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CONTENTS
テーマ「First Step 旅に出よう!」
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一歩踏み出す勇気
未知なる道
リアルRPGの冒険
今日が人生最後の日なら、今日することは自分がしたいことだろうか?
旅先の変な日本語
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私がフィリピン英語留学をする理由
私がフィリピン英語留学をする理由  ~世界一周で感じた後悔を次に生かす~
Brali Biz 「旅」×「ビジネス」 たびえもん
Brali Biz 「旅」×「ビジネス」 
旅で使えるスマホアプリ
旅で使えるスマホアプリ
Chibirockの旅はくせもの
Chibirockの旅はくせもの
HANGOVER in the WORLD 
HANGOVER in the WORLD
旅人からの伝言 「特集 インド」
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インド旅行到着初日*
体験をもって理解すること
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旅ときどき・・・
旅トキドキ・・・
トホホな話
トホホな話
一本の糸で世界をつなぐチャリの旅
一本の糸で世界をつなぐチャリの旅
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自炊派の手料理
自炊派の手料理
エッセイたびたべ
たびたべ(食のエッセイ)
アジア漂流日記
アジア漂流日記(創刊号の特集アジアからのスピンアウト企画)
アジア漂流日記(創刊号の特集アジアからのスピンアウト企画)
アジア漂流日記(創刊号の特集アジアからのスピンアウト企画)
Brali Photo(誌上写真展)
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作者・情報提供者一覧
作者・情報提供者一覧
編集後記
編集後記
次号予告
次号予告(2012年8月25日発行予定)
記事募集
記事と情報および写真の募集要項
奥付
奥付

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CONTENTS

CONTENTS

■テーマ「First Step 旅に出よう!」
□未知なる道
□一歩踏み出す勇気
□リアルRPGの冒険
□今日が人生最後の日なら、今日することは自分がしたいことだろうか?
■旅先の変な日本語
■私がフィリピン英語留学をする理由
■Brali Biz 「旅」×「ビジネス」 たびえもん
■旅で使えるスマホアプリ
■Chibirockの旅はくせもの
■HANGOVER in the WORLD 
■旅人からの伝言 「特集 インド」
□インド旅行到着初日*
□体験を持って理解すること
■エッセイ「旅トキドキ・・・」
■トホホな話
■一本の糸で世界をつなぐチャリの旅
■自炊派の手料理「丸々トマトの冷製スープ」
■エッセイたびたべ
■アジア漂流日記
■Brali Photo(誌上写真展)
■作者・情報提供者一覧
■編集後記
■次号予告
■記事募集

一歩踏み出す勇気

一歩踏み出す勇気
■Writer&Photographer
船橋証考
■Age
28歳
■Profile
銀行を退職後、世界一周を達成。もう一周しようかと思案中。

 バックパッカーとして最初に訪問したのは台湾だった。海外旅行経験はあったけど、一人旅は初めての経験。空港での入国手続き、両替、市街地へのバス移動。人と接するたびにうまく意思を伝えられるか、騙されたりぼったくられないかとビクついた。人とコミュニケーションを取ることを恐れた。会話することすらビビっていた。

 ところで台湾は「日本」があらゆるところに浸透している。吉野家やモスバーガー、ファミリーマート等日本ブランドはそこら中に見かけるし、日本人向け飲み屋街もある。台北101の受付のお姉さんは日本語が上手い。そして泊まっていたのは日本人が経営する日本人宿。日本語と最低限のボディランゲージでなんとかなってしまった。日本人に優しい環境が、台湾にいるのに気持ちを引きこもらせてしまった。次に訪問したマカオでも同じような気持ちを引きずっていた。
 一歩踏み出すきっかけになったのは3番目の訪問地、香港での出来事だ。インターコンチネンタルホテル前の星光大道(アヴェニューオブスターズ)からビクトリアハーバーを眺めていたら、2人のかわいい女の子から中国語で声をかけられた。何を言っているかわからなかったが、赤の他人にカメラを差し出しながら頼むことと言えば一つだけ。不意のことで思わず
「いいですよ」
 と日本語で答えた。その日本語に2人は反応した。
「日本ノ方デスカ?」
 2人は中国の東莞という街からやってきた女子大生だった。大学の授業の一環で日本語と英語を学んでいるらしい。日本語が話せると言っても、込み入った会話ができるほどではなく、時には英語や漢字の筆談で意思を伝えあった。そして、2人とも今風でかなりかわいい。中国人にありがちな二昔前のファッションではない。俄然興味が湧いてきた。
 話をしているうちに盛り上がり、写真を撮ってあげるはずだったのが、いつの間にか彼女たちの写真に収まっていた。2人ともデパートで化粧品販売のアルバイトをしているらしい。初香港で、友達の家を訪ねるつもりが相手の都合が悪くなりドタキャン。今夜の宿も決まってない。
 ブルース・リーの銅像やジャッキーチェン他香港・中国のスターの手形を見物して楽しんだ。ひと通り見て回ったところで彼女たちはご飯を食べに行かないかと提案してきた。お昼時だった。(そら来た)まず警戒心が湧いてきた。めちゃくちゃ高いところに連れてかれるか、変なものを食わされて睡眠強盗か? そんな考えがよぎった。旅を始める前に旅行好きの友達から教わったことがある。
「観光地で日本語で話しかけてくる奴には気をつけろ。深入りするとロクなことにならない」
 と。今まさにそんな状況だった。
 だけど、どうせ暇だしその日はSOHOで酒を飲むくらいしか予定はなかったし、なにより2人ともかわいいのだ。正直別れ難かった。大げさだが清水の舞台を飛び降りる覚悟でOKした。ただし彼女たちがどこかの店に一直線に入ろうとするなら逃げ出そう。なにしろ彼女たちは香港に初めて来たと言っているのだから。
 どこで食べようかと尋ねたらわからないと答える。初香港だし、友達に連れて行ってもらうつもりだったからか、ガイドブックも持っていなかった。自分も香港に着いたのは前日のことでどこに何があるのかよくわからなかった。近くにある百貨店(日本のSOGO)のフードコートにでも行こうかと尋ねたら「高い」の一言の下に却下された。
「せっかくだし奢るよ?」
 と振っても目を丸くして
「とんでもない」
 と答える。あれ、俺警戒しすぎたかな……。
 街をしばらくうろうろした後、尖沙咀の裏通りにある小汚い食堂に落ち着いた。ガタつくプラスチックのチープな椅子やテーブル、使い古した食器類はいかにも地元民御用達。
「こんなとこでいいのか?」
 と尋ねたら
「いつもこういうとこで食べてるから」
 と答える。牛肉麺やワンタン麺を美味しそうに啜る彼女たちの姿は素の中国人女性のもの、そんな姿を見ていたらようやく心を許せるような気がしてきた。

 その後2人の今晩の宿探しにつきあい、夜はビクトリアハーバーのライトアップショーを見物し、女人街を歩いた。翌日はビクトリア・ピークを登り展望台やマダム・タッソー人形館を見学して楽しんだ。合間に簡単な中国語を教わったりもした。その日の夜行バスで東莞に帰るというのでバスの発着場まで見送った。涙を流して別れを惜しんでくれた。2人は本当にいい子たちだったのだ。

 旅には、警戒心を常に持ちあわせなければならないが、恐れていては何も始まらない。踏み出す勇気が必要だ。言葉の壁なんて意思と勇気ですぐに乗り越えられる。一歩踏み出せれば同じ観光地でも、全然違った景色に見えてくる。踏み出せなかった台湾、マカオの印象はとても薄い。だけど香港での記憶は、彼女たちとの思い出と共にとても鮮明だ。この後様々な国で様々な人々や旅行者に出会い、仲良くなれたのは彼女たちとの出会いがあったからだ。
 彼女たちとは今も連絡を取っており、来年日本にやってくる。再会するのがとても楽しみだ。


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