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訳者あとがき

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訳者あとがき

日本で大学を卒業して以来20余年、アメリカを初め数カ国の企業、政府などで働いてきた。確か欧米人はリーダーシップを常に意識している。 競争のある場所、つまり会社の中などではもちろんだが、ボランティアで公園の掃除に行っても、空港で列を待っていても意識しているらしく、”リーダーシップを…”ということはいつでも聞かれる。 必ず誰かリーダーが “正しい”方向を示して、みんなで協力してついてゆくことで効率よくやっていこう、と言う感じに日本人の私には聞こえる。 どちらにしてもみんなが同じ常識と考えを共有しているとか、自分ひとりで何かをやるのでない限り絶対に必要なことだ。 


欧米人の中で比較しても、アメリカ人はそのリーダーシップに特に秀でていると言うのが20年以上見てきた素直な感想だ。 どんな場所でも、どんなレベルでもリーダーがいて、層が厚いというのはひとつの理由だと思う。 だが行動規範や“テクニック”なるものも常に彼らは考えている。 それをどうしても日本の友人やこれからの若い人たちとシェアしするいい方法はないかと考えていた矢先、もと上司のマイクにこの本の翻訳を頼まれた。 

 

それぞれ国によってスタイルは違うが世界のリーダーを生み出している国のマネージャーたちは凄い。 頭がいいということはもちろんだが言葉で表現しがたい人間としての強さを持っている人たちが多い。何百億円も給料をもらっている金融界の一部のスーパーエリートマネージャーの話ではない。私の働いている普通の製造業でもそうなのだ。 

 

日本で国際競争が言われるようになって久しいが、社内の人間関係までがそれにさらされる時代はこれからだ。国境を越えて成長を目指す企業は社内公用語を英語にするなど大変な努力を始めたばかりだ。日本を外から見てきた時間のほうが長かった私の偏見であるかもしれないが、政治の世界に目を転じると日本の状況は恥ずかしいと同時にかなり危険な域に入りきっているように見える。国のリーダーである総理大臣が毎年変わる国が他にあるのだろうか? 現在の日本の企業でカリスマ経営者と言うことはよく聞くが、経営者がリーダーとしても有名な人は(カルロス・ゴーン氏を除いて)いるだろうか? 

 

世界中の人たちが集まり、ビジネスのみならずいろいろな世界でリーダーシップということに対する情熱を強く持つアメリカに学ぶものはたくさんある。企業でのリーダーになるためにはもちろんそれに見合った知識が必要であるが、地域のボランティア活動や趣味のサークルなどでもリーダーの人間としての本質は変わらないはずだ。レギュラーガイマイクの経験と考察を通じてアメリカのリーダー文化を理解することは、日本の社会・教育で育った我々が国際的な場でリーダーになることの一助となるはずだ。 

 

鈴木章司

ツイッター: @suzukini1967


最終更新日 : 2012-08-30 03:52:21

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