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CONTENTS
テーマ「First Step 旅に出よう!」
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一歩踏み出す勇気
未知なる道
リアルRPGの冒険
今日が人生最後の日なら、今日することは自分がしたいことだろうか?
旅先の変な日本語
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私がフィリピン英語留学をする理由
私がフィリピン英語留学をする理由  ~世界一周で感じた後悔を次に生かす~
Brali Biz 「旅」×「ビジネス」 たびえもん
Brali Biz 「旅」×「ビジネス」 
旅で使えるスマホアプリ
旅で使えるスマホアプリ
Chibirockの旅はくせもの
Chibirockの旅はくせもの
HANGOVER in the WORLD 
HANGOVER in the WORLD
旅人からの伝言 「特集 インド」
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インド旅行到着初日*
体験をもって理解すること
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旅ときどき・・・
旅トキドキ・・・
トホホな話
トホホな話
一本の糸で世界をつなぐチャリの旅
一本の糸で世界をつなぐチャリの旅
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自炊派の手料理
自炊派の手料理
エッセイたびたべ
たびたべ(食のエッセイ)
アジア漂流日記
アジア漂流日記(創刊号の特集アジアからのスピンアウト企画)
アジア漂流日記(創刊号の特集アジアからのスピンアウト企画)
アジア漂流日記(創刊号の特集アジアからのスピンアウト企画)
Brali Photo(誌上写真展)
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作者・情報提供者一覧
作者・情報提供者一覧
編集後記
編集後記
次号予告
次号予告(2012年8月25日発行予定)
記事募集
記事と情報および写真の募集要項
奥付
奥付

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エッセイたびたべ

たびたべ(食のエッセイ)

酒と女と泪とカマボコ
■Writer&Photographer
沢井ブルース
■Profile
旅する武術家 空手では国際大会優勝経験アリ
現在は東南アジアを中心に放浪及び武者修行中
ヘタクソな文章ではありますが、気楽に読んでもらってBraliの中の「箸休め」的な存在になれたらなーと思ってます
人生、酒と泪と旅と武術 梵我一如 覚有情

「酒のない人生なんて、光の入らない洞窟に一生閉じ込められるようなものだわ、そうでしょう?」
 アンジーがよくそう言っていた。
「日本では酒好きは『酒なくて、なんの己が桜かな』って言うんだよ」
 と僕が言うと、アンジーはうんうんと頭を振って
「さすがに日本人って思考がスマートだわぁ……惚れ惚れしちゃう」
 と言うのだった。何が惚れ惚れするのかよくわからないが、連日酔っぱらいなアンジーは言動も行動も危なっかしく、ここカオサンロードの安宿内でも厄介者的な存在だった。
 ただなぜか僕とは気が合いよく飲みに行った。お互い「はぐれ者」という共通点もあったからかもしれない。
 アンジーは「クレイジーな酔っ払い」僕は「わざわざ日本からムエタイ(タイ式ボクシング)を習いに来たクレイジーな東洋人」という具合に……。

 アンジーは酒を飲むとよく泣いた。
「アタシだって本当は酒なんて飲みたくないのよ……」
 父親がとんでもない酒乱で、それが原因で両親は離婚したそうだが、
「だからアタシは飲んで飲んで飲みまくって酒に復讐してやるの」
 と言ってまたまた泣くのだった。
 もちろん飲みながら……だ。
 アンジーはカマボコが大好きだった。特にカニカマボコが。
 アンジーが泣きだすと、僕はいつもカニカマボコが入っているヌードルを注文し、
「ほらアンジー、カマボコだよ~」
 と目の前に差し出す。
「カマボコー!」
 アンジーが泣くのを止め、極上の笑顔でカニカマボコを食べはじめる。
 たまにカマボコ欲しさに嘘泣きをするが、それを指摘するとアンジーはちろっと舌を出し
「バレちゃった?」
 と言うと、
「ブルース! ブルース! ほら乾杯! カンパーイ!」
 と言って自分のグラスを挙げ、ごまかすのが常だった。


 あれから十数年、僕はまたカオサンに戻ってきた。十数年前と違い、一大歓楽通りと化したカオサンロード。もう今ではアンジーほどの酔っ払いもめずらしくない。アンジーは今はどうしているんだろうか。
 僕はアンジーの本当の名前も年歳も、どこの国から来たのかも知らない。
 ただ僕は、アンジーがカマボコが大好きだったってことは知っている。

 そして彼女のとびきりの笑顔も。