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壁を壊すSNSと電子書籍

 先にも書きましたが、「古田さんはSNSがなければトルタルをやろうとは思わなかった」と言っていました。これはいったいどういうことなのでしょうか。聞いてみると答は、なるほど納得その通りでした。古田さんによるとSNSは色々な壁を取っ払うものなのだそうです。ツイッターで会話しているときに年齢を気にする人がいるでしょうか? 業界や職種を気にする人がいるでしょうか? 中にはプロフィールを公開している人もいますし一概には言えませんが、そもそも本名すら明かしていない人が多いツイッターでは年齢や業界、職種なんてものは関係なく呟くことが面白いかどうかだけでフォローします。そうやって面白いなと思った人のブログを読んだり、場合によっては著作を読んだりして、もし良ければ連絡を取り合って直接話を聞くこともできます。二人がお互いに気に入ればトルタルのメンバーに招待することだってできるのです。
 実際、古田さんが僕に興味を持って頂けたのもツイッターからブログを知って下さったからだそうですし、そのあと、2年もの間、特に親しい訳でもないのに繋がりが切れなかったのもツイッターでお互いをフォローしているからです。古田さんはこんなことを言っていました。「SNSや電子書籍は業界の壁を緩くするものだと思う。自分の様に本の世界(=出版業界)の人間が業界システムの外に出たいと思ってSNSを使って電子書籍をやることもあれば、wakkyhrさんのように本の世界の外から中に入ろうと思って活動することもSNSや電子書籍を作ることもできる。」僕もツイッターと電子書籍が無ければ古田さんとこうして会って話すことはなかったでしょう。業界や年齢などの壁を壊すということは、今まで会わなかったはずの人が会えるようになるということかもしれません。
 古田さんはトルタルのメンバーに入れるかどうかを決める際に、よく他の人の意見を参考に擦るそうです。曰く「だって、何が面白いか分からないじゃん。」つまり、自分が面白いと思うことを他人が面白いと思うかは分からないし、自分がどうでもよいと思っていることを他人が面白いと思うことだってある。でも、どこかしらで線を引かないといけないということです。そのため、自分の仲間が面白いと勧めてくれた人には出来るだけ会うようにしているそうです。雑誌の間口をどこまで広げるかというのは、作るのが簡単だからこそ電子雑誌では難しいことなのかもしれません。
 ここで問題になるのが、距離です。面白い人が東京にいるとは限りません。東北や九州、海外に住んでいるということもあり得るのです。フェイスブックはこの問題を解消します。つまり、トルタルのグループを作ってそこでやり取りすればメンバーがどこにいようが関係ないのです。メンバーの中には大分県在住の人やニューヨーク在住の人までいるのですが、フェイスブックはツイッターと違って流れていきませんから、時間を気にせずやり取りができます。どこにいようが関係なく原稿のやり取りができるのです。
 こうやってSNSの力を借りていろんな業界・職種・年齢・場所の人たちが集まって、電子雑誌トルタルは成り立っています。


まとめ「未来予測ではなく柔軟性を最大化して動く」

 そんなこんなで、インタビューは合計で1時間半。その後も飲みに行っちゃったりなんかしたりして楽しく有意義な夜を過ごしたのでありますが、全体を通して印象的だったのが「とにかく面白がっている」ということです。
 「ライターとして受注で10年間食べてきたけど何か自分で自由に作りたくなった。」「SNSがあればどこにいても誰とでも交流できる。」「執筆や編集の作業をもっとオープンにしてみたい。」「電子書籍にはもっと可能性がある。」
 どれも古田さんの言葉ですが、ライターとしての10年間のキャリアを踏まえた上でさらに新しいことをやろうとしているその表情はとても楽しそうで羨ましいものがありました。
 そんな古田さんにこれからどんなことをしていきたいのかを聞いてみました。
 すると、目を輝かしながらアイデアが山のように出てきました。電子書籍をあえてブラウン管などアナログな機械に表示させてみたり、なぜか対面じゃないと買えないようにしてみたり、編集をライブで公開してみたり、フリードメインの青空文庫を勝手に編集して公開したり。僕もいくつかアイデアを出してみましたが、どれをとっても「やってみたら良いじゃない」と古田さんは飄々と言ってのけます。確かにそうです。初期投資の少ない電子書籍ならやる気さえあればいつだって出来ることばかりなのです。
 そんな古田さんだからでしょうか。インタビューの最中に「今はもうあまり未来予測に興味が無くなっていて、柔軟性を最大にして動いていきたい」という言葉がありました。せっかく自分と仲間たちで好き勝手作れるようになったのです。しかも、まだまだやっていないことやってみたいことはたくさんある。未来予測なんてしている暇なんてないのです。
 最後に、電子雑誌トルタルのリンクを貼っておきます。無料ですので読んでみて下さい。僕も次号から参加する予定ですので、ぜひ!

2012年4月創刊号
2012年7月号



奥付



壁を壊すSNSと電子書籍


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著者 : wakkyhr
著者プロフィール:http://p.booklog.jp/users/wakkyhr/profile
ツイッター:wakkyhr


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