画
監督 ロマン・ポランスキー
主演 ロマン・ポランスキー、シャロン・テート、ジャック・マクガウラン

えっと、この作品はホラーコメディのジャンルに入れられるとは思うのですが、素直にコメディとして評価されることが少ない作品です。
若い人にはわからないかもしれませんが、ある種特別な感慨にふけりながら見るって人がほとんどなのではないかな、と推測します。
えっと、シャロン・テートさま惨殺事件ってのがありまして。
シャロン・テートさまってのは、この映画の主演女優で、実生活ではロマン・ポランスキー監督の奥様だった人。
二人はこの映画の直後に結婚されました。
しかし、赤ちゃん誕生が近かったシャロン・テートさまが惨殺されます。
犯人はチャールズ・マンソンというカルト教団のリーダーでした。
ってことで、映画を見る人は「この映画はポランスキー監督がシャロン・テートさまという女優さんと競演した映画で、この映画のあと、彼女は惨殺される」ってことがわかっていて映画を見るわけで、その予備知識が逆に映画を楽しめなくさせてしまうってところがあります。
少なくとも私はそうでした。
コメディなんだけど、シャロン・テートさまやポランスキーさまが頑張れば頑張るほど、どんよりした気分になってしまいました。
内容のほうは、パロディ精神満載。
事件がなければ素晴らしいコメディ作品を作る監督になっていたかもしれませんね。
雪ふかいトランシルバニア地方。
教授と助手が吸血鬼退治の旅をしています。馬車に乗っていた教授、微動だにしない。
よく見ると凍っております。いきなりやってくれます。
二人は不気味な城にほど近いある村を訪れます。助手ポランスキーさまは村の娘テートさまが気になってしかたない。
しかしテートさまは城に住む吸血鬼の伯爵に目をつけられ、さらわれてしまいます。
で、二人はテートさまを救出に向かうわけです。
けっこう面白い作品に仕上がっていますが、やっぱり心底楽しめなかったです。
こういう事件の関係者の映画を見ると、見る側にも影響でちゃいますよね。
ポランスキー監督は事件のショックで、ちょっと撮る映画の傾向が変わってしまいます。
血みどろ古典映画「マクベス」だとか、悪魔を扱った作品「ローズマリーの赤ちゃん」など、ちょっと見ていて辛い映画を撮り続けることになります。
最近の監督の作品は見ておりませんが、どんな作風になっているのでしょうか。またチェックしたいと思っております。


ウッドストック・愛と平和と音楽の三日間

1970年アメリカ映画
監督 マイケル・ウォドレー
出演 ジョー・コッカー、ザ・フー、サンタナ、クロスビー・スティルス・アンド・ナッシュ、ジミ・ヘンドリックス、スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーン、ジャニス・ジョプリン

1960年代の後半から1970年代にかけてっていう時代は、音楽が最も力を持っていた時代なんじゃないかと思います。
ミュージシャンも観客も、音楽で何かが変わると思っていた時期です。
結果から考えると、変わった部分と変わらなかった部分とがあると考えるべきなんでしょうが、例え変わらないにしても、「変わるんじゃないか」と信じさせてくれるだけの力があったような気がします。
残念ながら私はその時代の音楽というものをリアルタイムでは聴いていないですが、そんな時代の熱さを存分に感じさせてくれる作品がこの「ウッドストック」です。
1969年8月15日から17日にかけてアメリカ・ウッドストックの郊外で開催された史上空前規模のロックコンサートの模様を記録したドキュメンタリー作品でございます。
死者三人、病人五千人、出産二件、聴衆は30万人とも40万人いわれています。
出演者のほとんどがノーギャラ。
上記のアーティストのほかにも、ジョーン・バエズ、アーロ・ガスリー、クリーデンス・クリアウォーター、グレイトフル・デッド、ジェファーソン・エアプレイン、ザ・バンド、ブラッド・スエット・アンド・ティアーズ、テン・イヤーズ・アフターなんかが出演しました。
私のお気に入りパートはやっぱテン・イヤーズ・アフターとスライ・アンド・ザ・ファミリーストーンのパートざんす。
あと、出演が予定されていたのに公演直前に解散した第一期ジェフ・ベック・グループの代打として急遽参加が決定したといわれているサンタナの演奏も素晴らしいです。
ジョー・コッカーもとんでもなく良いですね。
そしてジミ・ヘンドリックス。ロックのかっこよさと素晴らしさを体現したギタリストですよね。
この人のパートもとても素晴らしいと思いますです。


ハムナプトラ

1999年アメリカ映画
監督 スティーブン・ソマーズ
出演 ブレンダン・フレイザー、レイチェル・ワイズ、ジョン・ハンナ

USJの期間限定アトラクションとして人気のシリーズの第一作。
フレイザーさまは冒険家でございます。
砂漠に埋もれた財宝を探しにエジプトにやってきました。エジプトを研究している学者のワイズさまもやってきまして、科学者チームは秘密の呪文が書かれた古文書を発見、ワイズ先生、その古文書を声をだして読んでしまったがために、3000年前に封印されたミイラが蘇ってしまいます。
いぐわあああ。
ハムナプトラなんてアクションSFXアドベンチャー風のタイトルですが、原題はマミー(=ミイラ男ですな)ですから、描写はけっこうエグイです。
でもホラーだと位置づけたらちょっと物足りない。
でも普通のアドベンチャーだと思って見たらちょっとグロいし。
なんだか微妙な作品です。
作品そのものはSFX大作ノリなので、もう少しグログログチョグチョの描写を減らしたらもっといい感じに仕上がったと思うのですが。
ちょっと残念。だってミイラ男の復活の過程なんか、グチョグチョホラーの「ヘルレイザー」を思い出させるような感じだったもんで。
グロっぽい画面が苦手な人にはお勧めしにくい作品でございます。

 

愛と青春の旅立ち

1982年アメリカ映画
監督 テイラー・ハックフォード
出演 リチャード・ギア、デブラ・ウインガー、ルイス・ゴセット・ジュニア

もうねえ、タイトル打ち込んだだけでぎゃああああって感じになります。
リチャード・ギアさま苦手なんですわ。なんかむっちゃええ男でしょ。
なんか男前が鼻についてムカツク。トム・クルーズなんかもたいがいムカツいてたんです。昔は。
でもトム・クルーズは「ザ・ファーム」とか「ア・フュー・グッドメン」「7月4日に生まれて」あたりで評価が変わって、「ミッション・インポッシブル」あたりで好きな男優さんになっちゃいましたが、リチャード・ギアとかヒュー・グラントとかは相変わらずめっちゃ苦手。
恋愛映画以外で私がハマるような作品がないからかなあ。
リチャード・ギアさまはアンディ・ガルシアさまと競演した悪徳警官の役がちょっとよかったですが、もひとつヒットしなかったしなあ。代表作が「愛と青春の旅立ち」と「プリティ・ウーマン」ときたら、もうあきません。苦手意識が先にたちます。
とはいえ本作「愛と青春の旅立ち」は、私が苦手な「恋愛映画」ではないんですが。
どっちかっていうと、青春根性もの。
でも最後がメッチャラブストーリーの終わりかたするんで、そっとしとこうと思ってあまり関わりあいにならなかった作品です。
ギアさまはまあ言えば社会のおちこぼれ者なわけですね。
そんな彼が一念発起して、士官学校に入ります。
彼の精神と肉体を鍛え上げるのがルイス・ゴセット・ジュニアさま扮する鬼軍曹ですわな。
もう、ほんまにめっちゃしごかれます。
全人格を否定するかのような罵声を浴び、それでもくじけずに頑張り続ける。
こんな画像を見せられたら、「ギア様素敵…」ってみんな思うんだろうなあ。
彼は紆余曲折を経て、士官となるわけです。
士官になった瞬間に、軍隊ではゴセット・ジュニア軍曹より階級が上になるわけでして。
鬼軍曹がギアに対して最敬礼し、敬語で話すラストシーンがなんか泣かせます。
「自分は下士官であります、サー」みたいな感じで。でも、全然いやらしくならずに、むしろ男と男ってかっこいいなあみたいな仕上がりになってます。
ここらがハックフォード監督、巧いですよね。ピーター・ハイアムズ監督の初期の作品みたいな清々しさでございます。
ここで終われば好きな世界なんだけど。
ギア様、士官の制服を着たまま彼女を迎えに行きます。
これがあかんちゅうねん。シンデレラやないっちゅうねん。
恋愛ものとしてはこのラストは必然なんだろうけどな。ちょっとひいてしまいましたです。


コマンドー

1985年アメリカ映画
監督 マーク・L・レスター
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー、レイ・ドーン・チョン、アリッサ・ミラノ、ジェームス・オルソン

「ターミネーター」で注目を浴びたアーノルド・シュワルツェネッガーさまが、みんなが主役級スターとして認めることになったのはこのあたりの作品だったのではないでしょうか。
シュワルツェネッガーさまとシルベスター・スタローンさまの肉体派スター二人。
彼らは何かにつけ比較されてきたように思います。最初に注目されたのは「コナン」シリーズと「ロッキー」シリーズ。
刑事ものだと「ゴリラ」と「コブラ」。
で、特殊部隊ものだとこの「コマンドー」と「ランボー」でございます。
私はスタローンさまよりシュワルツェネッガーさまのほうが好きでござんす。
でもこの作品の時点では明らかにスタローンさまのほうがリードしていた感じでしたね。
米軍の元特殊部隊の隊長がシュワルツェネッガーさまです。彼の娘がテロ組織に誘拐されます。
テロ集団の狙いは隊長の能力。テロ集団のリーダーはある国での政治闘争に敗れた高級軍人。彼はその国の大統領を暗殺して、政治権力を握ろうと考えます。
で、その暗殺者として選ばれたのが大統領の信任の厚いシュワ隊長なわけですな。
娘を人質にとられたシュワさまですが、やはり只者ではない。
暗殺場所に向かう飛行機内で監視役の男を片付け、飛行機から脱出。えらいことしはりますわ。
シュワ様、その飛行機が着陸するまでの間にテロ集団を壊滅させようとするわけです。
「んなアホな」、みたいな状況を見事に打破してしまうところはやっぱりスーパーコマンドーシュワさまでございます。
後半の暴れっぷりは圧巻。
やっぱり見ていてスッキリします。しかし一人で百人以上の軍隊全滅させたらあかんやろ。
この映画でのシュワさまの大活躍は、後に「ホットショット2」でパロディにされます。
それにしても、このコマンドーさんとランボーさんが戦ったらどっちが勝つんだろう。
そんな夢の対決、見てみたいような気がしますね。
 


風と共に去りぬ

1939年アメリカ映画
監督 ビクター・フレミング
出演 ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル、レスリー・ハワード

誰もが知っている映画史に残る名作中の名作。
いまだにこの作品を人生最高の映画としておられる人も多いのではないでしょうか。
マーガレット・ミッチェル女史の傑作小説を製作者のデヴィッド・O・セルズニックさまが巨費を投じて映画化した作品。
主人公のスカーレット・オハラを演じたヴィヴィアン・リーさまはかのアトランタ炎上シーンの撮影直前にキャスティングが決定して撮影に合流しただとか、ビクター・フレミング監督に落ち着くまではメガホンをとる監督さえもが二転三転しただとか、映画をとりまくエピソードにも事欠かない大作です。
物語の舞台は1861年。南北戦争開戦直前のジョージア州。
スカーレット・オハラ=リーさまは、いとこと結婚したアシュレー=ハワードさまのことを愛しております。
やがてしのびよる戦争の影。戦火に包まれるアトランタの町。炎に包まれ、絶体絶命のスカーレットを救ったのは、レット・バトラー=ゲーブルさま。
いぐわああああ。
燃えさかる町を背に走る馬車。映画史に燦然と輝くスペクタクルシーンでござんす。
その後、バトラーの求婚を受け入れ、彼と結婚するオハラ。
しかし運命はさらに過酷な試練をオハラに与えようとするわけです。いぐわあああ。
そして流れる主題曲「タラのテーマ」。
「Tomorrow is another day」という映画史に残る名セリフを生んだのもこの映画でございます。
とにかくとにかく、見て損はないというか、見ておいたほうがいいというか、見て損はないというか。
そういう作品でございます。


デッドゾーン

1983年アメリカ映画
監督 デビッド・クローネンバーグ
出演 クリストファー・ウオーケン、トム・スケリット

原作はスティーブン・キングさま。
監督はデビッド・クローネンバーグさま。
主演はクリストファー・ウォーケンさまでございます。
原作はさておき、微妙な監督さんが微妙な主演俳優使って撮った作品ですよね。
クローネンバーグ監督は、あまり嫌いじゃないんですが、作品に当たり外れがあるって印象があります。
「ヴィデオドローム」はすっごくよかったけど、「ザ・フライ」はかなり微妙だったし、「ミディアン」はクローネンバーグ監督だろうと思って観たら実はクライブ・バーカー監督作品だったし。
ま、いいか。
この作品はホラーというより超能力もの。
「フューリー」とか「炎の少女チャーリー」とかと同じ系列です。
生死をさまようほどの事故にあった主人公ウォーケンさま。彼はそのせいで、不思議な力を持つようになります。
握手したり体が触れ合ったりすると、その人の未来が見えてしまうわけです。
さまざまな人のさまざまな未来を予知するウォーケン。
やがて「彼」の感じる未来は定まった未来ではなく、変えることのできる未来なんだってことがわかってきます。
で、そんな彼がある日、議員さんに会うわけですね。
で、ふっと握手をする。その瞬間、見えてしまうわけです。ウォーケンは彼がやがて大統領になり、核爆弾のスイッチを押す男になることを予知してしまいます。
さてどうするどうなるアメリカの未来。
ここからはひたすらハードな展開になっていきます。
ここからの話が実は本題なんだけど。けっこう見応えのある作品に仕上がっておりまして、クローネンバーグ作品の中ではかなり「好き度」が高い作品でございます。


南極物語

1983年 フジテレビ・学研・蔵原プロ作品
監督 蔵原惟繕
出演 高倉 健、渡瀬恒彦、岡田英次、夏目雅子

ディズニーの制作でこの作品がリメイクされました。あまりにも有名なタロ・ジロの物語の映画化です。
小学校の教科書とかにも載っている話ですので、この話が実話だってことは皆様ご存知だろうと思います。
物語のおさらいです。高倉さま・渡瀬さまは南極調査隊のメンバーです。
南極では犬ぞりを使って移動とかをしているわけで、十数匹の犬たちが南極にいたわけですね。
調査隊は基地からの撤収を知らされます。
高倉さま・渡瀬さまはそのことを撤収作業のために南極にやってきた船の上で知らされます。
折りしも大陸に激しい吹雪がやってきます。残された犬たちを船まで連れてくる方法がない。
渡瀬さまは危険を承知でヘリを二回飛ばせてくれと懇願します。船長に無理だと言われた高倉、じゃあ一回だけでいいからヘリを飛ばせと言う。
助けることができないなら自分が行って犬たちを殺してくると言います。
しかしこの申し出も却下され、犬たちは鎖につながれたまま、南極にとり残されることになります。
やがて激しくなる吹雪。人間たちは帰ってこない。
犬たちは一匹、また一匹と首輪を抜け、南極の大地を走りはじめます。
ここからは南極の厳しい冬を生き抜く犬たちの描写と、犬たちを置き去りにして日本に帰ってきた高倉さま・渡瀬さまの苦悩とが並行して描かれることになります。
まあほとんどの人が結末をご存知でしょうから続けますが、鎖を抜けた犬たちも一匹、また一匹と大自然の前に力尽き、タロとジロの二匹の犬だけが生き延びることになるわけです。
やがて高倉さま・渡瀬さまが南極に戻ってきます。
そこに待っているのは、二人とタロ・ジロとの再会というドラマだったわけですな。
あるハリウッドスターが、子供と動物には勝てないなんて言っておられたそうですが、全くその通り。
犬たちの名演技がやたらと目立ったような気がするのは私だけでしょうか。
しかしなんだかんだいいながらも、良い映画には違いないです。
熱くて暖かい涙を期待しておられる人にはうってつけの作品かと思いますです。


バックドラフト

1991年 アメリカ映画
監督 ロン・ハワード
出演 カート・ラッセル、ウイリアム・ボールドウィン、ロバート・デ・ニーロ

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクションにも取り上げられているパニックアクションの秀作でございます。
けっこう引き込まれる内容の作品。
主人公はボールドウィンです。彼は新米消防士。
彼の父は仕事中に殉職した消防士でございます。彼が配属された隊は、偏屈ものの兄が指揮をとる隊でございました。
二人は何かにつけ反目しあいます。隊には父の元部下って人がいたりするわけですな。
そんな彼らが働く消防署管内で、放火事件が頻発します。
強烈な爆発を伴う引火「バックドラフト」を故意に発生させているかのような放火事件なわけです。
火災調査官がデ・ニーロさま。今回のデ・ニーロさまはもう一つ強烈な輝きを発しているわけではありませんですなあ。
デ・ニーロさまファンの私としては、もうちょっとがんばって欲しかったような気がしますね。
この調査の結果で頻発する火災はやはり放火であると断定されます。
反目しあう兄弟は、やがて真実にたどりつき、連続放火事件の意外な犯人が明らかになります。
そこで二人がとる行動とは… みたいな作品。
ラストはちょっとブルー入りました。
私としては、もっとハリウッド的な、ハッピーエンドを期待していたのですが、ちょっとキツい終わりかたしてしまいましたね。
それでも最後に「希望」をつなぐような描写で締めくくったあたりはさすがアメリカ映画だなあって思いました。
バックドラフトってのは、気密性の高い部屋で火災が起きたときに起こる現象らしいですね。
火はくすぶっているんだけど、酸素が不足して火が燃え上がらない状態が続いていて、そこに空気(酸素ですわな)が流れこんで、炎が爆発を伴って広がる、ってえ現象らしいです。
怖いなあ。皆様、くれぐれも火の用心でございますよ。


キャシャーン

2004年「キャシャーン・パートナーズ」作品
監督 紀里谷 和明
主演 伊勢谷 友介、麻生久美子、唐沢寿明

「たった一つの命を捨てて、生まれ変わった不死身の身体。鉄の悪魔を叩いて砕く、キャシャーンがやらねば誰がやる」懐かしいですね。
大人気だったアニメ「新造人間キャシャーン」の実写映画化でございます。
始まってしばらくは「ん?キャシャーンってこんな物語やっけ?」などと思いながら見ておりましたが。
近未来。戦争が続いています。地球上では疫病、公害病、戦争が原因のウイルス疾患や放射能疾患などが人類を脅かしております。
科学者寺尾さまは、病に冒された妻の命を救うため、自己修復する人口細胞、「新造細胞」を開発します。
軍部はこの細胞の軍事利用を考えます。
研究は進む。ある日、研究所に訃報が入ります。科学者寺尾さまの息子(伊勢谷さま)が戦死したとの連絡でございます。
伊勢谷さまの遺体が研究所に届けられたまさにその日、研究中の新造細胞が暴走し、大量の「新造人間」(唐沢さま・要潤さま・宮迫博之さま)が発生します。
軍部は「新造人間」鎮圧をはかります。
生き残った「新造人間」たちは町を離れ、廃棄された軍事基地を拠点に、大量のロボット兵を擁する軍団を作りあげます。
一方の寺尾さまは息子の遺体を新造細胞の培養液に浸し、その結果息子は新造人間となるわけです。
だから映画の予告編の「たった一つの命を捨てて、生まれかわった不死身の身体…(って伊勢谷さまのナレーションが入った予告編があったんですが…)」のフレーズは映画に限って考えればちょっと違いますよね。
戦死した息子を、父が新造人間にしたわけであって、アニメのように自らすすんで新造人間になる手術をうけたわけではないです。
さてさて、新造人間になった伊勢谷さま。
めっちゃ強い。ここからはけっこうノンストップアクションみたいな感じで物語が進んでいきます。
監督の紀里谷和明さまは、宇多田ヒカルさまのプロモビデオなんかを撮っておられた人で、この映画が初メガホンだそうです。
アニメ的な場面の組み立てはさすがって感じですね。
けっこう楽しく見ることができました。
ただ、うむむ。少なくとも、私が知っている「キャシャーン」とはちょっと違ったなあ。やっぱり。
テーマ曲、ええ感じで泣きそうになりました。やっぱりセンチな気分のときにこういう系の歌は胸にひびきますなあ。


レインマン

1988年アメリカ映画
監督 バリー・レビンソン
主演 ダスティン・ホフマン、トム・クルーズ

ダスティン・ホフマンさまとトム・クルーズさまの主演によるヒューマンなロードムービーです。
学生時代の無茶な行動がもとで父親と断絶状態だったクルーズさま。彼は中古車販売会社の社長をしていますが、とんでもない経営危機で、会社は倒産寸前。
そんな彼のもとに父親が亡くなったという知らせが入ります。遺産目当てで父の葬儀に出向いたクルーズさまですが、父の遺言で自分にはほとんど遺産が残されていないことを知らされます。
遺産を相続するのは、その日はじめて存在を知らされた自分の兄、ホフマンさま。
彼は自閉症で、他人と交渉する能力に問題があるかわりに、驚異的な記憶力を持っています。
クルーズさまは障害者施設に入所していた兄を誘拐同然に連れ出し、会社のあるロサンゼルスに戻って兄の後見人訴訟を起こして遺産を手に入れようと考えます。
しかしホフマンさまはロスに向かう飛行機に搭乗することを断固として拒否。
止むなく二人は飛行機で行くと三時間の距離を三日かけて車で移動することになります。
この旅のなかで、クルーズさまは兄との交流を通して、自分が忘れていたいろいろなことに気がつくわけですな。
ええ話や。
しかしながらやっぱり小物のクルーズさま、ホフマンさまの記憶力を利用してカジノで儲けようと考えます。
うむむ。このへんは少しギスギスしてて嫌ですね。まあドラマの展開上、必要だから仕方ないけど。
さてさてどうなることやら。
ダスティン・ホフマンさまがとにかく巧いです。やっぱりこの人はいい役者さんですね。
って今さらのように書くなっちゅうねんって感じですが。
トム・クルーズさまもかなりいいです。
我儘・傲慢と優しさ・思いやりが交互に現れる微妙な感情を見事に表現しています。
よろしいなあ、男前は。何やってもサマになりますからね。


ナバロンの要塞

1961年アメリカ映画
監督 J・リー・トンプソン
主演 グレゴリー・ペック、デビッド・ニーブン、アンソニー・クイン

ここから戦争映画特集でございます。
今日は懐かしの傑作「ナバロンの要塞」でございます。
1961年の作品だから、私が生まれるよりもまだ前の作品ですね。でもすっごく面白い作品でございます。
原作はアステア・マクリーンさま。
戦争冒険小説といえばこの人でございますね。グレゴリー・ペックさま若い。「ローマの休日」だとか「白鯨」とかに出てましたなあ。「オーメン」にも出てたなあ。
ご自身が出演された「恐怖の岬」のリメイク「ケープ・フィアー」に特別出演されていた姿を見かけて、「めっちゃ年とったなあ」とか思いましたねえ。
そら年もとるわいな。
舞台は第二次世界大戦中。ナバロン島にドイツ軍が要塞を建造します。
絵に描いたような難攻不落の要塞。まあ難攻不落だから要塞って言うんだろうけど。
連合軍は登山家のペック、爆発物のプロのニーブンらのチームを編成し、この要塞を爆破しようとします。
まあ言うたら特攻スパイ大作戦ってところですわな。でもね、やっぱり簡単にはいかない。
チームの中に裏切り者がいるようだってことがわかってくるわけですね。さあさどうなる。
かなり原作に手を加えたようですが、それが実にうまくいっております。
主要キャラの描きわけもしっかりしてて感情移入もしやすいし。
クライマックスもなかなか盛り上がります。えっと、ネタバレにならない程度に書きますが、爆破屋のニーブン、かなり巧妙な爆弾を仕掛けるわけですね。その仕掛けは平常時には作動しないけれど、要塞が臨戦体制に入れば作動する爆弾の仕掛けなわけで、この描写を見たときめっちゃびっくりした記憶があります。
とにかく最初から最後まで気が抜けず、楽しませてくれる一編です。


ナバロンの嵐

1978年アメリカ映画
監督 ガイ・ハミルトン
主演 ロバート・ショー、エドワード・フォックス、ハリソン・フォード、バーバラ・バック、リチャード・キール

戦争映画特集でございます。
原題は「ナバロンからの第十部隊」って感じでしょうか。
だから前作で爆破された「ナバロンの要塞」は当然本編には出てきません。
というか、映画の冒頭にダイジェストっぽく、ちょこっとだけ出てくるんですが。
前作、要塞を爆破して、無事帰還した二人の男。彼らの表情がアップになる。
すると、グレゴリー・ペックさまとデビッド・ニーブンさまじゃなくて、ロバート・ショーさまとエドワード・フォックスさまになっております。
おお、すげえいい感じで物語がシフトしますなあ。ロバート・ショーってめっちゃ好きな俳優さんでございましてね。
それだけで高ポイントなのに、エドワード・フォックスさままで出ているではありませんか。
「ジャッカルの日」からこの映画まで、何してたんでしょうか。この人。
「人形の家」とかに出ていたくらいしか記憶にありませんが。
さて、ショーさまとフォックスさまは再び極秘任務に召集されます。
今度の作戦は、ドイツ軍に包囲された味方を助けるために、ネレトバの橋を破壊するってものです。
チームは橋の上流にあるダムを爆破・決壊させ、その水流によって橋を破壊しようとしますが…
前作を知っているだけに、やはりクライマックスでは前作に近い劇的シーンを期待してしまいます。
そういう意味ではほとんどの人が「作戦が失敗することはありえない」と思いながら見ていただろうと思います。
そういう意味では、続編って設定はやはり難しかったのでしょうか。
前作がとにかく評価が高かっただけに、かなり苦戦しているように感じてしまいました。
口の悪い友人が、「続編ものでは、『ポセイドンアドベンチャー2』と『ナバロンの嵐』は同じくらいイケてない」と言っておりましたが…
いいえて妙かも。


グッド・モーニング・ベトナム

1987年アメリカ映画
監督 バリー・レビンソン
主演 ロビン・ウィリアムズ、フォレスト・ウィテカー

今日はちょっと変わった戦争映画。ロビン・ウィリアムズさまがとにかくいいですね。
圧倒的なトークの才能というか、言葉のリズム感というか、そういう「芸の素晴らしさ」がビシバシ伝わってまいります。
とにかくすごいの一言。映画を見ながら、自分がまるで彼の放送を聞く米兵になって、その場を楽しんでいるような気分にさえなりました。
って書くとオーバーかもしれないけど、それくらい集中させてくれる話芸です。びっくりしました。
舞台はベトナム。
戦線は膠着気味。
低下を続ける兵士たちの士気を高揚させるために、米軍放送の人気DJのウィリアムズさまがベトナムに派遣されてまいります。
記念すべき第一回放送。いきなりやってくれます。
「グッド・モーニング・ベトナム」この第一声がとんでもない。すごいって思わせる、この一声は「芸」の域です。
まったりもっちゃりのクラシック音楽ばっかりを流していた米軍ベトナム放送ですが、そんなところでいきなりローリング・ストーンズなんか流すわけですからね。
そらえらいさんはひっくり返りますわな。
兵士たちからは大人気のウィリアムズさまですが、軍のえらいさんはそうは思っていないわけで、ここらの構造は現代の企業なんかと同じ構造なのかもしれませんね。
哀れウィリアムズさま、えらいさんの怒りを買って、彼の放送は中止に追い込まれてしまいます。
上層部から放送内容を批判され、落ち込むウィリアムズさまが、兵士とのコミュニケーションのなかで何かをつかむ、みたいな場面がありまして、そこの兵士たちとウィリアムズさまとのかけあいのシーンも実に素晴らしかったですね。
「字幕なしで映画を楽しめるようになりたい」って真剣に思わせてくれた映画の一本であり、この作品は私にとって大事な映画でもあります。


7月4日に生まれて

1989年アメリカ映画
監督 オリバー・ストーン
主演 トム・クルーズ、ブライアン・ラーキン、レイモンド・J・バリー

自らもベトナムに従軍し、負傷した経験をもっているオリバー・ストーン監督。
監督のベトナム三部作のなかの一編です。
第一作「プラトーン」では戦闘行為そのものの悲惨さと、味方同士で傷つけあい殺しあう異常さを描きました。
第三作の「天と地」ではベトナム女性の側からの戦争を描いておりましたね。
この作品では、一人の男の戦争後の生きざまを描きます。
7月4日の独立記念日に生まれた主人公(クルーズさま)。
彼は国のために働くために生まれてきたと信じ、海兵隊に志願してベトナムに派遣されます。
で、やっぱりベトナムは地獄だったわけですな。
民間人の女子どもを虐殺したり、仲間を間違って撃ったり。そして彼は自らも半身不随となる重傷を負って帰国します。
英雄として帰国した彼ですが、やがて世間の「ベトナム戦争」に対する評価がかわってくるにつれて、彼は批判される立場に立たされます。
そうなるとベトナム帰還兵に対する国の扱いが、手のひらを返したように冷たくなるわけでございまして、そんなこんなが積み重なってクルーズさまは「国と戦う」決心をすることになります。
トム・クルーズさまが素晴らしいです。
前半の「輝かしい未来にむかってつき進む青年」から、「戦争によって人生を奪われたあんちゃん」までを、堂々と演じます。
当然、きったねえ格好とかもするわけでございまして、あの男前があえてそういう役に挑戦するってのがとてもポイントが高かったことをよく覚えております。
「トップ・ガン」でブレイクして、この作品に出会うまでは、「カクテル」だとか「デイズ・オブ・サンダー」だとかの、男前のスターだったら誰でもいいような作品に続けて出演されておられましたが、この作品以降は、「ザ・ファーム」だとか「ア・フュー・グッドメン」だとかの演技をしっかり見せる作品にも続けて出演されました。
そういう意味ではトム・クルーズさまにとっては転機ともなる大事な作品なのではないだろうかと思います。