目次
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CONTENTS
テーマ「Gift(与えたもの、いただいたもの)」
チャーハン
断れない仕掛け
魔術の中で生きる ~グアテマラの世界観~
旅先の変な日本語
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幸福論(後編)
幸福論(後編)
私がフィリピン英語留学をする理由
私がフィリピン英語留学をする理由  ~世界一周で感じた後悔を次に生かす~
Brali Biz 「旅」×「ビジネス」 佐谷恭
Brali Biz 「旅」×「ビジネス」 
旅で使えるスマホアプリ
旅で使えるスマホアプリ
Chibirockの旅はくせもの
Chibirockの旅はくせもの
HANGOVER in the WORLD
HANGOVER in the WORLD
旅人からの伝言 「特集 スタン」
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ウズベキスタンとカラカルパクスタン
パキスタンのおっちゃん
トホホな話
トホホな話
第3回 海外起業家勉強会セミナー潜入レポート
第3回 海外起業家勉強会セミナー潜入レポート
一本の糸で世界をつなぐチャリの旅
1本の糸で世界をつなぐチャリの旅
自炊派の手料理「お手軽ローストビーフ」
自炊派の手料理
エッセイたびたべ
エッセイたびたべ
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世界のマイノリティの流儀
アジア漂流日記
【旅日記】生まれて初めての雪山体験、一瞬《中国・四姑娘山編》
【旅日記】都会でぬくぬく、いつも通りの生活中《中国・成都編》
【旅日記】エンジョイ! ラサ!《チベット編》
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作者・情報提供者一覧
作者・情報提供者一覧(Bralist)
編集後記
編集後記
次号予告
次号予告(2012年6月25日発行予定)
記事募集
記事と情報および写真の募集要項
奥付
奥付

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CONTENTS

CONTENTS

■テーマ「Gift(与えたもの、いただいたもの)」
チャーハン
断れない仕掛け
魔術の中で生きる ~グアテマラの世界観~
■旅先の変な日本語
■幸福論(後編)
■私がフィリピン英語留学をする理由
■Brali Biz 「旅」×「ビジネス」 佐谷恭
■旅で使えるスマホアプリ
■Chibirockの旅はくせもの
■HANGOVER in the WORLD 
「キューバの酒」
■旅人からの伝言 「特集 スタン」
ウズベキスタンとカラカルパクスタン
パキスタンのおっちゃん
■トホホな話
■第3回 海外起業家勉強会セミナー潜入レポート
■一本の糸で世界をつなぐチャリの旅
■自炊派の手料理「お手軽ローストビーフ」
■エッセイたびたべ
■世界マイノリティ流儀
■アジア漂流日記
■作者・情報提供者一覧
■編集後記
■次号予告
■記事募集

チャーハン

チャーハン
■Writer&Photographer
Taiki.
■Age
20代
■Profile
http://worldxjourney.wordpress.com/

 世の中ギブアンドテイクだと思ってる。
 1年前、南アジアを旅しようとインドに飛び降りた。有名な世界遺産、タージマハルを拝む為にアーグラを目指した。これは、見ず知らずのインド人のおっさんが僕にくれたチャーハンにまつわる話です。

 アーグラの街は小さく、徒歩だけでも時間を潰せる。インドはデリーから着いたばかりだったが雰囲気にも徐々に慣れてきてた。とはいうけど本当に色んな人がいる。しつこい人、子供みたいな人、真面目な人もいれば強情な人、世の中の全てのタイプの人間が集約されてるような国だった。とにかくこの国に行くにはパワーが要る。安いのはいいが、メシも合わず腹も壊す。自分にとってインドを旅する事は、全裸で闘牛場に突っ込むのと同じだって思ってた。

 アーグラに着いて早速散策。一大観光地ってだけあって客引きも多く、しつこいけど良い事もある。長い事旅すると孤独に陥る事って多いけど、四六時中誰かが話しかけてくるので一人で外出してる限り、それは感じない。旅してるのに一人旅してる気にさせない国、それがインド。何事も表裏一体だと思った。
 アーグラでは沢山の人と出会ったけど、その中でも特に思い出に残ってるのが、とある定食屋の店主。宿の目の前にある日本食屋に昼メシを食いに入ってみた所から始まる。メニューには汚い字でOYAGODONやらsukiakiやら非常に怪しい。他にも辛ラーメンやピザもあって何かと忙しい。どうやらオーナー夫婦2人と子供が2人っていう家族構成のようで、日本料理を売りにしてるのに日本語を一言も知らないという粋な計らいを披露してくれた。
 まずはそのOYAGODONとやらを注文して食べてみたけど、何とも斬新かつ味のない味がする。店主は衛生環境に気を遣ってるらしく、料理にはミネラルウォーターを使ってるし手洗いは欠かさないんだと自慢された。不味いなんて言う訳にもいかず黙々と平らげた結果、店主からの質問攻めに遭ってしまった。味はどうだから始まり、どこに泊まってるか、仕事は何だ、日本はどっから来たか。などなど当たり障りない会話を繰り返す。良い年のくせに日本の女は最高だとか言ってるから、お前絶対知らないだろーって一蹴してやった時の彼のドヤ顔は忘れられない。
 その後も宿の前でちょくちょく顔を合わすうちに、気づいたら打ち解けてた。自分は体調を悪くしてた事もあって、少し長居しようと決めた時だった。店主は顔を合わす度、今日も暇だと言ってきた。来る日も来る日も客が入ってこないし自分も客が入ってる時を見た事もなかった。本人はそうは言わなかったけど多分、客が0の日も多そうだった。そんな日の彼はとても悲しそうな顔をしてた。
 そんな中、いつもの様に店先で暇話に華を咲かしてると店主が
「客連れてきたらタダで飯食わしてやる」
 と言い出す。その店は他店より高いから食べないようにしてたが、タダになるならって事で手を打った。店先で呼び込みしたり知り合った人何人かに声をかけたりもしたが、結局誰も来ず。店主の悲しそうな顔を見てるとほっとけず、アーグラ最後の日の夜メシはそこで食べた。
 僕が注文したのはその店で一番高いラーメンとチャーハン、それとコーヒー。自分が普段食べる食事の4倍以上の値段だった事を覚えてる。店主への気持ちも込めて金落としていこうと決めてた。
 席に座るなり店主が、チキンは好きか?卵は?ローストビーフは?としきりに聞いてくる。結局お前もその辺のインド人と一緒で高額請求してくるのかと内心思った。全てYESで答えた。チャーハンには少し自信があるらしく特に力も入れてくれたみたいで
「これは俺のオリジナルメニューだ」
 とか言って、めっちゃ豪勢だった。ご飯時、遠くに見えるタージマハルのシルエットを横目に、屋上のテラスから道を眺めながらも客はやっぱり来ない。結局その日の客は自分1人だった。ま、別に俺のせいじゃねーしなとか思って会計しようと声をかけた。そしたら店主は無視してきて機嫌も悪そうだった。 動くのめんどくせーのかな(インドではよくある)と思って席を立ち、いくらか聞いたらムスッとした顔で一言。「金は要らねぇ」との事。家族もいるのに客もほとんど来ない店に来て一番高いメニューにローストビーフのオプションをつけた金持ちジャパニーズに対して 『金は要らない』らしい。店主はしきりに、Money is not importantと繰り返す。そんな気も毛頭なかったし流石に金は払うと言うと
「俺の気持ちだ、金は問題じゃない」
 と。「カネ位払わせてよ、オッサン」って心ん中で呟いたら、今までどっかで疑ってたインド人に対して、少し心を開けた気がした。客入ってないくせに、そんな事言える店主が眩しかった。節約して1日でも長く旅するとか下らない事を求めてケチケチしてた自分が物凄く小さく思えて、食べた分を押し付けて払った。明日また来るって言い残して宿に戻ったけど、思う事が沢山あった。金は本当にいらなかったみたいだけど受け取っても尚、ムスっとしてる店主の目には涙が流れてた。タダメシが食べたくて客探しを手伝っただけなのに嬉しかったのか分からないけど。そこで初めて、どこの国の人間も根本は同じなんだって思った。
 そんでもって翌朝、朝メシを食いに行ってもやっぱりツンデレだったけど、
「今日はサンドイッチに卵2つ入れてやったぞ!」
 と、粋がってくれたんで、少しでも客が増えることを願って、日本語の看板を作って置いてきた。『当店では調理の際の手洗い、ウガイを徹底しており、ミネラルウォーターを使用しております』ってゆう店主の受け売り。まだあるかは知らないし確かめようとも思わないけど、あの日の国籍を越えた僕らの友情が本物だったって事だけは間違いない。忘れられないチャーハンを食べたってゆう、そんな話。

 インドの世界遺産、タージマハルに立ち寄る際は是非食べてみてください! 看板が目印。味はマズイです!

断れない仕掛け

断れない仕掛け
■Writer&Photographer
ZedTeppelin
■Age
33
■Profile
http://twitter.com/ZedTeppelin
zedteppe.exblog.jp


 世界中観て回ったわけでもない自分が言うのもなんだが、マラッカのチャイナタウンは異質だ。
 ポルトガル、オランダ、イギリス統治時代の面影を残しつつ、モスク、ヒンドゥー、仏教寺院が至る所に点在する「るつぼ」。世界遺産、マレーシアにあるマラッカの街。
 そんな中にあるチャイナタウンは、落ち着き洗練された雰囲気が他のそれとは何か異なる。時の流れを感じさせる中華風の建物は美しく老い、今風のカフェやバー、お洒落な洋服屋やアートギャラリーがギャップを感じさせながら自然と同居する。日本でいう古民家使いのレトロフューチャーや西洋風に化けた建物、剥げかけたパステルカラーにコマーシャル代わりの落書きタッチが馴染む。
 休日、日中の暑さが和らいだ夕暮れ時からは、中国各地の甘味屋台を筆頭に飲食店がメインストリート“Jonker Street”を埋め尽くす。店に立つ中華、マレー、インド系の人々に世界各地からの観光客。「ネオアジア」そんな言葉がぴったりとはまる。その通りを抜けるとカラオケ大会の特設会場が現れる。集う地元住民、老人や子供達はなにか夏の夕涼み、マッタリとした雰囲気が皆の心を和ませる。日本演歌の名曲を中国語で歌い上げる地元カラオケ名人。ならばと、自分は近くのフェニックス寿司なる路上屋台で危険度100%のMaki, Sashimi, Sushiを頂く。昭和の先にあったかもしれない来なかった未来に酔いしれる。
 そんなチャイナタウンで足しげく通ったのが点在するアンティークショップだ。店頭から店の奥の奥までを埋め尽くす品数にはまず圧巻、時を忘れて魅入ってしまう。仏像やら謎の石、木彫りの何かにアンティーク時計……ババニョニャという中国とマレー混血文化から派生したのかどうかは定かではないが、パステルカラーの陶器は特に目を引く。中には「ん~!?」と思う様な、ド●えもんグッズや針金細工のプレ●ターなども混在だが、それはそれでチャイナタウンの奥深さすら感じる。


 それは店頭のショーケースの中、神様だらけの陳列左端で怪しげな光を放っていた。最初は骨董品屋という独特の空気から怖くて値段を聞く事が出来なかった。取りあえず店内をゆっくりと一周する。その間に数点、商品の値段を聞いてみる。貧乏旅行をしている自分にはやはり高い。
 だがどうしても気になるファーストインスピレーション、あいつが忘れられない。店を出たところで思い切って店先の恰幅の良いおばさんスタッフに指差し切り出す。
「そのタイガーのヤツを見せて欲しい」
「お~、このライオンか!?」
 と笑顔で一括……言われてみれば確かにだ!!
 手に取ってみると古そうでそうでもなさそうで……高そうでそうでもなさそうで……開閉可能なペンダントトップ!? 使い方はどうあれ間違いなく好みの絵柄だ。すかさず本題に入る。
「で、これはいくらですか?」
 恰幅の良いおばさんスタッフに一瞬の間、空気感が一気に勝負事の様な。
「200リンギット(約5200円)だったかな~」
 定かではないらしいがそう答える。するとそんな会話を知ってか知らずか、店内で対応してくれたオーナーらしきおばあちゃんが出てきてこう言う。
「30リンギットでどうだ?」
 あれ!?と半笑いの自分に、
「25、いやキミは今日のラストカスタマーだ。20リンギットでどうだ?」
 と、まだ値切ってもいないのに価格は10分の1にまで暴落する。スピーディーな驚愕ディスカウントには、もう買わないとは言えない……。

 思い出、商品価値共にプライスレス。値段を聞いてからほんの十数秒の出来事だった。『この仕掛けは使える』これからの人生に取り入れていこうと思う商売の切り口だ。



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