閉じる


ある街に、虹色の美しいネコがいた。
その美しさに、みなは褒め称えた。
ネコも自分の美しさに満足していた。

ある月の綺麗な宵闇。
虹色のネコは空を見上げた。
そこには黄色く輝く月がいた。


虹色のネコは小さな嫉妬をした。

もしかしたら自分よりも月の方が
美しいのかも知れない。
いつかみんなは自分より月を
美しいと言うかも知れない。

虹色のネコはみんなに内緒で
こっそりと長い長い梯子を作り始めた。

長い長い梯子は満月の夜に完成した。



虹色のネコは宵闇の空へ向かって
黒くて長い梯子をかけて
満月まで昇っていった。

一番てっぺんまでたどり着くと
虹色のネコはポケットから
ナイフとフォークを出した。

虹色のネコは満月を食べてしまった。


読者登録

兎村彩野さんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について