閉じる


<<最初から読む

10 / 18ページ

ピンク色の雲

君ががんばってるから 僕もがんばる

それって当然のことでしょう

 

次はこんなもんじゃないんだよ

もう十分疲れてるのに

何もかもが嫌になって 途中で逃げ出しそうになる

こんな暮らしがいつまで続くんだろう?

もうやっていけない

目の前が暗くなるけど

 

疲れきって家に帰った

「おかえり」の一しずくが心に落ちた

「ありがとう」の一さじが癒してくれた

 

 

このゲームの中で 僕らは一人じゃないんだ

みんな戦ってる

傷ついた分だけ みんなでレベルアップできるから

 

君が疲れたら いつでも知らせてよ

 「おかえり」の一しずくと とっておきの笑い話をあげよう

 

 

 

日本ががんばってる

この街のみんなも それぞれにがんばってる

僕らは一人じゃないんだ

 

君ががんばってるから 僕もがんばる

それって当然のことでしょう

いつかまた会える日まで

 

青空に ピンク色の雲一筋

「明日もがんばろう」って気がしたよ

 


Where I Belong

思い出の店が次々と潰れて 新しい店に変わってく

季節は駆け足で 

昨日見た花が もうそこにはない

夢で見たみたいに

 

私の帰るべき場所は どこにあるんだろう

家さえ変わっていくのなら

 

 

 

毎年大人になる 

服はいつか破れて 新しく買う

頭の中身まで悲しいほど 去年とは違う

 

私の本当の姿は どこにあるんだろう

忘れていて いつか突然思い出すものなんだろうか

それとも歩いて 自力で辿り着くものなの

 

 

 

新しくできたコンビニが いつまでも続く事を願った

今度こそ そこの帰るべき場所であるように

 

昨日出会ったあなたが いつまでも隣にいる事を願った

移り変わってゆくこの地球で 虚しさを受け止めて

今度こそ 帰るべき場所であるように

 


春は来る

クリスマス前に ポインセチアの花が欲しかった

行ってみたら全部売り切れで

残ってたのは 赤いシクラメンの花

 

これでもいいや 買って帰って

何か違う気がして そのうち忘れてしまった

 

赤いシクラメン

咲いてるのに誰も見向きもしない

存在すら忘れてる

クリスマスを どんな思いで過ごしたの

 

春のある日気付いた

忘れていた赤いシクラメン

冬よりも鮮やかに咲いて 

静かに訴えるようにそこにあった

シクラメンの花を 初めてきれいだと思った

 

 

  

どんなに忘れられた未来にも

いつか日は昇り 春が来る

どうしようもない事で 何ヶ月無駄に過ごしても

いつか春は来る 春は来る

 

咲くための努力を忘れないで

イメージを枯らさないで

今は闇の中でも


戻っておいで

戻っておいで

海の向こうから

僕はここにいるよ

 

淋しくないかい

今どうしてるかな

海に語りかける

慣れ親しんだ友のように

 

海は光輝いて

鳥は歌い始める

ある暑く晴れた夏の朝

 

 

瓦礫の間を声をはりあげて走った

あの日が嘘のよう

隣に君がいないなんて嘘のよう

本当に 嘘のよう

 

 

 

 

街にはまだ爪痕が残る

けど人々の目には希望がある

やっぱり戻っておいで

君が必要なんだ

 

海に呼びかける

ピンクの花畑が風に揺れる

君の海辺の家の跡

子供達が花をつむ

 

 

傷ついた背中をかきわけて 君を探した

あの日が嘘のよう

この海の向こうへ行ってみたいって言った君が嘘みたい

ねえ 嘘のよう

 

 

やっぱり 戻っておいで

僕ら君の顔が見たいんだよ

天国からの眺めがどんなに綺麗でも

 

形見だけでも 戻っておいで

 


さよなら、大好きな町

今日で僕らは 離ればなれになるんだ

明日から日本のどこかで また新しい生活が始まる

 

さよなら 原発の町

もし誰かが僕らを見ていてくれるなら

生まれたこの町で もう一度笑える日が来るだろう

 

 

 

原爆で消えていったひとたちは

今の僕らを見て 何を思うんだろうか

今日で僕らは終わりじゃないよ

またいつか会えるよね その日まで別れるだけ

 

ここは何があっても

僕らの大好きな町だから

またここへ戻ってこれるよ きっと

 

だから負けないで

僕は負けないから

こんな事故があったこと こんな別れがあったこと

永久に忘れない

 

さよなら 大好きな町

さよなら 僕らの思い出

 



読者登録

あめのこやみ(おけちよ)さんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について