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目次


子犬が家にやってきた

名前はチェリー

元気なチェリー

中学生になったぼくは

チェリーの好きなお父さんが

チェリー、ほんとにありがとう、そしてほんとにごめんね。

子犬が家にやってきた。


ぼくの家は、とても貧しい家でした。

小学校のぼくの友だちの家ではみんなペットを何かしら飼っていました。

ぼくも犬が飼いたくて飼いたくて、しかたがなかったのですが、いつもお母さんからダメと言われていました。

ある夏の夕方の日、ぼくの妹が、ダンボールに捨てられたいた犬をダンボールごとひろってきました。

「クーン。クーン。

と、近所のゴミ箱のそばで泣き声が聞こえるので、

ふと見てみると、とても可愛いい子犬が捨てられていたので、ダンボールごとひろってきた

とお母さんに言いました。

ぼくも急いで見にいきました。

ダンボールをのぞくと、コロコロとした、真っ白な、まるで白くまの赤ちゃんのような子犬が

こちらを見ていました。

ぼくは、もうたまなくなりました。

妹といっしょにお母さんに一生懸命飼えるようにお願いしました。

でも、お母さんは

「ぜったいにダメよ。戻してきなさい。」

「何でも言うこと聞くし、お手伝いもするから、お願い」とふたりで何度もせがみました。

お父さんもお母さんも、ほんとは動物が大好きなんです。

むかし、犬も猫も飼ってたことがあると聞いたことがありました。

いつもと違うふたりに、お母さんも、観念したのか、

「じゃあお父さんに相談しなさい」といってくれました。

お父さんが帰ってくるまで、お手伝いを進んでやりました。

妹とふたりで早くお父さんが帰ってこないかなと思っていました。



名前はチェリー


待ちに待ったお父さんが帰ってきました。

お父さんに、ふたりで子犬の話をしました。

お父さんはネクタイをはずしながら聞いてました。

お父さんは、そのダンボールの子犬を抱えあげて、

「かわいかね、女の子やかね」と微笑みました。

しばらく、子犬を見て、ぼくたちに言いました。

「散歩やお世話はちゃんとせんばよ。約束できるね?」

ふたりとも、よろこんで大きくうなづきました。

お母さんも仕方なく了解してくれました。

ふたりで喜んだのを今でも覚えています。

お父さんが

丸くて可愛いか。女の子やけん、名前はチェリーにするよ。」

チェリーという名前がぴったりだと、ぼくは思いました。

おなかが空いていたのか、ミルクをあげると顔ごとポールに突っ込んで飲んでいました。

その夜はチェリーが気になって気になって眠れませんでした。

新しく、バスタオルを敷いてあげたダンボールの中で寝ているチェリーを何度も見にいきました。




元気なチェリー


チェリーはどんどん大きくなって、家の中でなく、庭にお父さんが小屋を作って、

そこに住むようになりました。

とてもいやでしたが、丈夫になるからとお父さんが決めてしまったのです。

台風がきたりした時は縁側に新聞紙を敷いてあげてやりました。

その時はとても嬉しそうでした。

チェリーはとても頭がよくて、お座り・お手・おかわり・待て・伏せ・ワン(ワンというとワンとほえる)

とすぐに覚えました。

その頃、今みたいにペットフードがたくさんなかったせいか、ご飯が好きで、

中でも、ねこまんまが大好物でした。

そんなチェリーを散歩に連れて行くのが楽しくてたまりませんでした。

夏休みなどは一緒に近くの山に連れて行き凧揚げをして、それをふたりで眺めて遊んだり。

いつも一緒でした。

こんなこともありました。

一度、首輪が外れてしまい、小屋から逃げ出し、いなくなってしまい、いろんな所に探しにいったら、

近くの商店のおばちゃんが、

「昨日店の前で寝てて、かまぼこをやったら、喜んで食べてたよ。」とのこと

それからどこかに行ったらしいのです。

それでも、なかなか帰ってこずに、ようやく3日目の夕方に帰ってきました。

お母さんから散々叱られたようで、自分の小屋でしょんぼりしていました。

ぼくが、声をかけると、そろそろと小屋から出てきました。

その顔を見て、大笑いしました。

太いまゆげが書かれていました。

おそらく、子供の仕業だとは思いますが、とにかく、その顔は今でも忘れられません。



中学生になったぼくは


それから、ぼくも妹も、中学になって、友達と遊ぶようになり、

だんだんチェリーをかまってやらない事が多くなってしまいました。

時には、自分が気に入らないことがあったりすると、いじわるしたりもしました。

散歩にも連れていかないときも多くなり、

お父さんが帰ってきて夜に散歩に連れて行ったりしていました。

だから、お父さんのことがチェリーは大好きで、仕事から帰ってきたら、足音でわかるらしく、

尻尾をこれでもかというほど振って、抱きついていました。

なんだか、その顔は笑っているようにも見えました。

かわいそうだなあと思ったりもしましたが、

相手をすることもなく時が過ぎていきました。

ぼくは高校生になり、さらに、友達と遊んだり、勉強などで、チェリーとの時間をとることなど、

ほぼ無くなっていました。

たまに散歩に連れて行っても、面倒だなあと思うことがあったりしました。

妹も同様で、

今思うと、あまりチェリーを可愛がらなくなったというか、

関心が無くなっていたように思います。










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