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5ふわ

すると、

パンッ

そーっとさわったはずのキレイな夢は
短い音を立てて、一瞬のうちに割れてしまいました。

シャボン玉が割れた後のように、
キラキラ、ハラハラと下までカケラが落ちていきます。

目から涙があふれてきました。

どうして割れてしまったの。
あんなに大切にふれたのに。
こんなに頑張って上までのぼったのに。

涙はキレイな夢のカケラたちを追って
下まで落ちて行きました。

空は青から赤に変わって、
夜になり、また朝になりました。

キレイな夢は消えたままでした。

6ふわ

「もう、しかたがない。」

キレイな夢はあきらめて、
いままで積み上げてきた風船を
下に降りていくことにしました。

風船はひとつずつ割っていくことにしました。

パンッ、

パンッ、

と朝の空に風船の割れる音が
どこまでも響いていきます。

中に入っていた透明な水のような夢は散ってヒューンと
四方八方に飛んでいきました。

パンッ、パンッと風船の割れる音は
しばらく続き、夢入り風船の塔が
また雲の高さまできたとき、
ピタッと音が止みました。




7ふわ

目からはまた涙があふれていました。

下を見ると、キレイな夢がそこにありました。

四方八方に飛び散った透明な水のような夢たちが
地面の上で空色を映し出し、
赤、青、黄色の割れた風船たちが
その上に万華鏡のように
さまざまな色の模様をつくりだしていました。

さらに、ステキなことに、
キレイな夢はどんどん広がっていました。

夢入り風船の塔ができるのを見ていた人たちが真似をして
風船を積み上げたり、割ったりしていたのです。

風船を最後まで割って、土の上に降りると
ごろんと手を広げて寝転がりました。

「やっとつかまえた。」
満足して、ゆっくり眠りにつきました。



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