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 岡山駅の東西連絡道のベンチに、岡山の求職者が座っていた。岡山の求職者は、百円玉の溝を眺めていた。

 

 「これを食べなさい」  

岡山の求職者が顔を上げると、お菓子屋の売り子さんがいた。お菓子屋の売り子さんは、岡山の求職者にお菓子を渡し、売り場に戻っていった。福渡せんべい(ふくわたしせんべい)だ。岡山の求職者は、福渡せんべいを食べた。お菓子屋の売り子さんは、仏様のようだ。いい顔だ。しかし、岡山の求職者は顔が真っ茶色だ!

 

 岡山の求職者は顔が茶色だ!

 

 岡山の求職者の後ろから突風がふいた。悩んでいても、だれも悩みを聞いてくれることはない。風が一時的に悩みを忘れさせる。

 

 電話の音がした。すぐ近くで、スーツの男性が何か話している。その男性をじっと見つめている女性がいた。岡山の求職者が、その女性に気付いた。その女性も、岡山の求職者に気付いた。その女性がものすごい形相で岡山の求職者をにらみつける。岡山の求職者は、立ち上がり、その女性を突き飛ばし、全力で走り去った。

 


この本の内容は以上です。


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