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あとがき

 2012年8月28日からタイのバンコクで気候変動に関する国際会議が開催されました。この会議は、2012年末の第18回気候変動枠組条約会合と第8回京都議定書会議に向けて最後の準備会合となるもので、3つの作業部会に別れています。その内のひとつが、2015年採択予定の新しい枠組みを議論しています。気温上昇を今世紀末までに産業革命前に比べて2度未満に抑えるためには、現在各国が2020年に向けて公表している削減目標では足りません。危険な地球温暖化を防ぐためには、今の削減目標を2倍の水準に引き上げる必要があります(現状の目標は先進国全体で1990年比12~18%→25~40%へ)。同年9月5日の東京新聞朝刊に次の記事がありました。

 

 世界各国が掲げる温室効果ガスの排出削減目標を達成しても、世界の平均気温は今世紀末までに産業革命前に比べて最大4.1度上昇する恐れがあると、気候変動の研究者らでつくる非政府組織(NGO)が4日、ダイ・バンコクの気候変動枠組み条約の会合会場で発表した。

 発表したNGO 「クライメート・アクション・トラッカー」 は、世界共通の目標である気温の上昇幅を二度未満に抑えることは可能だとして、各国政府に目標の引き上げを求めた。

 研究者らは、コンピューター上で気候を再現する計算プログラムに、米国や中国を含む各国の目標を反映させて将来の気温を推計。今世紀末までに地球の平均気温は2.6~4.1度上がる恐れはあるという結果をはじきだした。

 同NGOは、まだ削減目標を持たない国が、他国と同じレベルの目標を掲げても2億トンしか減らないと推計。一方で、既に目標を持つ国が、目標を引き上げれば20億トン~30億トンの削減につながるとして、さらなる削減努力を促した。

 

 今年の夏は異常に暑く、かつ、残暑厳しいゆえ秋の訪れが遅く、加えて、関東では雨が少なく節水をしています。また、二百十日あるいは二百二十日の台風が、日本列島に来ず東シナ海を北上し朝鮮半島へ進むのは、異常気象の影響と言えます。また、高いのは地上の気温だけでなく、北海道と東北の海水温も異常に高いとの報道が天気予報でありました。エネルギーの使いすぎによる地球温暖化が、気象に如実に現れて来ていると言えます。筆者の感覚では、子供の頃と比べ季節感がズレているのと四季が不鮮明と思われます。その内、季語が四季にあわなくなるかもしれません。

 2010年9月に来日した 『成長の限界』 の著者で高名なデニス・メドゥズ氏が講演で 「これからの20年で人類が経験することは過去200年に経験した変化よりもはるかに大きい」 と話されていますが、地球環境の激変が現実になりそうです。今後は、質素な生活が改めて必要になります。

 

                                                 2012年10月14日


参考文献

第1章 ベルリンの壁崩壊以降の世界動向

  ・ 中野剛志 柴山柱太 著   グローバル恐慌の真相   集英社  

  ・ 平川 克美 著   移行期的混乱   筑摩書房   

  ・ 資源エネルギー庁のエネルギー白書2012

 

第2章 現在の宗教たる経済成長

  ・ 熱力学法則   ウィキペディア

  ・ 内山 節(ウチヤマ タカシ) 著    文明の災禍    新潮社 

  ・ IPCCの第4次報告書第1作業部会報告書政策決定者向け要約

 

第3章 エネルギー資源の使いすぎ

  ・ 資源エネルギー庁のエネルギー白書2012

  ・ 小椋 正己 著   日本機械学会誌 2010.11 Vol.113 No.1104   

  ・ World Economic Outlook April 2011

  ・ 世界人口白書(2009年)

  ・ EDMC/エネルギー経済統計要覧(2012年版)

  ・ 内山 節(ウチヤマ タカシ) 著    文明の災禍    新潮社 

 

第4章 エントロピー論による地球環境の永続性

  ・ 温室効果ガス世界資料  

  ・ ヤフー百科事典  

  ・ 2010年9月 デニス・メドゥズ氏の東京講演から 

  ・ 槌田 敦 著   『弱者のための 「エントロピー経済学」 入門』   ほたる出版   

  ・ 小椋 正己 著   日本機械学会誌 2010.11 Vol.113 No.1104   

 

第5章 エントロピー公害

  ・ 甲斐 憲次 編著    二つの温暖化   成山堂書房   

  ・ 国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所ホームページ

  ・ 槌田 敦 著   『弱者のための 「エントロピー経済学」 入門』   ほたる出版   

  ・ IPCCの第4次報告書第1作業部会報告書政策決定者向け要約

 

第6章 機械文明の思考的特徴

  ・ 内山 節(ウチヤマ タカシ) 著    文明の災禍    新潮社

 

第7章 経済成長信仰からの脱却

  ・ 松野 弘 著    環境思想とは何か    筑摩書房 


この本の内容は以上です。


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