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 岡山の求職者は、岡山の地理が少し分かってきた。高島屋の隣が、「就職支援」を謳う者がいるビルだった。岡山の求職者は、そのビルに向かった。ビルに着いた。何という名前だったかな? 確認するために看板を見た。第一セントラル。

 

 7階に「就職支援」を謳う組織がいくつか入っている。岡山の求職者は、まず地下1階に行った。目立つ場所に喫茶店があった。岡山の求職者はモーニングセットを頼んだ。すぐに、コーヒーと小さなパン1個が出てきた。

 

 「ごゆっくりどうぞ」  岡山の求職者は、ゆっくりコーヒーを飲んだ。パンは小さいのが1個。少し足りない気もした。ゆっくり飲んだが、5分くらいで全部飲み、食べ終わった。岡山の求職者は、鞄からノートを出した。今日の予定が書いてある。もう一度今日の予定を確認する。1、2分で済んだ。岡山の求職者は喫茶店を出た。

 

 岡山の求職者は、7階に着いた。「求職支援」の1つは、ハローワークプラザらしい。ハローワークとどこが違うのかな? サービス内容はハローワークと同じなのかな? でも、サービス内容もだが、職員の意識の高さは満足できるものかな? 岡山の求職者は、その施設に入った。すこしの間、どのような感じなのか、様子をみていた。

 

 岡山の求職者のはじめの感想は、「機械的にただ求職者を右から左へ歩かせているようなものだ」だった。

 

 「おいおい、だから!」  岡山の求職者は、大きな声を聞いた。

 「もう何回も言ってるやろ!」

  「お互い手間かけたくないだろ!」

 年配のおじさんが職員に大声で話している。

 

 岡山の求職者は、そのおじさんをじっと見た。ぽん。岡山の求職者は肩を叩かれた。振り返ると40代くらいのカップルがいた。

 「あの人は気にしなくていいよ」

 カップルの男が言った。

 「あの人はここの有名人なんだ。だいたいいつ来ても、ここで大声で話しているんだ。」

 「そうなんですかぁー」

 岡山の求職者は、おじさんの大声が気になって、またおじさんを見た。見た。有名人のおじさんは、求人票をくしゃくしゃに丸めて、豪快にゴミ箱の中に叩きつけて出て行った。

 


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 岡山の求職者は、ハローワークプラザを出て、エレベータの前に来た。若い男性が自販機の前でしょんぼりしていた。岡山の求職者は、気になったので声をかけてみた。

 

 「どうなさいましたか?」

 若い男性が岡山の求職者を見た。大学を出たてくらいだ。

 「のどが渇いたので」

 若い男性が枯れた声で話した。

 「もしかして、お財布をお忘れに?」

 「いえ…」

 

 岡山の求職者は、「何か大事なことがある!」と直感的に思った。そこで、この若い男性の話を聞こうと思った。岡山の求職者は、椅子が置いてある場所に若い男性を誘った。ここは普段は喫煙者が使う場所らしい。岡山の求職者は煙草を吸わない。しかし、今はだれも使っていないから、岡山の求職者が使ってもいいだろう。それに「煙草を吸う者にだけ椅子が用意されているのもおかしい」と思った。

 

 岡山の求職者は、なぜお金をもっているのに、のどがカラカラなのに、そこで飲み物を買わなかったのかを聞いた。     「ここの自販機で買うと、自販機の持ち主からここのフロアの組織にお金が入るでしょ?それが嫌でためらっていたんです」  そうなのか。岡山の求職者は、もう少し詳しく理由をを聞いた。こんな話だった。自販機そのものの所有者から、自販機の設置場所の持ち主へ、場所の使用料が払われる。その使用料は、自販機の売り上げで賄われる。その売り上げに寄与したくない。

 

 「何か嫌なことがあったの? それで、あなたを不快にさせた人に少しでも抵抗したいのですね?」 岡山の求職者は、感じた。この若い人は、ここの「就職支援」を謳う組織のどれかに嫌なことをされたに違いない。だから、その組織のプラスになることをしたくなかったんだ! ここでジュースを買って、その代金の一部がその組織へと払われるのではないか気になっていたんだ。

 

 若者をそんなに暗い気持ちにさせるなんて!

 岡山の求職者は、その組織に対して怒りを感じた。

 

 「これをどうぞ」  岡山の求職者は、駅のハートインで買ったコーヒーを渡した。若い男性は岡山の求職者にコーヒー代だけ渡した。2人でコーヒーを飲んだ。若い男性は、若者求職支援センタの職員に嫌なことをされたと話してくれた。その職員は、話しを聞くと、かなり意地悪なおばさんだ。若者に対して威圧感を与えている。自分の都合しか考えていない人のようだ。そして、自分のところに持ち込まれた「就職支援」の案件に対して良くないことが起きた場合は、「すべての悪い原因が、支援を受ける側の者(この若者)にある!」と決めつけている。

 

 岡山の求職者は、若者求職支援センタに行き、「この若い男性の代わりに、何か言ってやろうか?」と思った。しかし、待てよ。それではだめだ。上の者に聞いてもらった方がいいかも。岡山の求職者は、若者に自分の思ったことを話した。

 ・「若者求職支援センタの上部組織が見つかれば、その上部組織の長に、自分の受けた嫌なことを訴えること」

 ・「若者求職支援センタの上部組織が見つからなければ、大臣あての手紙を書いて、自分の受けた嫌なことを訴えること」

 ・「念のために山陽新聞などのマスメディアにも訴えること」

 ・「その場合は、その意地悪なおばさんの氏名と処罰を求めることを明記すること」

 

 若い男性は、少し元気を取り戻したようだ。若者と別れて、岡山の求職者は、「あの若い人、手紙を書くかな?」と思った。岡山に本当の求職支援の能力を持った人が1人でもいてくれれば良かったのに!!

 


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