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ふれあう将棋3

ふれあう将棋3

   ふれあう将棋3
   ふりごま


ぼくの名前は「ぽふぽふ」。

これまで小さな公民館で開催されている将棋道場の見学、そして、大会にも参加してみた。
人とふれあう将棋の面白さ、楽しさが伝わるといいな。
でも、いろんな理由があって外で将棋を指せない人もいるよね。
なんとなく怖いとか、一人だと心細いとか。
田舎に住んでいて道場や大会の環境に恵まれていないとか。
そんな人たちのために、今回は自宅で将棋を指してみよう。

自宅で将棋といえば、将棋盤を用意して本を見ながら駒を並べることが多いかな。
テレビの講座を見たり、詰将棋の本を読んだり、新聞の将棋欄を眺めたり、なんてことも。
でも、ちょっと待って。これだと、「ふれあい」がないよね?
だから、今回はネットを使って積極的に外に出てみるよ。

とりあえず、外に出る経路はインターネット。
必要なものは、パソコンやスマートフォン。
あとは、対局場を選ぶだけ。
とても簡単だよね?

さて、どこがいいかな。
ひたすら番数をこなしたい人は、対局者がたくさんいる対局場がオススメ。
さあ対局開始だ! ……その前に、自分の棋力を決めないと駄目なんだよね。
これは実際の道場や大会と同じで、対局相手を決める上で重要だったりするんだ。
自己申告で棋力を決めるところも同じなんだけど、ネットと実世界にはズレがあることも。
例えば、町道場で三段の人が、とあるネット将棋では1級だったりすることは日常茶飯事。
対局場によって棋力の絶対値が変動することは仕方ないんだよね。
さらに、ネット将棋の中でも対局場によって棋力に差が出たりする。
ちょうど、全国のいろんな道場にも差があるのと同じなんだ。
とはいえ、ネット将棋を始めるには、棋力を決めておこう。

ネット将棋における棋力は「レーティング」と呼ばれる点数に換算して評価することが多いよ。
そして、対局結果に応じて、この点数が増減していく。しかも、増減値は相手との棋力差により変わる。
自分より強い人に勝つと大きく点数アップし、弱い人に負けると大きく点数ダウンする仕組み。
そうやって対局を重ねていくと、自分の真の実力値がおおよそ定まっていくよ。
だから、自己申告の点数が多少違っても全然大丈夫。

でもでも、残念ながら、ネットの世界には、本当はものすごく強いのに、低い点数で申請する人がいる。
これを「過小申告」と呼ぶのだけど、弱い者イジメするような人たちなんだよね。
もちろん、その人たちも勝ち続けていくと点数がどんどん上がってしまうのだけど。
他にも、「ソフト指し」と呼ばれる人たちもいる。その名の通り、将棋ソフトを使って対局する人。

とにかく、自分なりの点数を決めたら、まずは対局してみよう。
点数の変動に一喜一憂するもよし、点数に関係なく戦法を試すなど研究に没頭するもよし。
ネット将棋の対局に慣れることが大切かな。
特に、実際の駒と違って、画面上の駒をマウスや指で操作するわけだから、感覚が違うよね。
操作ミスをして、「成り」と「不成り」を間違えてしまうこともある。
時間に追われて慌てて指したり、知らない間に時間切れになっていることもある。
でも、盤駒を使った対局とは違う独特の雰囲気を味わえることが、ネット将棋の魅力のひとつでもあるよ。

ネット将棋の持ち時間は、対局場によっていろいろあるから、自分に合ったものを選べば良いかな。
とにかく早く指したい人は1手30秒、じっくり考えたい人は持ち時間15分とか。
大会を意識したいなら10分切れ負け、もっと早く脳を刺激したいなら3分切れ負けとか。
他にも、1手10秒、1分切れ負け、じっくり30分、長考3時間などもあるから、目的に応じて選ぼう。

対局相手についても、実は人間だけじゃない。
対局場によっては、悪意ある人間の「ソフト指し」とは異なり、正々堂々とコンピュータが対局相手になることもある。
その場合、コンピュータつまりソフトであることが明確に表示されているから、純粋に人間代表として戦えるよね。
将棋ソフトの開発競争が激化している今の時代は、コンピュータ同士の練習対局がネット上で日々行われている。
その対局場に人間代表としてエントリすることも可能なので、コンピュータと「ふれあう」こともできるよ。
残念ながら、多くの人が対局に勝てないかもしれないけれど。

ネット将棋の要素として、レーティング・対局時間・対局相手があり、それらに応じた対局場がある。
もうひとつ大切な要素は、感想戦を含めた検討ができるかどうかという点。
たくさん指して経験を積むことに重きを置く人もいれば、一局を丹念に振り返る人もいるよね。
一手一手を確認して、どこが悪手だったか、どう指すべきだったか、相手は何を考えていたかをじっくり検討する。
「感想戦」を大切にしたい人向けに、検討しやすい環境を提供してくれる対局場もあるんだ。
そういうところには、同じような仲間が集まってくるので、ネット上で友達ができるかもしれないよ。
あるいは、すごく強い人が指導対局をしてくれるかもしれない。

対局後に感想戦をして、ときには、他の人の観戦をしたり、その感想戦に参加してみたり。
ネット将棋は不特定多数の人と接する機会が増える点も魅力のひとつ。
いろんなサークルもあるし、サークル内外のイベント対局もあったり。
ほとんど町道場と変わらないくらいの充実したサークルもあるんだよね。
個人でネット将棋を楽しむだけでなく、仲間とワイワイするのも面白いかもしれないよ。
とある対局場では、夏にリレー将棋が開催される。
4人一組でチームを作り、15手ずつ指してメンバー交代していくんだ。
チーム構成については、4人のレーティングの合計点数に制約があるんだけど、選び方にも特色が出るよね。
メンバー個人のレーティング、そして、オーダーが勝敗に影響を与えるというリレー将棋。
道場や大会に出られなくても、自宅にいながら参加可能なイベント。

対局やイベントを通して、ネットの向こうにいる多くの人に出会い、ふれあう。
直接ではないけれど、いろいろ楽しい出会いがあるよ。
もちろん、顔を合わせないがゆえに起こるトラブルもあるかもしれない。
言葉ひとつとってみても、真意が伝わらなかったり、誤解を招いたり。
でも、自宅にいながら、ふれあうことができるメリットの方が大きいかもしれないよ。

人と人との「ふれあう将棋」を通して、将棋の面白さを広く伝えられると、また仲間も増えるよね。
将棋を指さないけど、観るのが好きだ、という人もネット将棋はひとつのツールとして活用できるよね。
ネットで知り合って、意気投合して、そのままオフラインで実際に会ってみることもあるよね。
実は近くに将棋を指す人がいることを知るキッカケになるかもしれない。
そんな可能性を秘めたネット将棋は、いろんな目的の人に役立つといいな。

ぼくは将棋の普及のために未来からやってきた。
道場や大会は人を通して将棋が指せる場所。
そして、ネット将棋もまた、人を通して将棋が指せる場所。
さらに、コンピュータとも将棋が指せる面白い場所。
物理的な距離の制約を受けないネット将棋。
世界中の多くの人たちと出会い、もっともっと楽しんでもらえるといいな。