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 岡山の求職者は、鼻が敏感になった。においがいちいち気になる。岡山の求職者は気を紛らわせるために早足で歩いた。ちょうど岡山城の方向だ。このまま岡山城へ行こう。

 

 岡山城が近づいた。坂を登っていくと、小さな食事店。「今日のおすすめ…」看板の文字を読む。

 ど… ど… ど…

 城の方から音が聞こえた。

 ど… ど… ど…

 

 音がやんだ。そして、風がふいた。そして、お札が飛んできた。お札を追いかけておばさんが走ってきた。岡山の求職者は、お札を拾っておばさんに渡した。おばさんはお札の枚数を数えた。おばさんはまだ、そのあたりを見回してお札を探そうとした。しかし、遠くからおじさんが怒鳴ったので、そちらへ戻っていった。

 

 岡山の求職者は、橋の上を歩いた。そのとき、煙が流れてきた。視界が真っ白い。たくさんの煙が流れてきた。橋の上がすべて白い煙で覆われた。しびれた。頭の奥が。痛くなった。そんなの関係ない。岡山の求職者は、前が見えないけれど、とりあえず歩いてみた。カリン、カリン、… 歩くと金属の音がした。

 

 白い煙が消えた。しかし、岡山の求職者は、顔も服も靴も白い粉まみれだった。近くを歩いていた人も皆、白い粉まみれだった。白い粉は牛乳のにおいがした。

 


この本の内容は以上です。


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