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仕事は、夜遅くまで食い込み、議論を重ねることもあるし、早く引けたときには、女友だちや、職場の同僚たちと、レストランへ食事に出かけることもあるだろう。仕事の関係で、同僚の紹介で、全く見知らぬ人と、出会うこともあるだろう。それが、都会に埋没した彼女の生活なのだ。そんな中へ、都会のはぐれ者であるぼくが入って行く余地など、どこにあるだろう? ――それでも彼女は、電話をすれば、必ず、電話の受け口に出、きちんとぼくに応対してくれるのだった。ぼくは、そんな心優しいりサに、感謝すべきなのだろうか?

 そういう、意味あいが飛びかい、忙しさが常に追いたてている生活とは、正反対の世界にぼくはいた。振り返って自分のこのホテルの部屋を見れば、静寂そのもので満たされていた。まるで時計が止まったみたいに、忙しさなど、どこにも見られなかった。――しかし、そこにはっきりと読み取れるのは、寂しさと、そして、悲しさと、だった…


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