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巻頭言
巻頭言 尖閣諸島に上陸して見たもの 水島総
【写真特集】尖閣上陸報告写真集
【写真特集】尖閣上陸報告写真集 01
【写真特集】尖閣上陸報告写真集 02
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【写真特集】尖閣上陸報告写真集 012
【写真特集】尖閣上陸報告写真集 013
【写真特集】尖閣上陸報告写真集 014
【写真特集】尖閣上陸報告写真集 015
【写真特集】尖閣上陸報告写真集 016
【写真特集】尖閣上陸報告写真集 017
尖閣上陸者インタビュー
【GENSHI Interview】尖閣の“惨状”を知り、さらなる国民運動を 水島総
【GENSHI Interview】日の丸に託した「1人じゃない」という思い 伊藤祐靖
【GENSHI Interview】尖閣で感じた“女の闘魂” 浅野久美
尖閣上陸議員ビデオレター
尖閣上陸は日本人の「義」の復興である 鈴木章浩
尖閣で示した「戦う覚悟」 小坂英二
尖閣上陸で変えたい日本政府の弱腰 小嶋吉浩
尖閣上陸「ありがたい、よくやってくれた」の声 和田有一朗
尖閣問題対談
尖閣問題から日本国民の“目覚め”を 水島総×栗原弘行
コラム:「戦後保守」を超えて
【書き下ろしコラム】戦後保守を超えて
戦後日本を保守してきた「保守派」たち 東谷暁 01
戦後日本を保守してきた「保守派」たち 東谷暁 02
「吉田体制」に潜む3つの欠陥 伊藤貫 01
「吉田体制」に潜む3つの欠陥 伊藤貫 02
あんた、保守の何なのさ? 佐藤健志 01
あんた、保守の何なのさ? 佐藤健志 02
入水前に言い聞かせたこと――頂きの国旗に託した真の思い 伊藤祐靖 01
入水前に言い聞かせたこと――頂きの国旗に託した真の思い 伊藤祐靖 02
イデオロギーからソリューションへの転換を 三橋貴明 01
イデオロギーからソリューションへの転換を 三橋貴明 02
保守点検を怠るな! 中野剛志 01
保守点検を怠るな! 中野剛志 02
日韓連帯の崩壊 李明博が盧武鉉を超えた日 三浦小太郎 01
日韓連帯の崩壊 李明博が盧武鉉を超えた日 三浦小太郎 02
日本には血と屍が足りない 倉山満 01
日本には血と屍が足りない 倉山満 02
日本復活の道は「従米から神道」である 山村明義 01
日本復活の道は「従米から神道」である 山村明義 02
政権交代の正と負 渡邉哲也 01
政権交代の正と負 渡邉哲也 02
戦後保守からの超克とは韓国との離別である 古谷経衡 01
戦後保守からの超克とは韓国との離別である 古谷経衡 02
保守派が道州制を応援する愚かしさ 柴山桂太 01
保守派が道州制を応援する愚かしさ 柴山桂太 02
南アフリカのスラムで考えた日本“覚醒”への道 大高未貴 01
南アフリカのスラムで考えた日本“覚醒”への道 大高未貴 02
保守は「正しいイデオロギー」を信じない 上念司 01
保守は「正しいイデオロギー」を信じない 上念司 02
「死刑になるくらいで、やめるのか」  葛城奈海 01
「死刑になるくらいで、やめるのか」 葛城奈海 02
敗戦「継続」国日本、覚醒せよ 坂東忠信 01
敗戦「継続」国日本、覚醒せよ 坂東忠信 02
使い終わったはしごは捨てろ 藤井聡 01
使い終わったはしごは捨てろ 藤井聡 02
追従とソロバンの「戦後保守」をただせ クライン孝子 01
追従とソロバンの「戦後保守」をただせ クライン孝子 02
保守の道義は「活力・公正・節度・常識」 西部邁 01
保守の道義は「活力・公正・節度・常識」 西部邁 02
「保守」とは何か――占領利得を墨守する「戦後保守」 小堀桂一郎 01
「保守」とは何か――占領利得を墨守する「戦後保守」 小堀桂一郎 02
ニヒリズムに堕ちた「戦後保守」 井尻千男 01
ニヒリズムに堕ちた「戦後保守」 井尻千男 02
取返しのつかない自民党の罪過 西尾幹二 01
取返しのつかない自民党の罪過 西尾幹二 02
8月15日の座頭市 水島総 01
8月15日の座頭市 水島総 02
討論:謀略天国日本
謀略天国日本――日本は情報戦をどう戦うか? 0/3
謀略天国日本――日本は情報戦をどう戦うか? 1/3
謀略天国日本――日本は情報戦をどう戦うか? 2/3
謀略天国日本――日本は情報戦をどう戦うか? 3/3
【写真特集】李明博竹島不法上陸抗議行動
【写真特集】李明博竹島不法上陸抗議行動 01
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【写真特集】李明博竹島不法上陸抗議行動 06
【写真特集】李明博竹島不法上陸抗議行動 07
国会議員ビデオレター
尖閣諸島視察報告、領土防衛への公約 新藤義孝
尖閣の海、失ってはならない開拓の魂 山谷えり子
民主党の不義、首相問責決議案提出後の展望 西田昌司
尖閣諸島、蜃気楼のような実効支配 長尾たかし
尖閣不法侵入、露呈した民主党の売国体質 宇都隆史
【写真】あの暑い夏の日…
【写真特集】あの暑い夏の日 靖国行進とフジデモ1周年 01
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【写真特集】あの暑い夏の日 靖国行進とフジデモ1周年 03
【写真特集】あの暑い夏の日 靖国行進とフジデモ1周年 04
「チャンネル桜」キャスターコラム
政治家の覚悟と領土問題 井尻千男
五輪メダリストを輩出した自衛隊体育学校 大高未貴
日本人が戦ったのは大東亜戦争である! 三輪和雄
浜岡原発、怖がる前に現場を知ろう 佐波優子
67年目の「真夏」 西村幸祐
受信契約NHK裁判と「善人劣性」という国民病 小山和伸
日本人として忘れてはいけない日 高清水有子
坂本多加雄で日本を見る 富岡幸一郎
中国牽制、アメリカの対アフリカ外交 鈴木邦子
セイの法則、自発的失業者という存在 三橋貴明
日銀コミンテルンの岡っ引きたち 上念司
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巻頭言 尖閣諸島に上陸して見たもの 水島総


上陸まで

 8月19日、午前3時10分、私の乗船した漁船「第一桜丸」は、尖閣諸島魚釣島の灯台の見える場所に到着した。石垣島の新川漁港を出港して約6時間、美しい星空の航海だった。天の川を中心に北斗七星、シリウス星など、有名な星たちが、私たちの10回目の尖閣遠征を見守り、一晩中、満天の星が見えた夜は、これが初めてだった。この日の東シナ海は、稀に見る穏やかな「ベタ凪」の海で、漁師たちも口々にこんなことは珍しいと話していた。
 6時33分、水平線から朝日が顔をのぞかせ、静かに尖閣の海を赤光で照らし出した。荘厳な日の出を眺めながら、私は今年の8月15日のことを思い出していた。暑い日差しの中の無数の参拝者たち、絶え間なく続く蝉時雨、昇殿参拝の玉串奉奠、昨年、先にこの世を旅立っていった先輩、知人たち、そして、何よりも二百数十万柱の英霊たち…。ふと、この尖閣の海で米軍の攻撃で船を撃沈され、亡くなられた石垣の人々も祀られているだろうかと思った。
 今回の尖閣諸島集団訪問は、石垣、宮古、与那国島の漁師たちと漁船21隻に、総計150人が乗船して実行されたもので、主催は超党派国会議員の「日本の領土を守るため行動する議員連盟」(領土議連、山谷えり子会長)と地方議連、そして、私たち国民運動組織「頑張れ日本!全国行動委員会」の3者で、尖閣諸島で戦没死された約100人あまりの人々の慰霊祭と集団漁業活動を目的に行われた。ちょうど私たちの出航前の8月15日、香港の「保釣行動委員会」と称する反日活動家が、海上保安庁の警備を突破して、尖閣諸島魚釣島に上陸し、逮捕されていた。そして、「強制送還」の名で、17日には無条件で釈放されていた。
 「それだけでは終わらない、終わってはならない」と、私は感じていた。私を超えた何かが、そう私に伝えていた。夜明け前に魚釣島近くに到着した時、黒々と闇夜に浮かび上がった魚釣島の島影は、無言で何かを伝えていた。朝日が昇り、朝の光に照らし出された魚釣島も、また静かな海も、私に何かを伝えようとしていた。
 「それだけでは終わらない、終わってはならない」
 何もかも準備されている…。かくなるように、かくすべく準備されている…。海も空も、そして、魚釣島も、それを沈黙の言葉で伝えている…。
 私は自分の「役目」を感じた。
 日本書紀の中に、「草木みなもの言えり」という言葉がある。そんなものは、迷信で、非科学的な世迷いごとだという人間はそれでいい。私の感受したものを精神異常と笑う唯物論者もそれでいい。私は少しの軽蔑と哀れみで、彼らを「片付ける」だけだ。

皇后陛下の御歌
海陸(うみくが)の いづえを知らず 姿なき あまたの御霊 国守るらむ
(平成8年8月15日)


 この御歌を「現実」として感受できない人に、私は語る言葉を持たない。少なくとも「心情の現実性」という程度も、理解できない人々が、戦後日本社会には随分増えてしまった。彼らにとって、言葉は伝達記号の一種にしか過ぎず、「言霊(ことだま)」という概念すら、精神病理の世界としてしか考えられなくなっている。そういう彼らには、言葉を超えた行動でしか、伝えることはできないのだと、近ごろは思い始めた。
 島と海と自然が伝えてきたメッセージを私は「任務」として、実行した。
 朝7時半、神道の儀式で行われた国会議員らによる慰霊祭が終了した後、私は尖閣諸島魚釣島に泳いで上陸した。船上の人々に、「今から、上陸します」と伝え、甲板にあったもやい用のロープを身体に着け、「俺がおぼれたら、ロープで引っ張りあげてくれ」と述べ、「じゃあ、よろしく」と、そのまま海に飛び込んだ。
 ライフジャケットも着けていなかったが、危険だとは感じなかった。途中、ロープの重さを感じながらも、何とか約25メートルの海を泳ぎ切り、魚釣島の海岸の岩にたどり着いた。しかし海岸の岩場は、波が打ち寄せ海流が渦巻き、私の身体を一回転させたり海に引き込んだりで、なかなか岩の上に身体を持ち上げられなかった。岩場自体もサンゴ礁でできていて、表面が鋭いギザギザ状態だった。岩を掴もうとして、何ヶ所か私は手のひらや腕を切った。しかし、一瞬、寄せてきた波が私を持ち上げ、岩肌にはいつくばるような格好で、何とか岩場の上に到達した。上陸できたのだ。かくすべき、かくなるように「準備されていたこと」を日本国民たる私が実現したのだった。
 私は岩場に座り込み、船の方に手を振り、ロープを伝ってくるように合図した。チャンネル桜のカメラマン北村、女性キャスターの浅野が海に飛び込み、こちらに向かって来た。続いて、小坂東京都荒川区議が続き、結局、私を含め、総計10人(地方議員5人)が魚釣島に上陸した。

上陸して見たもの

 上陸をした私たちは、灯台の鉄塔や岩壁など、数ヶ所に国旗日の丸を掲げた。それが終わると全員で尖閣慰霊碑の前に立ち、領土議連の国会議員や地方議員の果たせなかった慰霊碑前での慰霊祭をささやかに行った。船上慰霊祭が神道に則った儀式だったので、私は般若心経と消災呪を読経し、略回向を行った。線香代わりの煙草しか供えられなかったが、それでも、直接、慰霊碑の前に来て、合掌し、低頭し、感謝と鎮魂を祈ることができたのだった。もう数十年間、遺族の皆さんも含め、誰もこの島を訪れ、慰霊をしなかった。国(政府)が許可をしなかったからである。しかし、本当に不可能なことだったのか。この島と周辺海域で亡くなられた人々の魂は、誰も訪れなくなった状況を、一体、どう思われているだろうか。政府は「尖閣諸島を平穏かつ安定的に維持・管理するため」という言い訳で、誰も上陸させてこなかった。自分たちも何もせず放置したままだった。この冷酷な仕打ちに、一体、心痛めることはないのか。灯台下に建てられた白い慰霊碑は、大きなひびが数ヶ所にわたって見受けられ、このままでは近い将来、崩壊する可能性があると思われた。
 読経を終え、一同で深々と頭を下げたとき、海からの風が吹き渡った。私たちは、あらためて眼前に広がる尖閣の青く美しい海を眺めた。吹き渡った風は、この島や海から発せられた沈黙の声だと、了解できた。
 今回の上陸の意義は、政治的には、中国政府が香港活動家を使って行った尖閣諸島上陸に対して、日本政府が腰抜けでも、日本国民は絶対に侵略を許さないという断固たる決意表明であった。同時に、何十年も行われなかった尖閣諸島戦没者の現地での慰霊であった。しかし、もうひとつ忘れてはならない重要な点がある。私たちチャンネル桜が、何十年ぶりに尖閣諸島魚釣島の現状調査と撮影を行ったことだ。マスメディアのほとんどは、私たちの上陸行為だけを取り上げ、あれこれ騒ぐだけだった。しかし、本質的な問題点は、「尖閣諸島を平穏かつ安定的に維持・管理」していたはずの政府が、まったく無為無策、何もしないどころか、魚釣島の自然破壊と環境破壊に加担していた「犯罪」が暴露されたことである。
 何もしないことは、現状維持を意味しない。無為無策は「平穏かつ安定的な維持・管理」をしていたことにはならない。その証拠が、魚釣島の自然破壊の惨状である。
 魚釣島の自然は、すでに瀕死の状態と言っても過言ではない。
 まず、支那大陸から吹き寄せられた漂着ゴミである。沖から見ると、魚釣島の海岸線を一周する形で白いラインとなって見えた漂着ゴミは、年々、その太さを増していた。しかし、今回上陸して驚いたのは、魚釣島の漂着ゴミの膨大な量である。石垣跡のある旧住宅地まで吹き寄せられた漂着ゴミは、多種多様で、流木やプラスティック製品、ペットボトルなど、得体の知れない漂着ゴミが、足の踏み場もないほど堆積している。ペットボトルは上海製などほとんど中国製品である。尖閣で潜水漁をしてきたベテランの海人(うみんちゅ=漁師)によれば、台風が行き過ぎた翌日の尖閣の海は、海中がビニールやプラスティックなどのゴミの散乱で、視界がなくなることもあるそうだ。
 政府による島の維持管理の無為無策は、周辺の海も汚染させ続けている。崩れた石垣の住居跡や水場跡、漂着ゴミの堆積場所など、あちこちで大量のヤギの糞が見つかった。新しい糞も古い糞もある。この大量の山羊の糞は、雨や波に溶けて海中に流れ込む。アンモニアやメタンの成分は、尖閣の海の環境破壊を日々起こし続けている。
 ヤギ被害は海洋汚染だけではない。1,000頭以上に増えたとも言われているヤギは、魚釣島の緑の植物を食い尽くそうとしている。すでに私は10回尖閣を訪れているが、来るたびに魚釣島の緑が減っているのを感じている。間違いなく、ヤギたちが島の草木を食べ、島全体の自然破壊を続けている。私たちと同じく魚釣島に上陸した元海上自衛隊特別警備隊先任小隊長だった伊藤祐靖さんは、魚釣島の350メートルといわれる山に登り、島の南部の絶壁に日の丸を掲げた男だが、彼が山に登ったとき、木々の間の下草はほとんどなかったそうである。そして数回、ヤギに出会ったとも話していた。つまり、山の下草はほとんどヤギに食い尽くされたらしい。
 さらに、魚釣島の緑のほとんどはクバの木だが、私たちの目に入るクバの木々の下部分が、枯れたように茶色に変色していた。ヤギの餌になり始めているらしい。さらに、終戦直後まではしっかり残っていた石垣や住居跡の崩壊もすさまじく、ほとんど痕跡を止めぬほどに痛々しい状態である。無論、台風や厳しい風雨が破壊したともいえるだろうが、これもまた、ヤギが石垣周辺や間の草を食べ尽くし、石垣の崩壊を早めたという説もある。
 何もしないことは、現状維持を意味しない。環境破壊の進行の現実を直視せず、無為無策でいることは、事態の悪化に自ら手を貸している犯罪行為と言っても過言ではない。日本国民に対する上陸拒否という政府の姿勢も、まったく同様のものだ。中国はこの10年間で大いに変貌し、覇権主義国家となり、対日姿勢も変化した。その厳しい現実と危機の進行を直視せず、「駝鳥の平和」を続けているのが、現在の野田民主党政府である。無為無策を続けることは、中国の侵略行動のエスカレートをうながし、安定的平穏な状況を自ら破壊しているのである。
 しかし、翻って考えてみれば、この尖閣諸島魚釣島を無為無策のまま放置し、自然環境を破壊し、何ら防衛的処置や実効支配行為を行わず、中国の尖閣侵略の野望を助長し、手助けして来たのが、民主党政権の姿勢だったが、だとしたら、この姿勢は、自分の国の国防安全保障を「平穏かつ安定的に維持・管理するため」に米国任せにして、自前の国防軍創設や日本国憲法廃棄を先送りしてきた戦後日本社会そのものの姿だったのではないか。今回、政府が上陸禁止にしている魚釣島に、私たちが上陸したことを批判する向きもあるようだが、平和で何事もない平時ならともかく、立ち入り禁止の場所で、強盗強姦といった重大犯罪が行われ、腰抜けの借家人が、知らぬふりを決め込んでいたとしたら、私たちはその重大犯罪を阻止すべく、立ち入り禁止場所だろうとどこだろうと、正々堂々、入り込むのである。
 惨憺たる魚釣島の自然破壊、環境破壊行為の「犯罪現場」に立ちながら、無為無策の民主党政府に、非常な怒りを覚えながら、気づいたことがある。この魚釣島の、漂着ゴミの散乱した状況は、まさに戦後日本の行き着いた混乱の様子なのだと気づいたのだ。映画『猿の惑星』の主人公が、ラストシーンで、破壊された自由の女神像を見つけたように、尖閣諸島魚釣島の海岸で、私は敗戦より67年たった戦後日本社会のすさまじい惨状を発見したのだった。

「乏しき時代とは、乏しいという欠乏さえ、分からなくなるという暗黒へと追いやってしまう不能、それこそがまさに時代の乏しさなのである」
マルティン・ハイデガー『乏しき時代の詩人』より


 戦後日本が断末魔の悲鳴を上げ、のた打ち回っている。前進も後退もできず、ただ「戦後日本」という場所で虚しい自己回転を続けている。これはかなり深刻な問題だが、より深刻なのは、悲鳴を上げてのた打つ自分の姿に、当の「戦後日本」が気づいていないことだ。野田民主党政権と戦後保守と呼ばれる一部の人々である。
 尖閣諸島魚釣島の膨大な漂着ゴミの堆積は、その象徴である。漂着ゴミの醜い堆積と放置は、自らの戦後日本的在り方そのものだと、気付かないのである。
 わが国は建国以来、2600年の歴史の中で、もっとも「乏しき時代」にある。だからこそ、日本国民の手によって尖閣諸島の自然と領土を守ることは、戦後日本社会を自ら脱する道を切り拓くことになる、そう確信して魚釣島を後にしたのだった。
「かくなるように、かくすべく」準備をする時が来たのだ。


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【写真特集】尖閣上陸報告写真集 01


動画へのリンク@ http://youtu.be/zdzTIBCgF48
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