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試し読み用 冒頭分

<目指せ鹿児島>

 

【梅雨雲を 払い除けてや 夕陽出る  鹿児島湾の 根占の浜に】

 

【陽も沈み 暗闇迫る 根占浜     突如瑞光 放射状に照り】

 一度沈んだ夕陽に、一旦空は暗くなった。その後で突如、放射状の光が射し始めた。

  次第に光りは強くなった。

 初めて訪れた鹿児島湾で見る奇瑞であった。

 私の駐車する車の前方には、これも初めて見る「桜島」が有った。綺麗な三角形であった。曇り空の元、霞んでいたが見事な三角形であった。

 (実はこれは桜島ではなくて「開聞岳」と知った)

 私は勝手に、桜島と思い込んで感動したのである。

 

【片思い 開聞岳に 感動す 根占の浜の 駐車場にいて】

 

 見守っていると、曇り空から突如夕陽が現れて、すぐに沈んだ。厚い雲に覆われた空は見る間に暗くなって行った。  すると……意外な光りが現れ始めた。初めは幽かにほんのりと。

 次第にはっきりと光りを放ちだし輝きを増した。まるで訪ねて来た私を歓迎するかのように。

 私は仮り設定していた目標の鹿児島へ、本当に辿り着いたのであった。

、 ,

 

 京都を出たのは、6月…日で、前日に今の私が唯一、付き合っている一橋という友から連絡があった。危篤の父が持ち直したので、仕事に戻ってきたという。そして土産があるので来てくれないかという。

 折しも一橋から依頼されていた生原稿の文字興しも終わっていた。預かっていたノートパソコンは、いつでも戻して良い状態であった。

 それを彼に渡せば、鹿児島を目指して車の旅に出ようと考えて、準備を始めていた。

 一橋からの連絡で、計画を急遽繰り上げて出発することにしたのだ。

 予定では、もう一週間後であった。それまでに準備万端整えるつもりであったが、良い好機と決断した。

 

 

 

 06月06日 21時 ブログ投稿

【卒中で 回復苦しむ 人思う 粗食に不満 思うべからず】

 

【倒れれば 助ける人無し 一人者 医療も差別 恋人想う】

 

【家族居て 早期発見 羨まし 健康維持に 酒さえ止めて】

 

【夕づつの 一番星は 太陽に 半日お見合い 恋人今は】

 

【ケータイの 怪しき契約 旅ずれて 車中泊とは 今の放浪】

 

【今の世に 権力捜査 逃げ延びる 愚かなれども 応援したく】

 

【旅準備 残りの現金 酒仕入れ 此度は長期 フェリー使わず】

 

【革新の 医療技術に 驚きぬ 毒を逆手に 治療の成果】

 

【日陰者 ポツリリヌス菌 猛毒で 卒中患者の 希望の光】

 

【人々の 生きるよすがと 神仏を 我は猛毒 光りを知るや】

 

 

 なぜ鹿児島か?

 動機は幼稚である。

 毎日放送の深夜番組に「西日本横断ブログ旅」というのがあって、その目標が鹿児島であった。   (以下、本ページ へ つづく)

 

<<作者より。もし買って頂けると、あなたは僕の掛け替えのないお友達です。この後の加筆や変更など、すべて御覧になれますし、メールの交換だって出来ます(ご希望の場合ですけれど)お待ちしています……そして可能なら、電子書籍作成の情報など、教えて頂きたいのです>>

 

情報:

アンドロイドのタブレットで、通常のweb画面で見ると、画像が変形しています。

「パブーのアンドロイドアプリができました」 でインストールすると、画像は正規の設定サイズになるようです。 ただし、今度は文字配列がスマートホンサイズに変わります。

 

また、他の情報が分かったときは、こちらに追加します。

 


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(10) 百済の里の幻想物語 (2)

 下品な笑い声が船中に木霊した。一人の男がそれに怒った。 「一衣帯水、狭い舟の中で勝手な事をしては舟は沈没する。言うだけでも聞くだけでも汚らわしい。我々は王をお守りする任務に就く誇り高い兵士であることを忘れてはならない」

 

  つづき

… … … … ☆ … … … …

 
 男装した女にとって、厄介なのはトイレであった。他の兵士のように船縁から放尿することが出来ない。

 「腹を下した」 と言っては、大便をするのであったが、それが毎回というのでは……

  「お前の船酔いは腹に来て下痢になるのやな」

 そうだと相槌を打っていたが、例の兵士の一部から不審がられた。

  「どうも匂うな。これは?」

  女は考えた。自分の秘密を打ち明けて、自分を他の者達から守ってもらおうと。

  目星を付けたのは、例の若武者であった。

 「あなたは気位も高くて覇気がある。それでいて弱者を守る優しさを持っている。私はあなたに打ち明ける。私の秘密を聞いても驚かないでほしい。そして他の人達へ、この私の秘密を話すことがないように、それを誓って欲しい」
 頷く男に賭けることにした。男の腕を自分の胸に押し当てた。

  「? まさか」

  男は驚いた。当然であろう。女は王の舟に集められていて、その他の舟には男ばかりである。

 そもそも兵士は女色厳禁となっている。少年時代から兵士で育った者は、女を知らないまま生涯を終わる者も多い。女を知って女を欲するようになれば、戦いの精力がそがれるから、女性禁止となっている。

 「女は穢れている。女は劣っている」

 と、ひたすらに教え込まれていた。

  持て余す精力は戦いに向けさせる。そういう日々に明け暮れていた青年兵士は、女の胸を触って天地が、天海がひっくり返ったような幻覚を覚えた。

  「私は女です。落城の日に女官達は投身しましたが、私は死ぬよりも生きて王をお守りしたくて、男装して付いて参りました」

  「それならそれで王の舟に乗ればよいものを」

  「いえ、一度偽れば、それを明かすことは死を意味します。鞭打たれるか、兵士の中に捨てられるか……、隠し続けるより他にはないのです」

 「女という者を、俺はどうすればよいのか……」

  「まだ知らないのですね」

  「しらない。知っているのは母の胸だけだ」

  女は男の口を押さえた。次第に声が大きくなりだしたのである。

  他の兵士達は船酔いに耐えている者や、船酔いが治まって眠りに就いた者などまちまちで、二人のひそひそ話は聞かれてはいなかった。
  「明け方には倭国に着くでしょう。島に着けば一緒に山奥へ逃れて下さい」

  「いや、それは出来ない」

  男は律儀であった。女はそれでは仕方がない、というわけにはいかなかった。

  どうしてもこの男を自分の虜にして、一緒に脱走しなければならない。

  男に体を預けるのであったが、女体を知らないのでは、処置無し。

 しかし男は女の胸から手を離そうとはしなかった。


つづく
「お母さんの胸とどちらがいい?」

 


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(15)  鬼の洗濯板 ~  鹿児島へ

、、


 職員と話をしている頃は、まだ雨は降っていなかったが、そのあと、食事などを済ませた頃には、かなりの雨に見舞われた。
 

【傘さして 南国の駅 見て歩く

           トイレの紫陽花 カメラに納め】

 

【道の駅 フェニックスの店 神話本

          日本の愛着 今一つ無く】

 

【君が代を 我も歌えず はぐれ旅

         優しき神話 買う能わずに】

 

【海原に 鬼と語らう 道の駅

        宇宙の雨に 日の本想う】

 

【戦いを 知らず日の本 原住民

        大陸流れに 侵略されて】

 

【国造り おかしや古代の 侵略者

        クマソ落とせず 山途(ヤマト)を狙う】

 

【侵略と 騙しで日の本 支配する

      ヤマトタケルもナカノオオエも】

 

【正面を 避けて裏より 奇襲する

      去る田の手引き 山途(ヤマト)陥落】

 

【都合よく 神話を造り 正当化

       嘘と騙しは 今も脈打つ】

 

【騙されて 恨み骨髄 土着民

      鬼にならずば 納まりもせず】

 

【牙を剥く 荒波立てば 命さえ

      洗い流すや 鬼の洗濯】

 

   そして昨日の回想
【一日の 陽照りに臭う 我が体 鬼の洗濯 岩板しぶき】

 

【砂浜に 貝殻拾う 人ありし 宝貝とぞ 我もあやかり】

 

【宝貝 男が持てば 縁ありて 女が持てば 子に恵まれる】

 

【七個ほど 我も見つけし 宝貝 女性見るたび 語リかけれど】
 

 この後はね日本のロケットの古里、内之浦へ向かったよ。

【人の世に 結ぶ縁なく 内之浦

         宇宙へ旅出 ロケットに夢を】

  内之浦ロケット発車場へ、見学締め切りの30分前に辿り着いた。

  料金なし。ただし、記帳を要求された。

  住所、氏名……  月国県、光りの京市、西山区 山頂台町 三丁目 久米仙人

  「真面目に書いてくれなければ、テロリストとみなして入場お断りしますよ」
  現在のロケットの打ち上げは種子島で、ここの内之浦は、過去の遺産と思っていたけれど、まだ、打ち上げをしているのだって……

  気象観測用ロケットは、いまも、ここ内之浦で打ち上げているらしい。
 急ぎ足で、一通り見て回った。

  種子島の打ち上げ場に行きたいと思った。

  「あそこは見学出来ません」

  施設の中は、誰もいなかった。

  大隅半島を横切れば、鹿児島湾は近い。
 

【かにかくに 鹿児島湾へ ひた走り

          三角山を 桜島と見る】

【地図見れば 開聞岳と 現れる

             思い違いの 鹿児島の海】

【風強く 波静かなり 鹿児島湾

            夕陽沈みて 放射光出る】

【スーパーに 寄れば「げたんぱ」 地元菓子

          鶏叩きも お初で食す】

 

【あずま屋で ほろ酔い似せの 桜島

         本物らしさは 警官のみで】

【風に乗り 来たれよ月姫 大隅の

        根占めの浜に 我は一人で】

 

 、

 パトカーが、わざわざやって来た、一度通り過ぎて、Uターンして、そして誰何する。
 腹が立った。
「なにか、悪い事をしましたか? 指名手配に成っているのですか?」
「そうじゃないのですが、ここで何をされているのかと……」
「見たら分かるでしょう。ここで食事をして一杯飲んでいるのです」
「あそこに有るのはご主人の物ですか?」
 ? ネット接続用のタブレットを少し離れた所に置いていた。それを、他の人の忘れ物かと、否かと、確認しているのだった。
「私の物です」  頷いてパトカーへ戻ろうとする。
「すみませんね。貴方に恨みはないのですけれど、警官という者には反感があるのですよ」
 と一言、言うてやった。
 若い警官は、お気持ち、よく分かりますという頷き方だった。
「警察には散々虐められましたからね。それで仕事を続ける意欲が削がれて、こうして放浪しているのです」
 最後まで、聞いてはいなかったであろう。
 他に、話す人間はいなかった。
 

つづく


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