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第一章 夢を叶える

第一章 夢を叶える



第一章 夢を叶える


夢や目標が無くても生きてはいける

 いきなり章のタイトルと節のタイトルが矛盾してるじゃないの、と言われそうですが、実際のところ、夢とか目標が無くたって、生きてはいけますよね。
 だから「あなたの夢は何ですか?」とか「人生にどんな目標をお持ちですか?」と聞かれて「う〜ん、特に無いですねぇ〜。」と答えても別に恥ずかしいことでは無いのです。ちょっと気が楽になりましたか?

 ただ、ある程度の自分なりのテーマとか、好みとか、行き先とかを持っていないと、自分以外の他人の考えに付いていくことになります。

 たとえばタクシーに乗って「どこかイイところに行ってください」と言ったとしましょう。フツーそれで発車してくれる運転手さんはいないと思いますが、仮の話としてどこかへ行けたとします。
 でも到着地はおそらく、皆さんの考えているイイところではなくて、運転手さんの考えているイイところですよね。そこでバッチリ趣味が合えばいいですけど。

 私も昔、パリでタクシーに乗った時、行き先は一応ちゃんと伝えたのですが、途中で気さくな運転手さんがフランス語でいろいろと話しかけてこられたことがありました。
 しかし英語はともかくフランス語はほとんどわかりません。えっ、名前はフランス人っぽいのにフランス語を知らないのかって? だって、ジャン・ピエール・リュウゾウ、っていうのは、ペンネームですからぁ〜。(汗)

 とりあえず何を言ってるのかわからなかったので、ひたすら「ウィ、ウィ」とテキトーに相槌を打つことにしたのです。余談ですが、フランス語でおなら(屁)のことは、ぺと言います。あっ、こりゃ失礼。

 さてその運転手さん、良い人だったみたいで変なところには連れて行かれませんでしたが、気がつくとなんだかいろんな観光スポットに寄って、なかなか目的地にたどり着けませんでした。

 後から考えると、どうやら「兄ちゃん、パリにはこんなステキなところが あるけど、ちょっと寄ってみないかい?」といったことを言われていたようです。
 私が「ウィ、ウィ」と相槌を打つものだから、親切に観光案内してくれていたのでした。一応、仕事で行ってたんだけど、ただの旅行者と思われたのかも。(爆)

 つまり行き先はある程度決めて、途中でも方針はハッキリしていないと、結果的にほとんどの場合、他人の行きたいところに連れていかれます。
 連れていってくれる人が親切な良い人なら、道草も楽しくて、新しい発見があるかも知れませんが、他人をコントロールしようとするような人に従うと、ひたすら振り回されることになります。それでは楽しくないですよね。

 また特に夢や希望が無くても、生きていくからには誰でも基本的な欲はありますよね。食欲・性欲・睡眠欲。これらがある程度満たされていないと、やはり幸せを感じることは出来ないのです。
 そこでまず、夢や希望が無くても基本的な欲求を満たすことから考えてみても良いと思います。

 たとえば、食欲と睡眠欲を満たすには、仕事と家が要ります。ラテン的に考えると、もし仕事が無くてもしばらく友達の家に居候させてもらう、という手もあります。良い人間関係、ってのもテーマの一つになりますね。そんな感じで、ひとつ気楽に考えていきましょう。


ヴィジョンはそこそこ明確に

 さて、基本姿勢が確認出来たところで、皆さんの幸せについて考えていきましょう。ここで、まだ過去のトラウマとやらにしがみついて不幸に酔いしれている人は居ませんよね。
 もし自分を悲劇のヒロインにしたい人がいたら、ここから先読まなくてもいいですからね。過去がどうだったか知らないけど、そういうのは、ひとまず横に置いておいてくださいね。

 えっなになに、未来のヴィジョンとか考えると、ついつい悲観的になる? オッケーわかりました、まだ楽天的なラテン気分に浸れないかたのために、とってもシンプルなことをお教えしましょう。

 実は、世の中に幸せな人より、不幸な人のほうが多いように感じられるのは、けっこう単純なことが原因かもしれないのです。
 それは、不幸や悲劇のほうが考えやすい、ということです。幸せや不幸せって本来、自分がどう感じるかという主観的なものだと思いますが、不幸や悲劇の場合は、パターンが限られていますよね。

 お釈迦さんも生老病死の四苦、それに愛離別苦、怨憎会苦、求不得苦、五陰盛苦も加えた四苦八苦で説明しています。苦しみや不幸って、ほぼこの計8つのパターンのいずれかに当てはまるのです。
 お釈迦さんはインドの人ですから、実際はこんな漢字だらけで説明していないと思いますが、まぁ〜、そんなことは、どうでもいいか。

 これに対して、幸せのパターンは人の数だけに限らず、星の数ほどあります。不幸のパターンは世界共通、でも幸せのパターンは千差万別、星の数。
 宇宙には無限の可能性があるので、宇宙から観ても、一人一人が幸せなのが本来の自然な姿だと思います。

 劇作家も喜劇より悲劇のほうが書きやすいと言います。それは限られたパターンで話を展開出来るからです。これに対して、お笑い芸人の笑いのパターンは千差万別で、また時流によってウケが変わるのでネタを考えるのが大変だそうです。本来は、嬉しくて楽しいほうが自然なのですけどね。
 
 人間の思考回路って、わりとズボラに出来ていまして、放っておくと楽をしようとするんですね。で、何か考えようかという時にはパターンが少ないほうが考えやすいので、ついついそちらに引っ張られるのです。
 もうおわかりですね。思考を方向付けずに放っておくと、パターンが少ない悲観的なほうに考えが引っ張られるというわけ。実にシンプルなことなのです。

 宇宙には共鳴するという性質がありますので、幸せに意識をフォーカスしていると幸せな現象に導かれます。ですので、普段から自分の幸せを明確にする習慣をつけていると、そっちに意識を持っていきやすいと言えます。

 というわけで、この節のタイトルにあるように自分自身の幸せのヴィジョンというのは、ある程度明確にしておいたほうが、良いですよということになるのです。ある程度、自分のテーマとか生きていく方針とか、幸せのヴィジョンをハッキリしておくと、常にそこにフォーカス出来ます。

 ただまぁ、パターンの決まっていない幸せについて、いきなり考えるのも難しいと感じるかもしれません。
 でも、皆さん、フツーにあれも欲しい、コレも欲しい、あんなことしたい、こんなことしたい、あそこに行きたい、ここに行きたい、誰それと親しくなりたい、こんなふうになりたい、これ以上脂肪は要らないけれど、希望はもっと欲しい、とかいろいろありますよね。それでいいんです。そこから始めましょう。

妄想から始めましょう

 それでは具体的に皆さん一人一人の幸せのヴィジョンを引き出していくことにしましょう。節のタイトルは、妄想、もぉ〜そういう話するのかって? あっいやいや、妄想したり自分の煩悩を知るって、大切なことなのですよ。

 私の偉大な師匠の一人で、真言宗の長者にまでなられた高僧の野澤密厳師は「煩悩があるから悟れるんや。煩悩捨てたらあきまへん。」といったことを言われていました。若い時に聞いた話なので、違ってたらゴメンナサイ。
 でも趣旨としては、自分のなかの妄想とか煩悩をよく見て、それをうまく昇華させていきましょう、ってことだと思います。

 さて、皆さんが本当は何を求めているのかを知るための具体的なツールとして、どこにでもある「ノート」を使います。
 友達の間ではこれを「妄想ノート」と呼んだりしていますが、そういうタイトルですでに固い本を書かれた大学の先生がおられますので、ここでは単に「ノート」と呼ぶことにします。

 このノートの品質は、どんなものでもかまいませんが、2種類作ります。それは年に一回程度まとめる「ライフノート」と日常の考えをまとめる日常版の二つです。私は日常版のことを「ネタ帳」と呼んだりしています。お笑いやギャグのネタ帳と同じです。

 長期版は私は無印良品のシンプルなノートを20年以上使ってます。日常版はリングノートを使っています。いずれもA5サイズです。
 使い方としては、通称「ネタ帳」の日常版を書き、そこから厳選した内容を年に一回程度「ライフノート」に書くのです。「ライフノート」のほうは自分のヴィジョンをまとめて保管しておくためのものなので、まず大切なのは「ネタ帳」になります。

 この「ネタ帳」、実は直接ペンで書いたりはしません。シール帳のような使い方をします。実際に書くのは、5cm×7.5cmほどの大きさで裏に再剥離出来る糊の付いた、ポストイット(3M社のPost-it)のようなシールです。
 シール一枚につき、一つの事柄を書いていくのです。ある程度書いたら、それを「ネタ帳」に同じようなテーマごとに適当に分類し、貼っていくのです。昔、カードで情報整理するのが流行りましたが、それと似ています。

 さて、書き方ですが、難しく考える必要はありません。実は直接ノートに書かずにポストイットに書いてから貼っていくというのも、改まった感を排除するためでもあります。一応流れを書くと、次のような感じになります。

・紙と筆記具、一人で集中できる時間を用意する。
・自分が欲しいモノ、やりたいこと、好きなモノ、好きなこと、
 好きな人について、書いていく。
・決めた時間内にとにかく早く、手を止めないで書きまくる。
・同じ事を何回書いても良い。字がきたなくても良い。
・世間の常識、道徳にもとらわれずに自由に書く。
・手が止まりそうになったら望まないこと、やりたくないこと、
 嫌いなモノ、嫌いな人について書きだしてみる。
・何回か、日を置いて繰り返す。
・書いた紙は、絶対に人に見られないようにすること。
・同じようなテーマごとに適当に分類してネタ帳に貼っていく。
・適当に貼り替えながら整理していく。

 ざっとこんな手順です。一番の注意点は、必ず手書きで書くこと。パソコンなどは使いません。

 パソコン、タブレット、携帯電話、テレビ、ラジオなどから一旦離れてください。スイッチも入れたらダメ。アタマに浮かんだことをさっとすぐに書かないと意味が無いのと、雑然とした思考から自分自身の本当に望む事を引き出すためです。そのためには、手書きが良いのです。

 最近は、イタリアの老舗の手帳&ノートメーカー、モレスキン(Moleskine)と情報や事柄を蓄積するネット上のサービスを提供しているエバーノート(Evernote)がコラボしたり、スマートフォンと連動したメモパッドやノートも出ているのでそういうものも活用しても良いですが、最初の基本は手書きです。

 もう一つ大切な注意点は、考えすぎないこと。考えすぎず、思いついたことをなるべく素早く書いていってください。あまり考えすぎると統計学でも信頼度係数(回答の信頼性を測る係数)が下がるとされています。
 ちなみにこれは、ある程度まとまった時間を使って書く方法です。最初は、この方法を試してみてください。ただし、一度にかける時間は、5分〜10分程度、長くても20分以内にしましょう。アンケート調査などでも20分以内というのが適切とされています。

 私の場合、ポストイットと3色ボールペンは常に持ち歩いています。そしてたとえ歩きながらでも思いついたこと、ネタ、自分の欲しいもの、夢などはその場ですぐに書くようにしています。分類は後からで良いので、とにかく書き出すことが大切です。

 またある程度ハッキリしてきた夢は人に語ってもいいですが、このノートは直接は人に見られないようにしましょう。お前、こんなこと考えてたの?などと意味深な笑いなどを浮かべられたら最悪です。
 人の意見が入ると、皆さんのココロが閉じてしまうこともありますし、何より好き勝手な妄想を書いていく、ということがポイントです。

 しかし、同じ目的で繋がった仲間、賛同してくれそうな人たちの間では、夢を語り合うのもいいものです。ノートはそのままは見せず、そのなかから仲間に話しても良いと思う夢を語りましょう。
 それによって、皆さんの活動をサポートしてくれる人と繋がることもあります。自分だけの力ではなくて、多くの人たちのサポートで夢の実現が早まることもあるのです。

 先日、テレビでたまたま目にしたのですが、ダンス&ボーカルユニットEXILEメンバーのUSAさんが子供たちに合宿でダンスを教えるコーナーがありました。

 そこでUSAさんが「ドリームノートに自分の夢を書いたり、口に出したりすると、願いが叶いやすくなるよ」と子供たちに話して、たき火を囲みながら、ノートに書いたそれぞれの夢を語り合っていました。
 まさしくこの章を書いているのと同じタイミングにドンピシャで同じテーマの内容でした。夢を叶えている人は、ちゃんとこういう秘訣をご存知のようです。

 夢というのは、想っているだけではなくて、目に見える世界に文字や言葉で表現してみると、叶いやすくなります。意識という目に見えない世界から、文字や言葉によって、目に見える世界へとエネルギーを方向づけるのです。するとそれに従った現実も創造されていきます。

 もし今、有り余るほどのお金と時間があったら、何がしたいですか?、何が欲しいですか? もし今、たとえば有り余るお金と3ヶ月の休暇、または3年の休暇があったら何がしたいですか? 自分の考えを知ることが狙いなので、その実現可否については、一切気にしないでください。

 また仮にありあまるお金はあるけど、人生があと3日しかないとしたら、あなたは何をしますか?
 あなたにとって一番大切なものは何ですか? お金ですか、時間ですか、それとも家族や友人ですか? また趣味や好きなことですか?

 たとえ苦しいことがあっても、たとえ何度か失敗したとしても、あなたが情熱を持ってやり続けられることがあるとしたら、それは何ですか?

幸せの基準は人それぞれ

 先にも書いたように幸せのパターンというのは、人の数、星の数ほどあります。一般的に言われる幸せのパターンを参考にするのは良いですが、最終的には、世間一般で言われていることより自分が本当に何を望んでいるかを明らかにしてください。

 最近、ブータンが幸せの国として日本のマスコミでも大きく紹介されました。GNH(国民総幸福量)を基準に国家を運営していくという姿勢はとても素晴らしいと思います。

 しかし50年以上にわたって世界の幸福度などを調査してきたアメリカのギャラップ社の2011年までの世界150ヶ国幸福度ランキングには、ブータンは載っていません。
 なんとブータンは調査対象外で、強いて言うならギリシャと同じ40位ぐらいだそうです。ずいぶんマスコミで言われていることと違います。

 ブータンの国の多くの人が幸せと感じる基準は、チベット仏教の思想と衣食住の平等感が大きいと思います。そういう幸せを心地よいと感じる人ならブータンは天国のような国かもしれません。
 しかし服装などに関しては、民族衣装が基本、家のデザインにも自由度は少ないです。また医療は無料ですが、最先端の医療設備が充実しているわけではありません。

 個人の自由を重視するという欧米の人の観点とは、そもそもの幸せの基準は全く異なっているようです。しかし近年、欧米でも多量消費型の幸福感ではなく、ブータンのような素朴な幸せに目覚める人も出てきたようです。

 ギャラップ社のランキングではデンマーク、フィンランド、ノルウェーといった北欧の国が上位にランクされています。
 日本は平均寿命では、世界のトップクラスですが、この調査では50位にも入っていません。つまり幸せじゃないお年寄りの多い国、という不名誉な調査結果が出ているのです。

 なおイタリア人やラテン系の人たちは、どちらかというと北欧の固い堅実な生活を毛嫌いします。別の幸福度ランキングでは、ラテンアメリカの国が上位にランキングされていたりします。つまり国によっても考え方はさまざまです。皆さんは、どういう幸せを求めていますか?

 考えやテーマは、大きく持ってください。自分のテーマを考える時に、今の皆さんの持っている能力、資産、収入、考えられるリスクなどを厳密に調査した上で、理論的に考える必要はありません。ファイナンシャル・プランナーでは無いのですから。

 なお、英語で方向づけるという意味のオリエンテーションとは「東に向かう」を意味するオリエント(東洋)という語から派生しています。

 地球は東に向かって自転しています。自分の方向性を定めたかったら、地球の自転方向に向かってみる、東に向かう。これも自分の方向性を見つける一つの方法です。
 しばらく(1~2週間)早起きして、朝日を浴びてみましょう。朝は天使の時間。自分の方向性に関して、良いアイデアが浮かぶかもしれません。


 人から何と言われようと、自分の気持ちに素直になって、バカみたいに大きく考えてみても良いのです。
 宇宙意識からすると、大きな願いも小さな願いも同じです。アタマで考えて、100%不可能と思えるようなことでも実現出来る可能性はあるのです。こういう時はおバカになってもいいのです。宇宙は、天才バカボンな〜のだぁ!(←意味不明)

 さらに「引き寄せの法則」でも紹介されている『ビジョンボード』や望月俊孝さんが提唱されている『宝地図』を作って、毎日眺めるのも楽しいかも知れません。自分の欲しい物や理想の状態の写真などを一杯集めてコルクボードなどに貼っておくと実現しやすくなります。

 幸せを感じる手段として、皆さんは何がしたいですか? 本来は、何かを手に入れたり、達成することによって幸せになるわけではありません。幸せと感じることが、幸せに繋がるのです。
 世の中には、ただ生きているだけで幸せな人もいます。でも、いきなりそのようなレベルになる必要はありません。何かを手に入れたり、何かを達成したりするといった現象を楽しむところから始めても良いのです。

 リラックスして考えるには、身体を服などで締めつけていない時、お風呂に入っている時などが良いです。温泉に一人旅、なんてのもたまにはいいかもしれませんね。
 一人でプライベートが確保されるなら、服を脱いでベッドに入ってもいいですね。ただし、これはしがらみを取って考えるためなので、くれぐれもHなこと考えたらダメですよ。イヒヒヒヒ。

 これまた余談ですが、日本で「はっくしょん!」というくしゃみの音。世界各地で表現が微妙に違いますが、イタリアでは「エッチー!」といいます。まぁ、どうでもイイ話ですが。

それってあなたの望みですか?

 さて、ここで大切な注意点があります。やりたいことと、やらネバならないことは違います。皆さんが自分の夢だと思っていること、希望の進路だと思っていることが、実はひょっとすると皆さんの本当の望みからは、少しズレているかもしれません。

 皆さんは、今まで人生の進路をどのように決めてきましたか? 親や周りの意見に影響されて、自分が本当にやりたいことを横に追いやってきませんでしたか?
 親から「あなたは立派な医者になるのよ」と言われて、それを自分の夢として生きてきたけど、実は音楽家になるのが本当の夢だったといったようなことはありませんか?

 人生の進路を決める場合は、自分が何をやりたいか、何によって自分は幸せを具現化していくのか、それを明確にして、勇気を持ってチャレンジしたほうが良いようです。
 親を喜ばせたいから、自分の夢を少し変えるというのも立派かもしれませんが、普通皆さんは自分の親より長く生きます。親がいなくなってから、人生の後半で後悔しないように自分の望みも大切にすることをお勧めします。

 私は、大学を卒業する年に難病にかかり、就職活動に出遅れてしまいました。しかし私の前には、三つの道が用意されていました。いずれも私をその道のトップに紹介してくれるという人がいたのです。三つの道とは、僧侶、極道、そして会社員でした。(汗)

 私は、親や周囲も安心するという理由で、一番平凡な会社員の道を選びました。しかし私が会社員になって2年もしないうちに親は他界してしまいました。また当時、私の選択に安心してくれた人も、そのうち私の周りからほとんどいなくなってしまいました。
 オイオイ、そりゃ無いでしょぉ〜っという感じでした。ひょっとすると、別の二つの道のいずれかに進んでいたほうが、エキサイティングな人生を歩んでいたかもしれません。もちろん、今からウルトラ僧侶やハイパー極道になろうとは思いませんが。

 人生を振り返ってみると、どうも周りの人の言う事は、たとえそれが親からでも、親切心からでも、それはアタマで考えた推測のみで話していることが多い、ということに気が付きました。
 たしかに経験から出てくるアドバイスは素直に聞いたほうが良いと思いますが、それだけで自分の進む道を決めない方が良いのです。

 よくよく考えてみると、親や周りの人達が言ってくれるアドバイスというのは、ほとんどが、一般的な推測にもとづいています。
 たとえば、あなたが音楽で仕事をしたいと思った時、すでにその道を経験してきた人のアドバイスなら参考になります。

 しかし一度もその道を経験していない人からのアドバイスは、あまり参考にはなりません。親が「音楽では、なかなか食べていけないよ」と言ったとします。
 もし親が音楽家で本当に食べていくのが大変な経験をしていれば、説得力はありますが、一般的な推測で話しているなら、かなりアテにならない意見です。子供の将来を心配して、言ってくれているアドバイスだとしても。

 今はインターネットを使うことが出来ます。あなたの進みたい道ですでに活躍している人が、ブログなどを公開していることも多いと思います。そういう人達のブログを読んでみたり、もし自叙伝などが出ていたら、とりあえず読んでみるのも良いかもしれません。

 さらにあなたに強い情熱があり、一通りの礼儀をわきまえて連絡出来るスキルがあるなら、本人に直接メールや手紙を送って、アドバイスを求めてみるのもよいかもしれません。
 返事が来ないことのほうが多いかもしれませんが、チャレンジしてみる価値はあります。星のような数のメールから、幸運にもあなたのメールがその人の目にとまり、適切なアドバイスをくれることがあるかもしれません。私も素直に自分の情熱を伝え、著名なかたから、直接貴重なアドバイスをいただいた経験も何度かあります。

 ただし、そのようにして何か貴重なアドバイスを得られたとしても、あなたの人生は、あなたが経験するものです。誰も代わってはくれません。

 ですから、まず親や周囲が喜ぶとか、安心するといったことを第一の選択基準にしないほうが良いと思います。またその道のプロの意見も参考程度にしておいたほうが良いです。あなたの道は、あなたにしか決められないのです。

 それよりもリラックスして、自分の好きなことをし、必要な時に集中して、自分自身の直感に従ったほうが、得るものが大きいのです。
 自分の直感が、あなたにとって、最も身近で最も適切なアドバイザーです。もちろん、自分の道を進むなら、最低限、周りに迷惑はかけないというのは大前提ですが。

 今、何かの選択をしようと考えているかたは、周りの言うことに惑わされず、自分を信じてください。たとえ最初は失敗したとしても、自分で選んだ道を熱意を持って進んでみることをお勧めします。そういう道を探してください。

 もしあなたが親の立場だったら、衣食住と医療と教育に関しては可能な限りのサポートをして、それ以上のことは本人の責任で行うように暖かく見守る姿勢で接すると良いと考えられます。
 何かにチャレンジするために船出をする息子や娘が、いつでも安心して帰れるような港のような存在でいてください。

 自分自身が本当にやりたいことを見つけるためには、一旦、あらゆるしがらみを取って考えてみましょう。しがらみを取って考えるには、引き算のマイナス思考もお勧めです。自分の周りにモノを少なくしたり、周りにモノが少ないところに出かけるのも一つの方法です。

 私たちは自分の持ち物やモノからも意識が影響を受けます。ですから、持ち物を整理したり、お寺とか神社に行ったり、山登りしたり、とにかくモノの影響の少ない環境に身を置くと、自分の思考も整理出来ます。たまには一人旅をしてみましょう。
 親兄弟や親戚の意見、先生や先輩の意見、ご近所の目、友人からどう思われるか等、そういう事を一旦はずして自分の道を考えてみてください。

 また昔から、「天は二物を与えず」などと言いますが、アレは真っ赤な嘘です。「宇宙は万物を与える」が正解。宇宙は無限の可能性を持っているのです。
 「私は美人だから、きっと知的な仕事には向かないわ」なんてこと、遠慮する必要は全く無いのです!(笑)
 私の知り合いに美人でチャーミングでスタイルも良く、もの凄く知識豊富で、絵も歌も上手くて芸術的才能もある、という人も何人もおられます。人の言うことに惑わされず、自分の可能性を拡げてください。


 幸せに満ちあふれた人は、次の段階として、周りに喜ばれる存在、人から感謝される存在になります。
 しかし自分が幸せでないと、人を幸せにすることなど出来ません。皆さんもわかるところからでいいですから、自分の幸せを見つけてください。そして多くの人と幸せをシェアしましょう。

望む状況を今ありありと感じる

 さて、ここまで主にヴィジョンやテーマの引き出し方について解説してきました。ここで夢を叶える4つのステップについて、改めて説明してみたいと思います。

 夢を叶えるステップはV:Vision、F:Feel、R:Release、A:Actionの4つです。
 最初のV、ヴィジョンは先の節までで説明してきた通り、あなたは何がしたいのか?、どうなりたいのか?、何が欲しいのか?といったヴィジョンを明確にするということです。

 最近は、AR(Augmented Reality)拡張現実といった技術も出て来て、日常生活でもヴィジョンをより明確にすることが可能になってきました。たとえば家具や電化製品を部屋に置いたイメージを確認することも出来ます。
 マーカーの付いた紙を部屋に置き、その場所をスマートフォンのカメラで映すと、実際にはモノが無いのにカメラから見える映像には、買おうと思っている家具や電化製品が部屋にあるように見えるという技術です。

 さて次のF:Feelは、感じるということです。これはヴィジョンをさらに発展させたものとも言えます。つまり五感で感じる、喜びの感情を先取りするということです。
 前書の基礎編では、宇宙には永遠の今がある、同じ周波数で共鳴する、といった宇宙の仕組みについて書きました。まさにその仕組みを使うのです。

 つまり自分のヴィジョンがハッキリしてきたら、それが実現している感覚を五感と心で感じるのです。あたかもその体験が今、現在の体験のように。この感覚は、想像でかまいません。イメージする想像が、クリエーションの創造に通じます。
 そういう意味でも妄想って大切なのです。楽しい状況を思い浮かべて、エヘヘヘヘッ、ウヒヒヒヒと、よだれを垂らすぐらいがちょうど良いのです。
 大切なことは、その状況のなかにあなたがいるとして、想像すること。あなたの存在と望む状況のイメージを重ねて、それを今という瞬間に持ってくるのです。

 私が若い女性とバンド出来たらいいなぁ〜、な〜んて考えたときもイメージを制限せずに妄想したから、フツーならあり得ないレベルで実現したのだと思います。イメージするだけならタダですし、誰にも迷惑かけませんから、どんどん妄想しましょう。

 うちは家族が猫アレルギーだし、家には鳥や金魚もいるので実際には猫を飼うことが難しいのですが、猫飼いたいねぇ〜、などと猫が近くにいることを想像したこともありました。話題の猫カフェにでも行こうかなと思ったぐらいです。
 するとさっそく次の日、家の横の猫の額ほどの空間に猫の母さんとフワッフワの子猫3匹がやってきました。

 特にエサをやったりはしませんが、その後もちょくちょくやってきて、家の横でくつろいでいます。おかげで、猫を飼わなくても可愛い猫の姿を見て楽しむことが出来るようになりました。
 ある日、うちではエサをやったりしていないのに母さん猫がそこそこ毛並みがいいので「どこかでちゃんとご飯食べられてるんだねぇ。良かったね〜。」と声をかけると、うんと頷きました。(汗)

 とりあえず、どんなことでも、煩悩でも妄想でもいいですから、自分の望むことをアタマであれこれ考えず、ありありと想像してみてください。するとその想像エネルギーが宇宙と共鳴して、楽しい創造へと繋がることもあります。人間の思考には、エネルギーがあるのです。

 もちろんその人の思考エネルギーの強さにもよりますし、今までどういう活動をしてきたか、また得意なことは何か、など実現にはいろんな要素が影響するのは、言うまでもありませんが。

 ちなみに言葉からの実現度を強くする簡単な習慣をお伝えしましょう。それは「有言実行」です。自分の言葉と行動を統一するのです。
 といっても堅苦しく考える必要はありません。日常生活で言葉に出したことは、たとえ些細なことでも必ず何らかの形で実行するようにすること、それだけです。

 だからといって、何でもかんでも言ったことは実行しなくてもかまいません。もし否定的なことを言ってしまった場合は、取り消せばいいのです。
 子供はなぜかトイレに行くときでも「トイレに行って来る」と言ってから行きます。思わず「そんなことまで、一々言わなくてもいいよ」と言ってしまいそうになりますが、子供は言葉と行動が一致しているのです。

 大人になるにつれて、どこかの政治家さんのように言ったことを実行しない人が増えてきます。マニフェストとか格好のいいことを言っておきながら、大臣になったら全く実行しない政治家さんも多く、困ったものですね。
 言葉と行動が一致すると、約束を守るということにも繋がり、人から信頼も得て、自分の望みも叶いやすくなります。

 思考と言葉と行動を統一し、想像するエネルギーを十分に発揮するためには、理屈であまり考えすぎないほうが良いです。
 コツは、アタマであれこれ考えすぎないこと、宇宙には無限の可能性があることを信頼して、大きく考えること、そしてさらに次の節で解説することを心がけて、無駄に動きすぎないことです。

プロセスも結果も宇宙に委ねる

 さて、ヴィジョンも明らかになり、それを感じられるぐらいになったら、次はしっかりと目標を細分化して、というのがビジネスの世界でも提唱されてきた目標達成の方法です。でも本書は、ラテン系ですから、そんな堅い方法はとらず、もっと楽しくヴィジョンを現実のものにしていきます。

 そもそもヴィジョンやテーマ、目標といったものは、それを考えたときの自分のアタマが想像出来るレベルにすぎません。宇宙には無限の可能性があります。ですから自分のアタマで考えたレベルなんかより、もっと素晴らしいことが実現出来る可能性だってあるのです。いやホント。
 むしろ、目標やテーマの細かいところまであまり限定しないほうが、良い結果を得られたりします。

 企業では、人事管理上からも経営方針からトップダウンで、部門ごとの目標を立て、さらに個人別に詳細にわたる目標設定をする、といった手法を取っているところが多いですね。しかし、ハッキリ言わせていただくと、その手法では残念ながら結果として、売上は伸びないことが多いのです。
 その手法では、目標の100%が達成出来れば良いほうで、120%達成などは夢のまた夢です。ですから会社でそういうやり方をしているからといって、個人的な夢にまでその手法を使うと、後悔しますよ。きっと。

 なぜなら、そもそも売上を上げるという目標そのものが、宇宙的な観点からすると、どうもズレています。それは会社と株主側の都合であって、顧客の喜ぶことではありません。客の立場になってみれば、取り引き先の会社の売上が上がるよりも、良い商品が適切な価格で提供されるといったことのほうが重要なのです。

 本来商売とは、お客様に喜んでいただいて、それに対してお金をいただくといったものではないでしょうか。売上や利益がなければ企業として成り立ちませんが、それ以前に客に喜んでもらうという姿勢が必要です。
 ですから仕事でお客様に感動を与える、といったテーマを重視したほうが良いのではないでしょうか。そのほうが結果的に売上も飛躍的に伸びます。

 このようにテーマの方向性そのものが間違っていると、それは実現しないのが当たり前です。そしてゴールを意識しすぎると、良くてもその時点の自分のアタマで想像できたところまでしか実現出来ず、実際の実現のレベルを限定してしまうのです。

 またガッチガチの目標や、目標の細分化は、努力と根性がないと行動を持続出来ないだけでなく、実際その過程は楽しくないですよね?
 実は、楽しくない状態で作り上げたり、売られている物は、製品にも楽しくないエネルギーを映し出してしまいます。するとその製品も売れにくくなるのです。

 消費者は、無意識のうちにその製品がどういう意識で作られ、売られているかを敏感にキャッチしています。さらに消費者の無意識の選択は、商品の売り上げなどに大きく影響します。最近では、マーケティングの世界でもそういうことが真剣に研究されています。

 ガチガチの努力と根性型の目標達成法では、心理学で言うセレンディピティのような、ふとした偶然から幸運を見つける能力を制限してしまったり、棚ぼた的な幸運も見落としてしまいます。
 つまり視野が狭くなって、道ばたに大金が落ちていても見逃してしまいかねないのです。そんなのとっても損ですよね。

 またあまり目標を細かくしていくと、実現プロセスまでアタマで考えてしまいがちになります。しかし、宇宙は時に全く予想もつかないような方法で望むことを実現してくれることがあります。いったい誰がシナリオを書いているんだ?という突拍子もないプロセスを辿ることもあるのです。

 プロセスは宇宙にまかせたほうが、どんなことでも実現しやすくなります。その時々の直感に従って、自分がしたいと思うことをしてみると、宇宙のプロセスに導かれます。それが R:Releaseの知恵です。

 さらにもう一つのポイント、これも重要です。それは目先の結果も気にしないことです。宇宙を信頼してまかせてみてください。
 長い目で見ると、最初は失敗しても、結果的には良かったということも多いです。有名企業の入社試験に落ちた、しかしそれから半年後にその会社は不祥事で大きな損失を受けて上場廃止になり、滑り止めで入った小さな会社の商品が爆発的にヒットして200%以上の成長企業となった、といったことも実際にあるのです。

 皆さんが宇宙と密接に繋がり、信頼を抱けるようになっていれば、結果そのものにも執着しないことが、最良の結果をもたらします。一つの判断基準として、情報が自然に集まるとき、皆さんの直感と宇宙は繋がっています。そういう時は、成功や失敗にとらわれずに直感の導きに従ってください。

今、目の前のことに集中する

 夢を叶えるステップ、V:Vision、F:Feel、R:Release、について説明してきました。次は4つ目のA:Actionです。
 あなたの望むヴィジョンを明らかにして、それを感じられるぐらいにまで高めても、あなたがじっとしているだけで何も行動しなければ、単なる妄想だけで終わってしまうことも多いです。

 マラソンランナーは、まずスタートでは足をしっかり固定します。浮き足だっていると、力強いスタートダッシュをすることが出来ません。
 そこで大切なのは、まず今、目の前のことに集中することです。もしも今目の前のことが、直接あなたのヴィジョンとは違っていたとしても、まずは今のあなたの日常生活の役割にしっかり取り組み、足下を固めましょう。

 あまり先のことを考えすぎて、今に地に足がついていないと幽霊みたいになってしまいます。幽霊に足が無いというのは、地に足ついていない、今現在に居ないという意味もあるのです。
 もしあなたが主婦で家庭にいるなら、勉強会やセミナーばかりに出かけていないで、家族の食事、掃除、洗濯などの家事をしっかりやることが足下を固めることになります。しかし日々の雑事に振り回されないようにすることも大切です。

 あなたのヴィジョンを少し意識したり、近い楽しいイベントを意識しながら行うと、身体も心も軽くなります。たとえば休日に部屋の掃除をしても楽しくありませんが、一週間後に行く旅行でワクワクしている時は、部屋の掃除も楽しくなるのと同じです。
 まず日常生活で、地に足付けて、足下を固めつつ、ヴィジョンは軽く意識してみましょう。あまり目標として意識しすぎないほうが良いです。目標からも自由になりましょう。


 そして、あなたのヴィジョンに関することをたとえ小さなことからでもいいですから、とにかく今すぐ始めることが大切です。日常をしっかりした上で、少しずつ、今すぐヴィジョンに関係した行動をするのです。日々の雑事に振り回されて、あなたの夢を後回しにしてはいけません。

 だからといって、努力のしすぎもお勧めできません。力を入れすぎると、宇宙のリズムからズレてしまいます。ラテン的に気楽になってください。努力からも自由になりましょう。がんばりすぎないこと。

 元々、漢字の努力の努の字源は、奴隷の奴の力だそうです。つまりイヤイヤでも出す力といった意味になります。
 努の文字の又は、股ではなく手を表す文字。つまり出産の時の力ではありません。出産を表す字は、分娩の娩の右辺、免という字です。勉強の勉にはこの字が入っています。
 一方、奴隷の奴に心を付けると、怒りという字にもなってしまいます。努力しすぎる人は、努力していないように見える人に対して、怒りを感じることすらあります。ラテン系には無理な努力は似合いません。

 無心に何かに打ち込む姿は美しいですが、その時本人は夢中で、無心で、努力しているという意識すら無いのではないでしょうか。
 そういう人を宇宙は味方します。滝のように汗水たらしていても、たとえ泥だらけでも、美しいのです。ゴリさんが、何かに夢中になることをゴリ夢中と言います(←言いません!)が、いろいろ迷って霧の中をさまようのではなく、一つのことに夢中になりましょう。


 健全な努力というのは、継続する力です。多少苦しいことがあっても、たとえ失敗しても、自分が情熱を持って続けられることを選んでいれば、そこには健全な努力が生まれます。何があっても一つのことを続けることが夢の実現へと繋がります。

 私の母方の祖母の父、血縁上の曾祖父は、明治、大正時代から日本の食料需要の多くを扱っていた大阪の乾物問屋三代目として大きな商いをしていました。
 曾祖父は「運・鈍・根」の三つを大切にしていたそうです。「運・鈍・根」のうち、根とは、すぐにあきらめずに一つの事に根気強くやり抜き、つかんだチャンスを活かすことを意味しています。つまり健全に努力をするとは、続けるということなのです。

 当初、曾祖父の教えとして「運・鈍・根」を聞いた時は、さすがご先祖さん、イイこというなぁ〜と感心しましたが、後でよく調べたら、それは近江商人とかに昔から伝わる言葉で、曾祖父オリジナルではありませんでした。いろんな人が、この教えを使っていたのです。やられたぁ〜!(汗)

 また天職というものは、なかなかわかりにくいかもしれませんが、自分の得意なこと、好きなこと、好きな人、尊敬できる人を見つけると、適職が見つかります。

 自分の得意なことが見つからなくても今、目の前にある仕事を熱心にやり続けてみると、それが得意な仕事になることもあります。
 ある調査では、どんなことでも一万時間続けると、その道のプロになれることが多いそうです。毎日十時間、何かを続けると、三年足らずで一万時間を超えます。毎日三時間だったら、約十年です。

 剣豪、宮本武蔵の『五輪書』には「千日をもって鍛とし、万日をもって錬とす」とありますが、音楽界に偉大な影響を与えたビートルズもリバプールでグループを結成し、下積みバンドとして過ごした時間が一万時間なのだそうです。

 大きく世に出られるかどうかは別としても、一つのことを一万時間やり続けると、それをマスターすることは充分出来ますし、その道のプロになれる可能性は高いです。もし仕事で迷ったら、自分がやり続けられること、自分が好きなことを一万時間続けてみましょう。
 最初から一万時間は長く感じるようなら、まず千時間を目安に取り組んで みましょう。それだけでも何かが違ってくるかもしれません。


 さて、毎日少しずつ行動していしても、なかなか自分のヴィジョンに近づけていない、と感じることがあるかもしれません。
 しかし現状維持でもそれなりに動いているあかしです。鳥だって羽ばたくのをやめるとそのうち落っこちますが、飛んでいるということは適当に羽ばたいているということです。つまり一見、進歩が無いように見えてもオッケーなのです。

 たとえ進歩が遅いように感じたり、失敗したとしても、あなたがマフィアの一員でも無い限り、命まで失うことは普通はありません。そこで自分を追いつめすぎないようにしましょう。ときには「これでいいのだ」と現状を肯定すると気が楽になります。予定はあくまでも予定なのです。余談ですが「これでいいのだ」の天才バカボンのテーマ曲の英語版の歌詞は「Hey, Hey, It's OK!」だそうです。

 だからといって、いつまでも現状維持でだらだらすることはお勧めしません。少しずつでもいいから、うまく進歩する方法を見つけて、前に進んでいきましょう。
 真面目すぎる人は、どんどん自分を追いつめてしまいがちですが、自分への言い訳はたまには必要です。そこそこ言い訳してもいいわけです。高田純次さんもそう言ってます。たぶん。

 うまくいかずにあまり進歩していないように感じるときは、自分に言い訳をしても良いのです。そして、もし少しでもうまくいったら、思い切り自画自賛して自分を誉めましょう。
 またピンチはチャンスなどと言う人もいますが、冷静に考えるとピンチはピンチです。ただ、そこで自分を追いつめないで、気を大きく。タイミングを見計らえば、またチャンスが巡ってくることもあります。

全ての原因があなたにあるわけでは無い

 ラテン系の人は、何かトラブルがあると、たとえば運転手の人が時間に遅れたりすると平気で車の調子が悪かったせいにしたりします。これって日本人の感覚からすると、ふざけてんのか?と思ったりします。
 またよくスピリチュアルの世界では、すべての原因は自分にある、ということが言われています。でも果たして本当にそうでしょうか?

 屁理屈のように聞こえるかも知れませんが、自分に全ての原因があるとすると、内と外とでは100:0でバランス悪くないでしょうか? また全て周りのせいという考え方も内と外では0:100でバランス悪いですね。

 ここはひとつバランス良く、内と外の原因は、50:50ということで、いかがでしょうか? 何かあったら半分は周りのせい、ということで。
 余談ですが誰かのせいで酷い目にあった場合、アイツのせいで!というより、アイツのおかげで!と言ったほうが言霊としては良いですよん。(笑)
 何かが起こったとき、自分の内側だけの問題では無い場合もあるのです。外因からも影響を受けています。もちろん、その外因を引き寄せているのは自分自身ですが。

 ここで少しシャーマン的な話をしますと、皆さんたとえば大きな湖を浄化しようというとき、どうするかご存知ですか?
 実は、いきなり湖全体に対して祈ったりはしません。もっとも体力的にもキツイですからね。どうするかというと、その湖の水をコップか容器に汲んで、その水を湖全体の一部と見なして祈祷するのです。そして祈祷後その水を湖に返します。すると、あら不思議、湖全体が浄化されるのです。

 宇宙はワンネス、共鳴する、全てが関係している、といった仕組みの応用です。数学的にはフラクタル理論で説明出来たりしますが、難しい話は、ここではやめておきましょう。

 これを自分に当てはめるとどうでしょうか? そう。自分を100%磨きたければ、自分のなかの1%を磨けば良いということになります。
 1%と言ったって、それどれぐらいですか?と言われても困りますが、たとえば皆さんの得意なこと、好きなことが100個あったとしましょう。そのうち1つをテーマとして集中すれば、皆さんの人生が大きく変わるってことです。
 もし皆さんの得意なこと、好きなことが20個しか見つからなかったとしたら、そのうち1個に集中すれば、なんと!、自分を5%も磨けることになります。(笑)

 ここで大切なことは、自分の欠点を改善しようなどと考えないことです。長所に注目してください。また自分の好きなことでもいいです。まず良いところ、得意な分野を伸ばしてみようと考えてテーマを決めてください。欠点からスタートすると、壁にぶち当たります。

 たとえば、英会話できるように英語の勉強をしようという場合でも、自分は英語が苦手だからそこを改善しよう、とするのではなく、海外に行って楽しく旅行したい、もっと外国の人と楽しくコミュニケーションしたいから、英語が話せるようになろう!というようなノリで、楽しくなることを動機にしてください。