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9.輝いた後

9-1


「A卓、愛菜さんよりピンクもう一本いただきましたっ!!!」
店内に元気なマイクコールが響き渡る。
翼と愛菜のテーブルに入るドン・ペリニョンは、もうすでに3本目を迎えていた。
それ以上に、生まれ変わったように変貌した翼と彼の隣に座る愛菜姿は、他の女性客やホストからも注目の的だった。


「翼、愛菜さんの御指名をもらって見違えるように変わりましたね。一体あいつに何があったんでしょう?」
「さぁな」
目を丸くしながら尋ねる佐伯に、天馬は軽く笑いながら答える。
しかし、その光景を見つめる彼の瞳は真剣そのものだった。



『翼……ついにやりやがったな。愛菜の本指名を生かすも殺すもお前次第だ』



天馬は自分の見る目が間違ってなかったことを確信するかのように、心の中で呟いた。


一方の翼は-

「愛菜、大丈夫?ちょっと飲むペースが早過ぎるんじゃ」
「ちょっと翼何言ってるのよ。今日はあなたと私の記念日よ?私は大丈夫だから心配なんかしないの」
翼はかなりの勢いで飲むほろ酔いの愛菜をなだめようとしたが、彼女はそれを振り払った。

「お祝いごとなんだから、こんなときくらいシャンパンで騒ぎましょう?」
「あぁ、わかった。ゴメンよ、ちょっといつもより飛ばし気味だからさ」
「フフッ、大丈夫よ」
翼と愛菜は、互いに見つめ合って笑うと再びシャンパンを口の中に注いでいく。
『今日ヘルプは一切いらない』と言った愛菜の言葉通り、二人のテーブルには彼らを除いて誰一人としていなかった。
その光景を、翔悟をはじめとした他のホスト達が快く思わないのは言うまでもない。

「チッ」
翔悟は眉間に深いシワを寄せながら口を鳴らした。
「どうしたのよ翔悟?」
彼の指名客である早紀が尋ねる。
「何でもない」
「そうなの?何か機嫌悪いわよ、あなた」
「何でもないんだ」
「あの翼って子のことでしょ?」
「……!」
翔悟が不意を突かれた表情を示すと、早紀はフッと笑う。

「あの時席についた時と比べるとえらい変わり様ね。隣にいるあの女の子のせいかしら」
「さあね」
「翔悟、あのお客の子知ってるんでしょ?だれ?」
「……さあ。見ての通り、ただのキャバ嬢だろう」
翔悟はそう言うと、シャンパンを勢いよく飲み干した。
「ただのキャバ嬢、ね」
早紀はグラスに口をつけながら、離れたところにいる翼と愛菜を見つめた。



一方-

光星も、その光景に鋭い視線を送っていた。
「あの野郎……!」
指名客が隣にいるに関わらず、光星の眼は常に翼を捉えていた。
「調子にのりやがってよぉ!」
彼はそう言いながら突然席を立った。

「光星どこ行くのよ?」
「トイレだよ、トイレ。ちっと頼んだぞ」
指名の客に顔を合わせることもなく、光星はヘルプのホストに後を頼むと一人トイレへと歩いていった。

「あの野郎、急にどうして」
光星はトイレの鏡に映る自分自身に語りかけるようにつぶやいた。
「気になってるんだ?」
光星の斜め後ろからそう言ったのはNo.3の由宇だった。
相変わらず冷静ながらも明るい短髪が彼の特徴を物語っている。

「由宇」
「さすがに僕も気になったよ。翼くんがあの愛菜さんをねぇ。すごいじゃない」
由宇がそう言うと、光星は眉をクンと上に吊り上げた。
「おい由宇、これはただ事じゃねぇぞ。今まで社長以外……翔悟さんや俺らを含め誰も指名しようとしなかったあの女が、あのへぼいのを指名したんだぞ!しかもあんな騒ぎまで起こした奴がよぉ!」
光星は声を荒立てた。
しかし、由宇は至って冷静だった。

「光星さんしょうがないでしょ。どんな事情があるかは知らないけど、あの翼が彼女の指名をとったのは、もう変えようのない事実なんだから」
「由宇お前、あいつがこの店でのさばってもいいってのか!?」
「そんなんどーだっていいし。それを社長が認めていることならしょうがないんじゃ?」
「お前どっちの味方なんだ、由宇?」
「別に。僕は誰の味方とかどーでもいい。あくまで自分自身のペースで楽しく仕事できさえすればいいんでね。さて、翼の卓の様子でも見物に行こうかなっと」
そう言うと、由宇は光星のいるその場から歩き去った。

「……チッ、クソが!あの野郎!」
光星は、言いようのない苛立ちをぶつけるように鏡の中の自分自身を再び睨みつけた。



それから数時間が経過-。
【Club Pegasus】は間もなく閉店の時を迎えていた。
内勤の佐伯がマイクを通して店内に声を響かせた。

「さぁ~ラストソングを歌う今日一番輝いてた子は……」
BGMが流れる賑やかな中ですら、そこにいる全員が息を呑む。
佐伯は、一瞬言葉を止めたかと思うと、ラストソングを歌うそのホストの名前を高々に叫んだ。

「はい!新人ながら今日初めての本指名をいただきました、翼くんですっ!!おめでとう!!」
『翼』という誰も一度も聞いたことのないようなその名前が、店内にいるすべての人間の耳をを支配した。
 

「翼?誰それ??」

「ラッソン、トップの三人じゃないの?」

「新人でラッソン歌ったの?すごくない!?」

「ねぇ誰、翼って。どの子なの?」

指名フリー問わず、大多数の女性客が、彗星のごとく現れた『翼』という謎の存在に興味関心を示し始めていた。

「さぁ翼、歌え。今日の主役はお前だ」
翼の前に現れた天馬が、彼に一本のマイクを渡す。
彼のその行動が、翼の未知の正体を明るみにするまでにそう時間はかからなかった。
翼が希望したバラード曲のインストが流れ、そのメロディに沿って彼は歌い始めた。
その姿を、近くにいる愛菜と天馬は、笑って見つめた。

「翼、おめでとっ!」
手拍子に彩られたラストソングが終わる頃、隣にいる愛菜が、翼の左腕を掴みながら言った。
「そんな、愛菜のおかげだよ」
翼は謙遜をしながら言った。
「ううん、最初は記念とか言ってたけど、私も気がついたらあなたと二人でいることに何か浸っていたわ」
「そっか、それならよかった」
「それより翼って意外に歌が上手いのねっ」
「そうかい?」
「うん、歌だけなら天馬よりも上手かったわよ!」
「褒めすぎだって」
翼は冷静さを装いながらも、俄かに照れ笑いを浮かべた。

『自分自身への評価』
ホストとして男として、翼自身が欲しかったものをついに実感し始めていた。



閉店後-

【Club Pegasus】の面々は営業終了後のミーティングに入っていた。
もちろん愛菜を含むすべての女性客はいなくなっている。

「お疲れいっ!!」
「お疲れ様っす!!」
天馬の声に、店内のホスト全員が声を合わせる。
「おーし、今日も一日お疲れ!今日はみんな一人一人がよく頑張ったな。客入りや売上も上々だ」
天馬は誇らしげに言った。

「まぁみんなもすでに知ってるだろうが……翼がついに初の指名をとった。そしてラストソングに行くまで売上を出したんだ」
天馬の話す声以外は静まり返っている中、どことなくざわめきが漂う。
翼をチラ見する者もいれば、彼に目を合わせない者もいるなどそれぞれだったが、やはり急激に存在感を増した彼のことを意識しない者は一人もいなかった。
それは、彼のすぐ後ろにいる羽月も例外ではなかった。

天馬は続けた。
「今まで翔悟・光星・由宇以外がラッソンしたことがなかった以上、これから翼はもちろんみんなのがんばりに期待しているぞ!」
「ハイッ!!」
「よし今日はもう以上、じゃあ解散!!」
「お疲れ様したぁ!!」
その最後の挨拶を機に、今日の【Club Pegasus】の営業及び仕事は終了した。


「んん~。疲れたなぁ」
翼はぐぐっと身体を伸ばした。



『でもこんな疲れ方、ホスト始めてからは初めてか』
翼は、やっとやり甲斐と充実感を手に入れた自分自身に少し驚いていた。


「翼くん」
「えっ?」
その時、羽月が翼のもとにやってきた。
「初指名と初ラスト、ホンマおめでとう!」
羽月は満面の……とは言い難い笑みで翼に祝いの言葉を言った。
「あ、あぁ。サンキュー」
「まさか、翼くんが愛菜さんの指名もらうとは思わんかったわぁ……」
「……」
「ホンマ、うらやましいなぁ」
翼はどこと無く切なそうな羽月の表情に気付いた。



『まさか』



翼は何となくそう思ったが、口にすることはしまいと思った。
「まぁ、そっちもがんばれよ」
翼は最後にそう言ってそこから立ち去ろうとした……その時だった。

「翼くん待って!」
羽月が翼を呼び止めた。
「何だ?」
「よかったらでえぇんやけど」
「?」
「もし腹減っとったら……これから一緒にメシ行かへん?」
羽月の突然の言葉に、翼はキョトンとした。
何とも言えない沈黙が、二人を数秒の間覆う。

「あぁ、嫌やったらえぇで。もうプライベートは仕事の相手とは会いとうないかも-」
「いいよ」
「へっ?」
「メシ、行くんだろ?」
翼は笑うことはなかったものの、羽月の目をまっすぐ見つめながら言った。
「ホンマ?えぇの??」
「簡単にだったらな」
「いや、簡単でもえぇよぉ!おおきに、ありがとう翼くん!」
本人にとっても意外だったのか、羽月はとても嬉しそうにはしゃいだ。

「そんなにはしゃぐなよ」
「あぁ!ゴメンゴメン!」
羽月はよっぽど嬉しいのか、テンションがどんどん高くなっていった。

「お疲れ、ちょっと取り込み中か?」
そこに天馬が話しかけてきた。
「社長、お疲れ様です」
「お疲れ様ですぅ!」
翼と羽月は、天馬に挨拶を返す。

「お疲れ。翼、今日はよくやったな!」
「えっ」
「だがお前にはまだ客は愛菜一人だ。これからもっと指名客増やしていけよな」
天馬はそう言いながら翼の肩をポンと叩いた。
「ハイッ!」
「それとな」
周りに聞かれたくないからか、天馬はいきなり翼に耳打ちをする。

「社長?」
「いつもは平静かもしれんが……愛菜は今とある事情で苦しんでいるんだ」
「えっ?」
翼は目を丸くした。

「いいか翼。詳しくは言えんが、きっといつか本人から話される時が来る。もし愛菜に何かあったら、その時はお前がホストとしてあいつを支えてやってくれ」
「……はい」
意味もわからずじまいだったが、真剣に話す天馬に対し翼は返事一つをすることしかなかった。
それを聞いて、天馬もどこか安心したようだった。

「もちろん羽月、お前もだ!翼に負けんなよ!?」
天馬は羽月の肩をパンッと叩きながら彼を激励した。
「は、ハイッ!がんばります!!」
羽月も元気よく天馬に言葉を返した。
天馬はフッと笑みを零す。
「じゃあお疲れさん!」
「お疲れ様でした!」
翼と羽月は最後に天馬と挨拶を交わすと、エレベーターでビルの1Fへとおりていった。

「さって何食べよ-」
羽月がそう言いかけた時だった。
「おい翼!」
横から誰かが翼に声をかけてきた。
「翔悟さん」
声をかけてきたのは翔悟だった。

「お前……どうやってあの女を」
鋭い眼差しの翔悟に対し、翼は冷静に答える。
「さぁ。僕もよくは知りませんが」
「そんなはずはないだろ。お前彼女に何をした?」
「何もしてません」
詰め寄る翔悟に、翼は冷静に返す。
だが、翔悟の詮索はそれだけでは終わらなかった。
「何もしてない?さてはお前、あの女と枕でもしたか?」
「マク……ラ……?何のことです??」
「くっ……ハハハ!こりゃウケるな、枕の意味も知らないでそうなるとは」
「……??」
『枕』という意味がわからなかったのか、翼は首を傾げたままだった。
しかし、横にいた羽月は、その意味を知った上で聞いてか表情を俄かに強張らせていた。
翔悟は続けた。

「まぁいい……お前みたいなドシロウトが、そうする以外にあの女を落とせるわけがないんだ。よっぽど相性がよかったのか、とんだ今日のヒーローだ……なぁ、羽月?」
「えっ??いや、どうなんやろ……」
話をふってきた翔悟に、羽月はたじろぐ。

「まぁいい。お前がどうゆうスタイルでこようが、あの女一人を客にした程度で上がれるほどこの世界は甘くないんだ。それを覚えておけ!」
そう言うと、翔悟は背中を向け翼達の前から去っていった。

9-2

 
「マクラとかどうとか、翔悟さん何を言いたかったんだ?」
一人つぶやく翼に、羽月は何も言わなかった。
いや、言えなかった。
半ば好意を抱いていた愛菜と翼がそうなっていたなど、若い彼自身想像もしたくないことだった。
しかし、そんな雰囲気を無理矢理にでも消し去ろうと彼は思うことにした。

「きっと翔悟さん、翼くんがラッソンやってちょっと驚いただけやって!さっ、翼くんメシ行こう!」
「あ、あぁ」
羽月は、そう言って翼を強引に連れていくように声を張り上げた。
翼と羽月の二人は、ネオンが輝く歌舞伎町の中を共に歩いていった。


「こうやって翼くんと仕事後とか二人で歩くの初めてやな!」
「そうだな」
「翼くん、何か好きとか食べたいのあるん?」
「いや、特に好き嫌いないから」
「そっかぁ!好き嫌い無いのは俺と一緒やな。じゃあどこがえぇかなぁ?」
そう言いながら二人で歩いていると、翼はふと立ち止まった。

「ん、どうした翼くん?」
翼は羽月に答えるわけでもなく、すぐ目の前の街の一角で座りながら子犬の柴犬の世話をしている一人の黒髪の少女を見ていた。
「あれは……」
「ん?翼くんどうしたんや?犬好きなん?」
その時、翼と羽月のことに気付いたのか、その子犬が「キャン」と鳴いた。
それと同時に、そのすぐ隣にいた少女は二人のことに気が付いた。

「あっ、やっぱり……」
翼はその少女の顔を見ると、何かに気付いたようにつぶやいた。
彼女も、翼のことを見るとハッと気付いたようだった。
「何や翼くん、あの女の子知り合いなんか?」
「あぁ、ちょっと」
そう言うと、翼はその少女のところに近づいた。
彼女もそれに合わせて立ち上がる。

「キミ、確かあの時の?俺の手にハンカチを巻いてくれた……」
翼はその少女にそう話しかけた。
彼女は「ウン」と言うように首を縦に振った。

「翼くん、いつこんな可愛い女の子ナンパしたんや?」
いつの間にか隣にいた羽月が、翼に問い掛ける。
「あのな……。違うんだ。彼女は-」
翼は、ことのいきさつを簡単に羽月に説明した。
以前、仕事後のストレスと酔った勢いで電柱に拳を打ち付けて血まみれになっていた右手の怪我を、ある黒髪の女の子が応急処置をしてくれたこと。
その人物が、今目の前にいる彼女だと言うこと-。
羽月は薄目で翼を見ながらも、「ほ~」と言いつつ納得したようだった。


「あの時はありがとう。あの時キミが治してくれたおかげで、もう怪我は大丈夫だよ」
翼はそう言いながら、少女に軽く頭を下げた。
すると彼女は笑顔で首を横に振った。

「それにしても、めっちゃ可愛いなぁ。キミ何てお名前なん?」
「……」
羽月が問い掛けると、彼女は無言で黙ったまま俯いた。
「おい、仕事じゃないとはいえ、いきなり女の子にそんな感じで名前聞くなんて失礼だろ」
翼が羽月をたしなめた。
「あっ、そうやな……ごめんなさい。気を悪くせんといてぇ」
羽月が謝ると、少女は再び笑顔で頷いた。

「キミ、ずっとここでこの子犬の世話をしてるの?」
翼が問い掛けると、彼女は何も言わずただ頷くだけだった。
そして、再び腰をおろし尻尾を振る子犬の頭を撫で始める。

「なぁ翼くん」
羽月が突然翼に耳打ちした。
「さっきから思ってんけど、何でこの子ずっと一言もしゃべらへんのかな?」
「さぁ」
その時の羽月の言葉はもっともだった。
以前怪我を翼の治した時といい、彼女は翼達の前で一切言葉を発している様子がなかった。
何かを言っても、ただ仕草や表情で表しているだけの彼女に対して、翼と羽月はただ不思議に思うしかなかった。


その時、そのすぐ後ろにある小料理屋らしき店の戸がガラガラと開き、そこから30代後半くらいの一人の着物姿の容姿端麗な女性が姿を現した。

「美空(ミソラ)、そこにいたのね」
女性がそう言うと、美空と呼ばれた少女が女性のもとに近づいた。
すると、美空は何か不思議な手ぶりを彼女にやってみせる。
女性はそれを見て、何かを理解したようだった。
それを見て、翼はあることに気付いていた。

「……そう、そう。わかった、後で買っておくわね」
女性はそう言うと、美空の数メートル後ろにいる翼達に気が付いた。

「あなたたちは……ホストさん?」
女性がそう尋ねると、羽月はあたふたしながら答えた。
「え、あ、まぁ~何なんやろ~……。えっと今彼女とたまたま会ってそこで-」
「すいません、以前僕が彼女に道ばたで怪我をみてもらったことがありまして。それで今さっきたまたまここで会いまして、お礼を言わせていただいてたところだったんです」
言葉に詰まる羽月の代わりに、翼が代弁するように言った。

「そうですか、何かうちの子がしたことにわざわざそう言っていただいて、ありがとうございます」
女性は、とても腰が低い口調で翼に言った。

「あのぅ、すんまへん」
羽月が女性に対して突然話を切り出した。
「はい?」
「こちらは、お店をされてるんですか?」
「えぇ、一応小料理のお店を」
女性が後ろにちらっと目をやると、そこには
【小料理 "楓"】という看板を掲げた、小さな店がたたずんていた。
それを見てか、羽月はニッコリと微笑んだ。

「そりゃえぇわ!なぁ翼くん、せっかくやしここでメシ食ってかへん?」
羽月はもう我慢が出来ないとばかりに声を上げる。
そう言うと、女性も笑顔で二人を見て口を開いた。
「えぇ、お二人がよかったらぜひそうなさってください。今日はお客様もあまり来なくて早めに閉めようかと思ってたんです」
それを聞いてか、翼はその流れに納得したようだった。

「じゃあ、一杯寄らせて下さい」
翼がそう言うと、羽月ははしゃがんとばかりに喜んだ。
「俺もう腹減って死にそうやったんや~」
羽月の様子を見て、女性と美空はクスクス微笑んだ。



翼と羽月の二人は、その夜【小料理 "楓"】にて世話になることにした。





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