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日本の製造業の実態

アメリカ「へい!日本君!あれ?どうした、そんな顔して。そういえば最近元気ないねぇ。」

日本「あ、アメリカ先輩。お疲れ様です。なんか最近、僕の仕事が少なくなってきて…。」

アメリカ「そういえば、最近、日本君の周りに若い連中が弟子入りしようと熱くなってたっけ。」

日本「そうねんですよ。ていうか聞いて下さい!あいつらズルいんすよ。」

*******

韓国「アニョハセヨ、ニッポンさん。この仕事の仕方、オレに教えて下さいよ。」

日本「あ、韓国君。君はチャラいけど、とても勉強熱心だね。いいよ。これはね、こうやって次にこうやって、それでこうやるのさ。」

韓国「こうやってこうやるんすね。クゥー。さすが日本先輩!あざーす。じゃあこれ、次からオレやりますから、日本先輩はもう、帰っていいっすよ。」

日本「え?、だってこれは僕の大事な…。」

韓国「何言ってんすか。もうオレ一人で出来るようになったんすよ。むしろ、こうやって工夫すれば、ほらもう俺の仕事の方が先輩よりすごくないっすか?」

日本「え、そんな…。」

韓国「俺の方がずっと給料安いし。アメリカ先輩とかベトナム君とかが、『次からはこの仕事韓国君に任せるよ』って言ってますし。先輩も大人になってくださいよ。」

日本「な、なんて生意気な。ぼくが技術を教えてあげたのに・・・」

中国「ニーハオ。日本先輩。俺にも仕事教えてほしいね。」

日本「…や、やぁ中国君。」

中国「あれ?、どうしたね?。なんか日本先輩元気ないね?」

日本君「い、いや、そんなことないよ。(韓国君も苦手だけど中国君の方がもっと苦手だなぁ。)」

中国「早く教えてほしいね。」

日本「わ、わかったよ。これはね、こうして、こう・・・」

中国「もう完璧に理解したね。私たちの国、理解早いね。」

日本「え?まだ何も説明して…

中国「ほらこう。(ガン!)こうね。(ガン!ガン!バキッ!)こうやって…ん?、あれ?壊れてるね。」

日本「いや、だからそれじゃ全然できてないよ。それはそうじゃなくて、こ…」

中国「あー!。わかった。私たち頭いいね。こうね。(ガガッ、ガッ!)いや違うか。(ボンッ!!!)」

日本「あ、危ない!。中国君、大丈夫?。」

中国「ふー。危なかたね。日本先輩は教え方ヘタクソね。」

日本君「え?」

中国「まぁ大丈夫ね。こういうのはやってるうちに出来るようになるね。だから日本先輩はもう帰ってね。」

日本「そ、そんなぁ~!」

*******

アメリカ「はははっ。若くて面白い奴らだよなぁ。」

日本「笑い事じゃないですよ。」

アメリカ「そう言うがお前だって昔ずいぶん、俺やドイツ先輩の仕事を丸々コピーして憶えては奪い、憶えては奪いしてたじゃねーか。同じだろ。」

日本「そんな。コピーするにしても、僕はもう少し礼儀正しくコピーしてましたよ。」

アメリカ「大差ねーよ。」

日本「それに、あんまり仕事憶えるのが早過ぎるって先輩に怒られて、しばらく自主規制したこともあったじゃないですか。」

アメリカ「あー、むかーし、そぉんなことも…あったっけか…。」

日本「イヤ結構最近までありましたよ。で、僕はあの時に心に刻んだんです。製造業を極めよう。ちょっと金持ちになったからって、自分で汗を流して油にまみれるのを止めたりしないと。」

アメリカ「ほーお。」

日本「製造業を馬鹿にしちゃだめだって、製造業を僕の生涯の仕事にしようと。アメリカ先輩みたいに『脱工業化社会だ』とか負け惜しみみたいなこと言って僕にどんどん仕事譲ったら、その後随分長い間、先輩の業績悪かったじゃないですか。」

アメリカ「お、言うねぇ。」

日本「だから、50年代の安いブラウスの縫製やおもちゃ作りから始めて、鉄鋼、造船、機械、電機、80年代の半導体、自動車まで、ずっと長い間、会社一の製造業の地位を確立できたんです。僕は他の誰より努力もしたし、他の誰よりも製造業が得意で優秀なんです。」

アメリカ「いや、それは違うだろ。」

日本「え?。」

アメリカ「製造業は、もともと新入りの仕事なんだよ。お前だけでなく誰でも。お前がずっと製造業を続けられた理由は、たまたま偶然、お前が50年代に入社した後しばらく新入りが入ってこなかった。80年代ころまで、ずっとお前が会社で一番若手で一番の安月給だった。ただそれだけだよ。」

日本「え?。」

アメリカ「韓国君や中国君を見ろよ。衣料品、おもちゃから始めて、鉄鋼、造船、機械、電機、半導体、自動車まで。全部お前が過去にしてきた仕事を同じ順番で憶えてきてるじゃないか。インド君やベトナム君や、バングラデッシュ君だって習得中だ。お前が真面目で努力したのは認めるが、自分だけが何か特別な才能があるとか、人とは違う何かを成し遂げたとか思うのは、とんだ勘違いだぞ。」

日本「そんな…。」

アメリカ「ていうか、オレたちの世界経済に入って、最初に製造業の仕事憶えなかったら何の仕事するんだよ。とりあえず、最初は製造業から。それが基本だろ。インド君みたいにITを先に憶える方が珍しいんだって。」

日本「でも…。」

アメリカ「お前は知らないかもしれないけどさ、お前が来るまでは、実はオレが一番の若手だったんだよ。」

日本「そう…でしたっけ。」

アメリカ「そうさ。オレもイギリス先輩から鉄鋼を、ドイツ先輩から自動車を、みたいに次々仕事を憶えて奪ってきたんだ。お前よりもずっと長く最若手だったから、いつか後輩が入ってくるってことを忘れてたよ。だから、お前に仕事取られた時は少しあせったけどな。」

日本「でも、先輩は最近だって仕事で大失敗して、会社中に迷惑かけたじゃないですか。ドイツ先輩やフランス先輩も迷惑そうでしたよ。アメリカ先輩自身、今も業績あんまりよくないですよね。」

アメリカ「確かに、あれはまずかったね。でもさ、それでも俺の仕事は1990年から2010年まで63%伸ばしてる。それに引き換えオマエは、1990年から2010年まで21%しか成長してない。」

日本「ぐぬぬ。」

アメリカ「後輩の韓国君は20年間で実質GDPが2.8倍に、台湾君が2.7倍に成長している。イギリス先輩でさえ48%成長している。」

日本「でも、僕は製造業をしたいのに取られたから…。」

アメリカ「お前が成長しないのは、いつまでも製造業ばかり特別扱いして、『脱工業化』を悪いことのように決めつけて新しい仕事を憶えないからだ。昔覚えた仕事の改善提案ばっかりでお茶濁して、実はこの20年間、新しいことに一番挑戦してないのはオマエだよ。自覚してる?。」

日本「そんな…。」

アメリカ「俺だってさ、製造業から完全に足抜けたわけじゃないぜ。オマエ知ってる?、iPhoneって俺が作ったんだぜ。」

日本「知ってますよそれくらい。僕も持ってますから。」

アメリカ「でもさ、あれ、俺がやったのはアイデア考えて開発するまで。しんどいから作るのはぜーんぶ新入りの中国にやらせてっから。あれを思いつけるのは社内でも俺様だけ、だけどさ、組み立てるだけなら安月給の中国にもできるだろ。」

日本「…。」

アメリカ「しかもさ、中国の奴、朝から晩まで組み立て続けてヒーヒー言ってるけど、結局儲けは大半俺の給与につくようになってんだぜ。」

日本「そんな、ズルいですよ。自分では汗流してないのに…。」

アメリカ「ズルくはねーだろうが。中国と俺がお互いそれで納得してんだからさ。あいつはあいつで今できる事をしながら、『次は俺がこれを考えてやる』ってメラメラ燃えてんだからそれでいいじゃん。んで、俺は俺で空いた時間使ってiPadとかiCloudとか次のネタ考えてるわけ。オマエもさ、いつまでも『自分で汗流して…』とかガキみたいなこと言ってんじゃねーよ。」

日本「そんな、いくら先輩だからって、製造業の悪口言わないでください。汗流して働くのは正しいことなんですから。」

アメリカ「ていうかオマエさぁ、いつまでも新入社員の仕事ばっかしてて、このままずっと給料もらえると思ってないよね?。」

日本「え?。」

アメリカ「いやマジで、世の中そこまで甘くないって。ほんとそろそろ新しい仕事憶えないと、もうオマエのする仕事なくなるよ。最近はやたら新人がたくさん入ってきて貪欲に仕事憶えてるし、そのうち世界にオマエの居場所なくなるよ。」

日本「え?、え…。」

アメリカ「じゃあな。早く仕事覚えろよ。」


ということで、
製造業において、僕たちは人件費の安い国の人たちにもできる仕事をしていては、仕事がなくなってしまいます。

そうならないためには、アメリカのように発展途上国の人たちの上に立つ人間にならなければなりません。

そのために、ノウハウをみなさまに教えていきたいと思います。


もくじ

今、日本の製造業は韓国や中国に抜かれる勢いです。
それは人件費が安いためであり、今後は
インドやバングラディシュと継いでいきます。
そのため、日本の製造業で働いている人達は、
彼らと同じような仕事をしていては、仕事を奪われてしまいます。

では、どうすればよいか。
彼らの上に立ち、リーダーになれば良いのです。
アメリカがi-phoneなどを中国に作らせて儲けたように、日本も頭を働かせていかなければなりません。

第1章 製造業の本質について考える
メカニズム               ・・・3
会議
プレゼンテーション
不良について

第2章 生産方式について考える
TOC理論(Theory Of Constraints)
TPM(Total Productive Maintenance)
リーン生産方式
シックスシグマ
TPS(Toyota Production System)
LCA(Low Cost Automation )

第3章 人間関係について考える
なぜあの人は職場で嫌われるのか?
出世

第4章 マネージメントについて考える
なぜプロジェクトは予定通り進まないのか?
安全について考える
グローバル化に向けて

制作中


メカニズム

製造業において、現象のメカニズムや構造のメカニズム(仕組み)を理解することは
とても大切なんです。

しかし、仕事に追われていたりすると、どうしてもそれを明確にせずに仕事を進めてしまうことがあります。

たとえば、ファスナーの開け閉めの評価をしたとき、
A社製とB社製の2種類のファスナーで滑りが違う場合を考えます。

この差が起きる原因として、次のような原因が考えられます。

1.メーカーが違うから

2.ファスナーの構造が違うから

3.試作品と量産品という違いがあるから

4.摩擦係数が違うから

では、それぞれの原因が技術者として本質をとらえる分析結果となっているかを考えてみましょう!


1.メーカーが違うから

これは学生レベルの解答です。

A社とB社で決定的な違いがあるというのは確かに考えられ、この分析結果は正しいといえます。

しかし、技術者は、技術的に現象を解く必要があります。

よって、「メーカーが違うから」という説明は、滑りに違いがあるという現象のメカニズムの説明にはなっていません。

メーカーが違いでなぜ滑りに違いがあるのかを明確にする必要があります。


2.ファスナーの構造が違うから

たとえば、「ファスナーのエレメント(噛み合う部分)の構造が、A社とB社で違うから」という回答です。

これも、構造の違いで滑りに何らかの差が出るというのであれば正しい分析結果です。

しかしながら、構造が違うことで何が起こるか?というのがメカニズムです。

構造の違いがあっても、その違いでなぜ滑りに差がでるのかを明確にする必要があります。

まぁ学生レベルの解答でしょう。


3.試作品と量産品という違いがあるから

モノ造りの場合、量産品と試作品で作り方(工程)が異なる場合があります。

試作型は1個取りで、量産型は1000個取りというケースはよくあることです。

量産型では、機械で自動的に生産するが、

試作工程は人による作業や量産型と違う機械による生産だったりします。

この場合も、「A社は試作品で、B社の量産品だから」という事実があれば、目のつけどころとしては正しいです。

しかしながら、試作工程と量産工程の差が製品の違いにどのように影響し、その差がファスナーの滑りにどのように影響を与えるのかを明確にすることが必要です。

現場レベルの解答ですね。


4.摩擦係数が違うから

摩擦係数が異なれば滑りやすさも異なります。

よって、一見現象のメカニズムを説明できているように見えますが、なぜ摩擦係数が異なるのか?というのがメカニズムです。

構造の違いや材料の違いに着目して、摩擦係数が異なる理由まで掘り下げることがメカニズムの解明には必要です。

ここまで掘り下げてこそ、技術系社員でしょう。


技術者にとってメカニズムを解明することが本質を理解するためにとても大切です。


しかし、物事の現象を聞くときに「なぜ?」という問い方をしてしまうと、
このような分析で終わってしまう場合があります。

そうならないためには、「なぜ?」と問うのではなく、
直接的に「どういうメカニズムなのか?」と問う必要があります。


そうすれば、「メーカーが違うから」「構造が違うから」といった結果ではなく、
その差異に基づいた結果を得ることができるようになります。


問い方ひとつ変えるだけで、物事の本質を見極めることができるようになります。

これでこそ、製造技術者の考え方ではないでしょうか?


不良について

果物を売るということは非常に難しい。

スーパーに行って果物を見ると、とても綺麗ですが

運搬によってどこかにぶつけたり、あるいはある部分に重みがかかって。茶色に変色して
台無しになってしまうことも。

とても新鮮な果物であれば、虫食いがあることもあるかもしれません。

製造業でも同じようなことが言えます。

お客様の手に商品が届く前に、部品や製品に傷をつけてしまっては
商品の原価だけでなく、返却コストもバカになりません。

工程で部品や製品の完成品をチェックした時に傷を発見した時には、
傷がつかないように対策をする必要があります。


傷は多くを物語ります。

まず、傷は相手がいないとつきません。

傷は相手を映し出す鏡のようなものです。

カッターでつけた傷と、トンカチでたたいてつけた傷とでは、傷のカタチが違ってきます。

傷を注意深く観察することで、
傷がついてしまった相手がどのようなものかを特定することができます。


例えば、そこらへんの傷ついた車を見ると
どうやって傷ができたか想像できますよね?


製造業では特に圧痕と摩耗痕が多いです。

 
圧痕は一発入力によってできる傷であり、部品が変形することでできる傷です。

それに対して摩耗痕は、表面が徐々に削り取られてできる傷のため、
体積が減少する傷のつき方となります。

このように、傷を注意深く観察することで、
その傷がどのようにして付いた傷なのかを分析することができます。


傷が圧痕なのか摩耗痕なのかで対策の方針が全く違います。

傷のつき方をミスジャッジしてしまうと、いくら対策をしてもその傷は治ることはありません。

適切な対策を施すためにも、傷を注意深く分析して傷のつき方を特定することがとても大切です。


傷の分析のコツは、とにかく拡大してみること、触ってみることです。

見た目ではよくわからない傷でも、
拡大して観察することでその傷のつき方を特定できるようになります。


以上のように、傷は多くのことを私たちに物語ってくれます。

傷を注意深く観察することで傷のつき方を特定することができ、
正しい対処法を施すことができるようになります。

また、傷を注意深く観察することで、モノを見る目利きを身に付けることができるようになります。


私たちはこのように不良から多くのことを学ぶことができます。


みなさんも今日から会社の不良がどのようなもので
何が原因なのかを特定してみてください。

安全について

工場で、安全に対する「注意書き」を見つけるたびに、その無責任な中身と疑問を感じずにはいられません。
注意書きを書いた人は、本当に安全を願って貼ったのでしょうが、どうにもモノづくりを知らない人のように思えてならないです。

製造現場でモノづくりをしていれば、
ローラーに手を入れると危ないのは誰でも知っています。

熱炉がやけどをするくらい熱いことも現場は知っているのです。

手を入れれば、怪我をする程度は子供でも分かっています。


<strong>それでも、手を入れる「瞬間」があるのです。</strong>


人は誰でも、「危険」という意識は持っています。

まして現場の人は、ローラーや熱炉が危ないことは十分に周知しています。

しかし、すっと手が入る「瞬間」があるのです。

その「瞬間」とは、どのような時なのでしょうか。


ローラーにセットした製品がスイッチを押した瞬間、
ずれているのに気付き、「不良になる」と思い、あわてて手を出してしまうのです。


熱炉に投入しようとした部品が、たまたま重なっていて、
「不良になる」と品質に対する強い責任感が、
危険という意識をふわりと超えて、熱炉に手が入ってしまうのです。


人はこの「瞬間」を、「魔が差した」といって悪魔のせいにしてしまいます。


しかし


<strong>なぜ稼働中は、手が入らない「仕組み」にしないのでしょうか?</strong>


モノづくりには、こうした「意識」では止まらないことがたくさんあります。


不良を出した後に

「以後、気をつけてよね。全く。」は

「また不良を出してよね。」

と言っているようなものです。


意識ではなく、根本を叩く必要があるのです。

みなさんも事後処理ではなく、事前処理を

つまり、本元となる原因をなくしていきましょう。


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