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強敵トゥデイ

今日子の人型トゥデイとの戦闘は困難を極めた。
というか、敵人型を目視する事もできず、ただ足踏み状態を余儀なくされているだけとも言える。
今からチョビを呼ぶにしても時間がかかるし、アブサルートさんの拠点の虎よりも火力のあるトゥデイだ。
チョビの盾も何処まで通用するか。
ダイユウサク軍が、ドリームとカズミンだけでは無い事は理解していたが、正直今度ばかりは鬱陶しい。
強いのではなく、酷いって感じだからだ。
普通に戦って負けるなら納得できるが、こんなのには負けたくない。
俺は自分の人型の装備を確認した。
シールドフェンネルが2機と、フェンネルダガーが2機まだ残っている。
フェンネルも6機残っていた。
よし、一か八か、このフェンネルダガーにかけてみよう。
俺は早速、それぞれの設定の変更作業に入った。
フェンネルは、基本的に自らが操作する事は不可能だ。
だが、フェンネルダガーだけは、両腕の操作をフェンネルダガーに移す事で、操作する事ができる。
それでも、基本はやはりオートマティックなところが多い。
その自動で動く部分を、設定で色々決める事ができる。
今回の設定は、とにかく真っすぐ敵へ突き進むように、フェンネルはとにかくビームを撃ちまくるように、それぞれの座標も調整した。
さて、まずは敵を目視し、敵対象としてロックオンしなければならない。
それは、大量の攻撃が飛んでくる場所へ出るって事だ。
俺は意を決して、通路の真ん中へと飛び出した。
正面にトゥデイが見えた。
ロックオン、と同時に、敵が攻撃を放ってくる。
こちらも瞬時に、タイミングよくシールドフェンネル、フェンネルダガー、フェンネルと発射。
シールドフェンネルの後ろにフェンネルダガー、それを取り囲むようにフェンネルを並べ、フェンネルのビームは撃ち続ける。
そのまま直進だ。
その間俺は、敵の攻撃をかわし続ける。
シールで多少のビームを止め、フェンネルで多くのミサイルを撃ち落とし、此処まで飛んでくるのは約半数と言ったところ。
トゥデイは連続して攻撃してくる。
ギリギリまで腕のコントロールはこちらに残し、ミサイルは撃ち落とす。
なんとか行けそうだ。
そう思ったのもつかの間、思わぬ出来事が起こった。
 一生「処理オチかよ!」
あまりのミサイルやビームの多さに、コンピュータが処理しきれなくて、動きがスローになる。
しかし実際では、動かないのは画面だけで、命中処理などは行われいてる。
もちろん、コントローラーからの操作もだ。
俺は画面からのわずかな状況から、全ての動きを予想して、コントローラーを操作した。
俺のPCは、最新の高性能PCなのに、これで処理オチしているって事は、相手もおそらく処理オチしているはずだ。
この状況さえ凌げれば、勝てる。
俺はまた、無意識の領域へと入っていた。
フェンネルは次々と落とされ、シールドフェンネルも破壊された時、俺は腕のコントロールをフェンネルダガーに移す。
途端に両腕も破壊された。
肉を切らせて骨を断つ、というには、あまりにもダメージは大きかったが、フェンネルダガーはトゥデイへと届いていた。
後は何度も何度も斬りつけて、トゥデイを破壊した。
何とか、トゥデイを倒す事ができた。
が、移動要塞を手に入れる代償に、俺は此処からの戦闘に参加不可能なダメージをくらった。
まさか両腕を失う事になるとは。
よく考えたら、この先ダイユウサク軍を攻め続けて行けば、何処かでドリームが出てくるだろう。
俺がやられたら駄目じゃないか。
そう思ったが、全ては後の祭りだった。
この後、ダイユウサク軍はすぐに、撤退を開始した。

ネコミミへ

移動要塞を占領した後、俺はトゥデイとの戦闘でやられた事をみんなに話していた。
というか、言い訳をしていた。
なんというか、ただの重火力機に、此処までやられてしまったのがなんだか悔しかったし、この後の戦いに参加できない事が、何より申し訳なかったから。
そもそも、処理オチしなければ、俺は普通に勝っていたと思う。
だから、そう通信で話していたのだが、サラさんの言葉に俺は驚いた。
 サラ「今日子の戦い方は、処理オチを起こして、相手に回避させない事なんだよ。」
サラさん達ゴッドブレスの人達は、ダイユウサク軍のメンバーの戦い方をよく知っている。
そのサラさんが言うのだから間違いないだろうが、まさかそんな事まで狙って戦いをしているなんて。
 アライヴ「ダイユウサク軍、恐るべしですね。」
ただの一兵卒だと思っていた人が、そこまで考えて戦ってくるのだ。
改めて恐ろしい人達なのだなと思った。
 サラ「でも、こういう奇策は、ほとんどチサトの作戦らしいよ。」
チサトと言うと、ドリームダストのダストの方だ。
夢さんと並び称されるこの人は、サラさんの話によれば、魔女と呼ばれているらしい。
とにかく奇策で、相手を翻弄する。
バトルグリードでの勝率は、ドリームよりも低いが、ドリームとの対戦成績は、チサトさんのダストの方が勝ちこしているとか。
よく知る相手との戦いにはめっぽう強く、逆に知らない人との対戦では、力を全て発揮できない事もあるとの事。
ただし、元々ある程度の強さがあるので、そうそう負ける事はないそうだが。
エースの夢さん、夢さん以上とも言われるカズミン、それに今日子さんやチサトさん。
あの時の司令官、ビューティフルベルさんの頭の回転の早さは、人間とは思えない。
ゴッドブレスの2人の強さも並じゃない。
俺達は、こんなに素晴らしい人達を追い詰めているのか。
それだけに、今の自分の状態が歯がゆく、不甲斐ないと思った。
 アライヴ「くそ!もっとダイユウサク軍とやりたかったなぁ~こんな状態じゃ戦えないし。」
俺の本当の気持ちだ。
でももう、テンダネスは戦闘不能一歩手前の両腕落ちだ。
戦いたくても戦えない。
そう思っていたら、紫苑さんが思わぬ事を言ってきた。
 紫苑「何言ってるの?戦いはこれからでしょwキュベレイ取りに帰れよ!(^0^)」
確かに、俺の真の愛機はキュベレイだし、此処にあるなら今まで以上の戦いを約束する事もやぶさかではない。
それを取りに帰れと?
人型で往復したら、確かに6時間くらいで往復できるか。
それまでに決着がついているとも限らないが、ドリームがでてくれば、6時間後も戦いは続いているだろう。
 アライヴ「分かった。ダッシュで取ってくる!」
俺は単機、自軍領域へと向かおうとした。
 紫苑「おいおいw君の戦力は少しも無駄にはできないのだよ。星!送ってやってくれ!(^0^)」
 スピードスター「♪」
 紫苑「暗黒天国は、その間、紫陽花のパープルフラワーでよろしくw」
 暗黒天国「おk!」
これはありがたい。
俺はまだ戦いたいのだ。
みんながサポートしてくれる。
俺は即行スピードスターに着艦した。
すると即座にスピードスターは、我が領域、有人要塞ネコミミへと向かった。
しばらくの戦線離脱だ。
次戻ってきた時は、夢さんも戦場にいるだろうか。
それとも俺達紫苑軍がこのままの勢いで、快進撃を続けているのだろうか。
俺はなんとなく、紫苑軍が負けている状況であって欲しいと、思ってしまっていた。

終演に向けて

有人要塞ネコミミへ向かっている間、俺は仮眠をとる事にした。
何かあっても、スピードスターに追いつける艦船なんておそらく存在しない。
俺はPCのボリュームを最大にして、到着目前になったら、通信音をならしてくれるよう頼んだ。
一応、航行予定時刻から到着時刻を割り出し、2時に目覚ましのアラームをセットする。
俺は布団に入った。
だけど、興奮して眠れない。
昼寝もしていたから、まだまだ起きていられる時間だ。
でも、今日もまた24時まで戦う可能性がある。
休める時に休んでおかないと。
結局、20分ほど意識がなかったが、ほとんど眠る事はできなかった。
起きてアラームを止め、星さんに通信を入れる。
 アライヴ「もう起きましたw」
 スピードスター「♪」
見ると、後10分くらいのところまできていた。
暇なので、勢力マップを広げてみた。
サイファ軍の重要拠点がいくつか、ジーク軍の領域へと変わっていた。
サイファ軍は押されている。
なんとか耐えてくれれば良いが。
でもふと思った。
このままサイファ軍が敗れて、俺達がダイユウサク軍に勝てば、そのままジーク軍との最終決戦って事になるのだろうか。
他にも沢山の勢力が残っているが、上位4軍との力の差は、たとえ4軍の大将が全てやられたとしても、覆るものではないだろう。
もしかしたら今日の戦いで、全てに決着がつくかもしれない。
俺は今初めて、今日の戦いの重要性を感じた。

ネコミミにつくと、俺はすぐにメイン機の変更と、一応テンダネスの修理を開始して、スピードスターにキュベレイを収めた。
すぐさまスピードスターが出港する。
ここからまた、帰ってきた道のりと、更にいくらかの航行をする事になる。
寝る事も少し考えたけれど、もう眠れそうに無かった。
そんな時、紫苑さんから通信が入った。
 紫苑「今どこ?」
 スピードスター「ネコミミでたとこ♪」
何かあったのだろうか。
 アライヴ「夢さん出てきたの?カズミン?」
紫苑さんがこんな通信をしてきたのは、早く戻ってきて欲しいって意味だと勝手に思っていたが、どうやら違ったようだ。
 紫苑「いや、そこからだと、ERROR軍のコロニー、サイド3が近いだろ?」
 スピードスター「そっちに戻るよりかなり近いね♪」
どういう事か、まだこれだけではわからない。
 紫苑「今、まさくん軍が、要塞戦艦を伴って、サイド3に攻め込んでるみたいなんだよね。」
 スピードスター「だから?」
なんだか嫌な予感がした。
 紫苑「良い勝負してて、両軍ボロボロだって情報がw」
まさか・・・
 紫苑「お前らだけで、要塞戦艦奪ってこれね?(^0^)」
ERROR軍は、現在6番手の軍で、そこそこの勢力だ。
かたやまさくん軍は10番手くらいだが、ERROR軍と比べると半分くらいの戦力。
でも要塞戦艦を持っていて、力は五分の対戦。
その戦場に乱入して、要塞戦艦を?
 紫苑「既にレイズナーには向かわせてるが(笑)」
無茶な作戦だけど、案外簡単に要塞戦艦を手に入れる事ができるチャンスかもしれない。
それに、今日この後、ジーク軍と戦うなら、要塞戦艦はどうしても欲しい。
紫苑さんは、今日決着をつけるつもりだ。
 アライヴ「やりましょう!」
 スピードスター「♪」
俺と星さんは、たった二人だけで要塞戦艦を奪取するべく、スピードスターの進路を、コロニーサイド3へと変えた。

夢へ

コロニーサイド3に到着した時、戦場は荒れに荒れていた。
戦力の少ないまさくん軍が、倍の戦力を持つERROR軍に侵攻したわけだから、まさくん軍は全力で挑んだのであろう。
かたやERROR軍も、要塞戦艦相手では、全力で防衛しないと当然守りきる事はできない。
その結果、この空域に屍が散乱する事になったというわけか。
どうしてまさくん軍が、こうなる公算の高い戦いをしかけたのかは謎である。
もしかしたらジークが、まさくん軍が紫苑軍やダイユウサク軍に味方する事でも恐れて、何か策を弄したのかもしれない。
もしそうなら、バカな事をしたものだって感じだが、俺の考えはただの憶測だ。
とにかく状況は完全に、二虎競食の計。
いや少し意味が違うな。
ふたつの勢力が戦って、疲弊したところを討つ事ができる状況だ。
俺はスピードスターから出撃した。

正に、敵の両軍は疲弊していた。
そこそこの使い手、いや、かなりの使い手もいたようだが、人型が完全ではなさそうで、俺の敵ではなかった。
完全な状況なら、俺も手こずっていただろう。
両軍の頑張りに感謝だ。
要塞戦艦への接近は、スピードスターの甲板に乗せてもらって、一気に近づいた。
かなり傷んでいるとはいえ、要塞戦艦にはそれなりの攻撃力があった。
でも、かなり弱っているこれを奪って、意味があるのかと考えたが、要塞戦艦の最大のメリットは、要塞機能があるって事だ。
修理もできれば補給もできる。
艦船でもできるが、応急処置的なところもあるし、やはり要塞の方が良い。
それに通常の攻撃で落とされる事が無いのがいい。
攻略には、拠点の攻略と同様の手順が必要なのだ。
一応言っておくが、攻撃を受け続ければ、戦闘不能にはなるけれどね。
簡単に、要塞戦艦は、我が紫苑軍の物となった。
当然俺の強さがあってこそだが、間もなく到着したレイズナーさんには、そうは思われていないようだ。
 レイズナー「なんだよ。上手い具合に両軍死んでるな。こんなの誰でも落とせるんだから、任せてくれりゃいいのにw」
いや、光合成さんもいるし、戦力も断然上だから落とせるとは思うけど、そんなに簡単にはいかなかったと思うよ。
少なくともレイズナーさんより強い人は沢山いたから。
言いたい事を胸の奥にしまって、俺はレイズナーさんに後を引き継いだ。
すぐにスピードスターに戻ると、再びダイユウサク軍領域に向かって発進した。

航行中、紫苑さんから入ってきた通信によると、ダイユウサク軍はどうやら、本拠地の有人要塞ドリームダストを決戦の場に選んだようだ。
一応、コロニーと有人要塞には、誰かを残して進んでいるらしい。
もし何処かにひそんでいれば通信がくるはずだが、通信はない。
それに相手はダイユウサク軍、戦いは真っ向っ勝負してくるだろう。
そして、今度は夢さんも必ず出てくる。
カズミンさんも出てくるかもしれない。
次が本当の対決だ。
こちらも大将紫苑さんが陣頭指揮を取っているわけで、勝つか負けるかの勝負になるだろう。
そして勝った方が、ジークに挑む。
あの時、ジークを助けなければゲームが終わっていたかもしれないとは言え、ジークを助けたのは本当に正しかったのか考えさせられる。
助けた事が正しかったと言えるのは、おそらくジークに勝って宇宙統一を果たした軍だけだ。
その軍に、紫苑軍は手の届くところまできている。
長かった。
ゲーム開始から、既に3年目。
紫陽花さんが言っていた。
5年くらいは続けてもらわないと、会社としては辛いとか。
ちゃんと20億払ってくれるのかね。
紫苑さんから通信が入った。
 紫苑「これより、ダイユウサク軍と、再び戦いを開始する。4時41分。(^0^)」
時計は既に、4時42分になっていた。
始まったか。
こちらも高速でとばしているから、到着は5時くらいか。
十分間に合ったと言えるだろう。
俺は人型キュベレイの中で待機する。
補給も整備も終わっている。
完璧だ。
そして間もなく、スピードスターは戦場に到着した。

戦場に入ると、俺はすぐに発進した。
ざっと状況を確認する。
すぐに見つかった、ドリームの名前。
どうやらサラさんが抑えているようだ。
防戦一方だが、俺以外に夢さんを抑えられる人がいた事は、紫苑軍にとって大きな幸運だったと言えるだろう。
チサトさんの相手は、じぇにぃがしているようだ。
バトルグリードでドリームにも勝った事があるらしいじぇにぃ。
じぇにぃは初戦にめっぽう強い。
話しによると、チサトさんは手の内の見えない相手には弱いらしいが、二人は何度か対戦しているはずだ。
じぇにぃに不利な状況と言えるかもしれないが、俺の目には互角に見える。
おっと、ビューティフルベルさん、地球から上がってきたのか。
どおりで、数で圧倒しているのに、攻めあぐねているわけだ。
ダイスケさんとトイキさんのコンビには、同じくゴッドブレスのおとめさんとサウスさん、それにチョビも加勢している。
2対3で互角か。
というか、相手のコンビネーションは見事だ。
3人で勝てないのも納得。
それにしても、カズミンさんがいない。
何処かにひそんでいるのだろうか。
まあ良い。
俺の相手は、夢さんだ。
そう決めて、俺はドリームへと向かっていった。

ドリームダスト

午前5時、俺はドリームへ向かって飛翔した。
いよいよ、あの夢さんと戦う。
サラさんはさりげなく、ドリームから離れて行く。
1対1で戦わせてくれるようだ。
前に戦ったのは、ゲームが始まって半年くらいだったか。
そこから2年は経っている。
そういえば、あの時も今と同じ、キュベレイだった。
少し地球でも戦えるように改良はしたが、特に大きくは変わっていない。
ドリームもパッと見た感じ同じような機体だが、あの時は移動に特化したカスタマイズがされていたはずだ。
今日のドリームは、あの時とは違う完全体だ。
 ドリーム「カズミンに勝ったんだね。」
夢さんが通信してきた。
個人回線なので、特に拒否する理由もない。
 アライヴ「時の運だとは思うけど、なんとかねw」
 ドリーム「そうそうカズミンはもう、今日の戦いは出てこないよ。」
そんな事をわざわざ教える必要はないと思うが、なんとなく強者のらしさだなと思った。
負けたらもう戦えない。
戦場なら当然だ。
カズミンさんは、そういう枷を自らにかけているのだろう。
それともただ、人型があれだけだったのかもしれないが。
 アライヴ「そっかwじゃあ、この勝負で勝った方が、ナンバーワンだねw」
俺は、人型乗りで1番って事はもちろんだが、このゲームの優勝もきっとそうなると感じていた。
 ドリーム「だね。じゃあ、そろそろ行くよ!」
 アライヴ「いつでもw」
少し時間をおいて、俺達の戦いは始まった。
戦いは、どうやら俺の方が優位に戦えているようだった。
今までテンダネスで戦ってきたが、やはり俺にはキュベレイがの方があっているのだろう。
スピードはテンダネスの方が上だが、瞬発力と火力は、キュベレイの方が上だ。
人型同士の戦いでは、やはり瞬発力は最重要能力だと思う。
ま、人型でマップ間移動して自軍領域に戻る時とか、艦船の壁を突破する時は、テンダネスの方が良かったのかもしれないが。
少し苦笑いした。
後は、背後さえとられなければ、俺は勝てる。
テンダネスで戦ってきて、背後への警戒感が、少し薄れているようだから。
俺は今もまた、体の感覚に任せて、ドリームと戦っていた。
大人気アニメガンダムでは、ニュータイプと呼ばれる人々が出てくる。
もしリアルにそれがあるなら、無意識の中のこの戦い方こそ、ニュータイプの領域なのかもしれない。
俺はフェンネルを展開していた。
いよいよドリームを追い詰める。
それでもドリームは、前に出ようとする。
まだ気持ちでは負けていないようだ。
俺は無意識に、こちらもまた迎え撃つ形で前にでた。
刀を持った武士が、すれ違いざまにお互いを斬りあって、どちらかが倒れるあの場面を、今まさに実現しようとしていた。
しかし、俺はすれ違う前に、ドリームにビーム砲を命中させていた。
バランスが崩れたドリームに、俺は追い打ちをかけた。
そして間もなく、俺は勝利していた。
夢さんから通信が入った。
 ドリーム「最後、まさか撃ってくるとはねw斬り合うフリして、背後に回ろうと思っていたんだけど。」
そうだったのか。
もし俺が、頭で考えて動いていたら、負けていたのだろうな。
バカは考えない方が良いのだ。
俺はニュータイプになったのだ。
 アライヴ「ありがとう!」
俺は何故かお礼を言っていた。
俺が強くなれたのは、夢さんのおかげだとか、そんな事をこの時考えていたわけではない。
ただなんとなく、そう言った。
少し照れくさくなった俺は「じゃ!まだ戦闘中だから!」と言って、戦いの中に入っていった。
戦いは、どうやら紫苑軍が有利なようだ。
敵主力プレイヤはまだ健在だったが、戦力には大きな差があいていた。
勝ったなと思った。
その時だった。
じぇにぃと戦闘中のチサトさんが、こちらに攻撃してきた。
別に油断していたわけではないが、意表をつく攻撃に、ギリギリかわしたものの一瞬方向感覚を失った。
その隙を逃す事なく、敵の人型が俺の背後をとっていた。
早いな。
強い人がまだ他にいたのか。
機体名ブライト、名はウララ。
だけど、今の俺は強いよ。
背後をとられたくらで、そう思ったが、俺はあっさりと背中から、ブライトに斬りつけられ、そして戦闘不能になっていた。
テンダネスで戦い続けていた癖で、裏に切り替える操作をしてしまった。
そこに運悪く、艦船からの強力なビーム砲が飛んできた。
俺はモロに直撃していた。
そして・・・死んだ。

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