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  それだけで、すごい幸せだった。このままずっと続けばいいと思った。

  あなたが私に言ってくれたように、あなたの奥さんになりたかった。

  「結婚しよう」って言われて本当に嬉しかった。

 

  そう思ってくれる人に会えたことが本当に幸せでした。

  でも、いい返事がしてあげられなくてごめんなさい。

 

  あの時は、もう病気で先が長くないことを知っていたの……。


  あなたの奥さんになって、朝も夜もあなたが食べたいご飯を作って、

  あなたのシャツにアイロンをかけて、仕事の話を聞いて、そうしてあげたかった。

 

  あなたの子供も見せてあげたかった。

  2人の子供ならきっとかわいいよね?

 

  私が大好きだった、あなたの大きい目に似た男の子がよかったな……。

  3人でいつまでも幸せに暮らせたらどんなにいいかと考えました。

 

  でもできなかった……。

 

  ごめんね。本当にごめんなさい。

  私あなたに何もあげられなかった……。

 

  あなたは私の夢をかなえてくれました。

 

  二人で写真を撮ったのを覚えていますか?

  あんな風に綺麗なドレスを着て、

  好きな人と結婚式の写真を撮るのが小さい頃からの夢だったの。

 

  だからあなたには感謝の気持ちでいっぱいです。

  二人が離れてから何度も何度もこの写真を見たんだよ。

 

  夜寝る前も、朝起きても、ご飯食べてる時も。

  天国にこの写真を持っていけたらいいのにね。 

 

  あの時なんで海で撮ったか分かりますか?

  あなたと四季の思いでが欲しかったの。

 

  春は二人で桜を見に行って、夏は二人で海に行って、

  秋は二人でおいしいものを食べて、冬は餃子をみんなで食べて……。

 

  だからもう大丈夫。

  本当はすごいすごい寂しいけど、あなたとの思いでがあるから寂しくないよ。

 

  最後にもう一度だけあなたに会いたかった。

  そしていつもみたいに優しく頬を撫でて欲しかった。

 

  あなたが幸せになってくれることを祈っています。」

 

 その手紙を読んだ時、全身の細胞が泣いていた。

 手紙の封筒にはあの時とった二人の記念写真が入っていた。

 

 体にある水分はもうなく、何も出るものがない程泣いた。

 人間はここまで涙が出るものだと初めて知った。

 

 「梅梅の為に生きる。

  梅梅が見ることができなかった世界を見て、

  梅梅が送れなかった幸せな生活をする。

  そして天国で待っている彼女にその話を聞かせてあげたい」

 


この本の内容は以上です。


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