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はじめに

「湯(とう)の盤(ばん)の銘(めい)に曰(い)わく、
苟(まこと)に日に新た日々に新たに、
また日に新たならんと」

皆さまはじめまして。
私は中村雄介(なかむらゆうすけ)と申します。
上記のフレーズは
古典「大学」に収録されている言葉です。
古代中国王朝の殷(いん)の名君主であった
湯王(とうおう)の洗面器には
上記文章が刻みつけてあり
毎朝顔を洗う度に
自己を新鮮にして停滞がないようにしていたそうです。
毎朝をどう迎えるか?
どんな心構えで迎えるか?
を国のトップが毎朝毎朝意識していたからこそ
世の中がしっかり治まったのだ
という大切なお話で
暗記しているくらい私の大好きなフレーズです。

遅ればせながら自己紹介させて頂きます。
私は中村雄介と申します。
かれこれ15年ほど「教育」の仕事に関わらせて頂いております。
2011年の9月に独立し
株式会社マナビートという小さな会社を経営しております。
http://www.manabeat.jp/
企業と医療機関の管理部門を専門にして
「面接」のやり方や「いい人財」を見分ける方法をアドバイスさせて頂きながら
ともに管理部門の社員さまと成長できることに
日々喜びを感じながら仕事をさせて頂いております。

私が古典「大学」に触れたのは
ちょうど今から3年ほど前です。
株式会社 致知出版社の取締役営業部長さまよりプレゼントされ
それから何度も
何度も繰り返し読ませて頂いております。
私は「古典」はそれまでに
「孫子」を好んで読んでおりましたが
「孫子」はどちらかといいますと
「戦略的に世の中を生き抜いていく」ための方法が書かれていますが
「大学」はそうではなく
「人として正しい道を歩んでいくにはどうすればいいか」
その方法が書かれています。

この本を手に取って頂いた皆さまは
もしかしたら
「生き方に迷っている」
そんな方がいらっしゃるかもしれません。
いまの世の中は
広い一本道を車で走るように
「まっすぐ」をキープする
というのがなかなか難しい現状です。
でも
そんな中を
もし「まっすぐ」に進む方法をお求めのようでしたら
この古典「大学」がきっとお役に立てることだと
私はそう信じています!

どうぞ最後まで楽しんで頂けますと幸いです。

もくじ

【収録内容】

1.『大学』って何?

2.『大人(たいじん)』ってどんな人?

3.三つの柱『三綱領(さんこうりょう)』について   
 ~「明徳」って何?~

4.三つの柱『三綱領(さんこうりょう)』について    
~「親民」って何?~

5.三つの柱『三綱領(さんこうりょう)』について    
~「至善」って何?~

6.物に本末あり、事に終始あり    
~物事の本質について~

7.まとめ


『大学』って何?

そもそも『大学』って何?
…という疑問からスタートしているかもしれませんね。

『大学』は今でいう
中学校や高校の延長線上にある大学とは違いますよ。

今から約2500年前に
『論語(ろんご)』で有名な孔子(こうし)さんのお弟子さんである
曽子(そうし)さんが書かれた本です。

当時の中国では「春秋戦国時代(しゅんじゅうせんごくじだい)」といって
戦いに次ぐ戦いに明け暮れていたような時期でしたが
孔子さんは「仁」=「思いやり」が大切だよ!
…という教えをいろいろな国に行っては説き
また違う国に行っては説き
…という活動をされていた方ですね。

その弟子である曽子さんが
師匠である孔子さんの教えを一つひとつきちんとまとめたもの
これが『大学』という本なんですね。

そして『大学』という本は
『大人(たいじん)』になるための『学問』であり
これを略して『大学』という名前がつけられているんですね。

『大人(たいじん)』ってどんな人?

次に…
先ほど登場した『大人(たいじん)』についてなのですが
『大人(たいじん)』とは

「世の中に良い影響を与える立派な人物」

とそう表現されます。

いわゆる「偉人」の中でも多くの皆さんに好まれる
愛されるキャラクターを持った方々
という理解でいいかと思います。

坂本竜馬・西郷隆盛・イチロー…
たんなる有名人というだけではなくて
後から続く人々の目標になり
(イチローさんはご存命ですが…)
亡くなった後でも
ずっとその方のことを目標にしたい
というファンのしっかりついた
そんな人物のことを
『大人(たいじん)』というんですね。

そしてその『大人(たいじん)』になるためにはどうすればいいか?
というその方法が書かれているのが
『大学』
という本なんですね。

三つの柱『三綱領(さんこうりょう)』について  ~「明徳」って何?~

いよいよ古典『大学』の本文に入っていきますね。

(本文)

大学の道は
明徳を明らかにするにあり
民に親しむにあり
至善(しぜん)に止(とど)まるにあり


以上が『大学』冒頭に書かれている文章です。

そしてこれらの3つを
大学の『三綱領(さんこうりょう)』と呼び
『大学』における大切な「三つの柱」
とされています。

ここに登場する
「明徳」「親民」「至善」について
3回にわけて説明を加えますね。

「明徳」とは表に現れた徳のことです。
反対にまだ表に現れていない徳のことを
「玄徳(げんとく)」といいます。

小さな男の子が意中の女の子がいて
本当は好きなのに
「いじわる」をしてしまう
…そういうのありますよね?

この時の「好き」な思いは
表には現れていませんので「玄徳」です。

この男の子が勇気を持ってその女の子に
「好きだ!」
と告白する時!
これがこの状態が「明徳」だ
ということです。

まぁ…
変なたとえにはなりましたが

徳は
「本来人間が持っているいいところ」
のことです。
「正直な心」
「思いやりの心」
「勇気」
…など
これらをすべてひっくるめて「徳」ということばで表しています。

「世の中に良い影響を与える立派な人物」
つまり
「大人(たいじん)」
になるための道の第一歩は
この「徳」を表に現すことなんですよ!
というのが一番最初の教えなんです。

これを本文では

「明徳を明らかにするにあり」

と表現されている
ということですね。


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