目次
序章  「日曜日の朝」
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第一章「アル晴レタ、昼下ガリ」
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第二章「精霊と青年」
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第三章「決戦、妖怪都市」
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第四章「夏の想い出」
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第五章「堕天使の囁き」
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第六章「世界ノ終ワリ……」
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最終章「永久に醒めぬ夢」
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2-7

 最早、錯乱状態に近かった。どうしたらいいのかわからない。後ろに女がいる、しかも走る車の窓に貼り付いて? ありえない、そんなことあるはずがない。

 だがそれを確かめることはできない。もし、振り返ってそれを見てしまったら、その存在を確認してしまったら……それこそ、現実から逃れられなくなる。今はただ祈るしかない。このまま家まで戻れば後ろには何もなく、いつも通りに一日が終われる、そんな現実逃避を頭に巡らせるしかできない。

 ……ふと、首筋に冷たい物が触った。頭から冷水を浴びせられたかのように、俺の心臓は跳ね上がる。それと、赤夏が叫んだのはほぼ同時だった。

「うわぁぁぁっ!」

 俺はとっさに背後を振り返ってしまった、そして見てしまった……あの女が後部座席に座り、俺に向かって手を伸ばしているのを。

 赤夏が思いっきりハンドルを切る。俺たちを載せた軽自動車は道路から外れ、松林の中に突っ込んでいった。

ガガガガッ……松の木と車の外装が擦れ合う嫌な音がする。車が止まると同時に、俺たちは車外に転がり出た。読んで字の通りに、地面を転がって体を擦り剥く。だがそんなことは気にしていられない、とにかくこの車から遠くに……。

 逃げようと立ち上がった俺たちの先に、そいつはいた。月明かりを背にこちらを見下ろしている。もう逃げることもできなかった。地面にへたり込み、動けない。

 何でだよ……さっきまで後部座席にいたのに……。そんな疑問、何の意味もない。考えるまでもなく、いまここにいる者は俺たちの常識が通用しない相手だ。

 俺たちが観念したのを理解すると、女は満足気に微笑んだ。そして静かに唇を開く……。

「やっと、捕まえました」

 さして大きいわけでもないのによく通る、綺麗だが冷たい印象を与える声だった。捕まえた……俺たちをどうするつもりだ……?

「今度のは若いんですね。良かった。前のはジジイでしたから」

 ……?  意味不明の発言をし女は俺の方に歩み寄る。とっさに逃げようとするが、まだ腰が抜けて立てない。赤夏の方に目をやり、助けを求める。だが赤夏の方も同じ状態らしく、どうすることもできない。目前まで迫った顔、屈んだ女の手が俺の左肩に触れる。もう駄目だ、殺されるっ!  目を閉じ、覚悟を決める。

 だが、その後の展開は予想外のことだった。

「わたくし、物体憑依精霊第二十三型の絵梨花と申します。これより、あなた様にお仕えすることになりましたので、よろしくお願いします」

 ……彼女の発した言葉が、俺には理解できなかった。物体憑依なんたら? あなた様におつかえすることになりました? 一体、何を言っているんだ……?

 女の名が絵梨花ということと、とりあえず敵意がないということはわかった。だが依然として緊張は解けない。多少、動くようになった体で、赤夏のところまで移動し女と距離をとる。今、目の前にいる存在はあまりにも得体が知れない。

「どうしてさっきからそんなに逃げるんですか? わたくし、どうしたらいいのかわかりません……」

 絵梨花は不満そうな顔をする。さきほどまでの幽鬼のような顔から、多少人間らしい表情になったので、わずかながら恐怖も薄れた。

 よし、落ち着け。大事なのは、今どのような状況かを把握することだ。相手は正体不明ではあるが、さっきまで思っていたような化け物ではない。少なくとも意思の疎通は可能な存在だ。

「……あんた、一体何者だ?」


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妖鬼海産都市 ‐ユメミナト‐


 著者 : 谷山龍
著者ブログ:http://blog.livedoor.jp/rudorufu227/
 
感想はこちらへ:renbu11@yahoo.co.jp

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