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勝負

ダイユウサク軍の面々が、敵を突破してきた。
戦力の数だけで言えば、俺達よりも少ないダイユウサク軍なのに、それでも突破してきたのは、やはり力の差を認めざるを得ない。
でも、軍の能力で負けていても、個人的に負けたと思うのは癪だ。
此処からは条件は五分。
必ず俺が1番に突破してやる。
とは言っても、接近するのに、チョビの力を借りている事は内緒だ。
艦船には、ある程度までは近づく事ができる。
だが、艦船を抜ける時に挟み撃ちに合うので、どうしても此処だけが抜けられない。
 ドリーム「アライヴさん、人型だけで突破しようなんて、無茶するねw」
俺達に追いついてきた夢さんが、通信をいれてきた。
俺は通信する余裕がなく、仕方なくスカエポの音声変換機能で話す。
 アライヴ「まけたくなかったんで」
此処でも、ダイユウサク軍の「要塞戦艦落とすよ~」とか、「はさみ撃ちでおけw」とか、通信が画面を流れていたが、夢さんとの会話に関係ないので割愛してお伝えする。
 ドリーム「じゃあ私も負けたくないから、人型で突破しよw」
 アライヴ「きょうそうだな」
 ドリーム「とはいえ、流石に接近するまでは、誰かに協力を願いたいね。チリ!よろしく!」
 チサト「おっけぇ~だよぉ~」
こうして、なんとなく夢さんと競争する事になってしまった。

人が集まってきて攻撃が分散したからか、多少余裕も出てきた。
飛んでくるミサイルは、誰かが落としてくれるし、ビームにだけ気をつければ行けそうな気がした。
チラッとモニターの隅に、美菜斗軍の艦船が、体勢を立て直し更に向こう側に壁を作るべく、移動しているのが見えた。
時間がない。
俺は一か八か、突き進んでみようと思った。
これだけのメンバーが集まっている。
きっと誰かが、助けてくれるはずだ。
 アライヴ「チョビ!じぇにぃ!ハルヒくん!戦闘タイム0520丁度に、俺は突撃する。援護頼む!」
画面の隅に、軍が戦闘を開始してから、どれくらいの時間が経過しているかが表示してある。
これを元にタイムを合わせて作戦行動するわけだが、同じ軍でないと時計表示は一致しない。
だから波動砲の時は使えなかったが、今度は正確にタイム指定した。
 チョビ「はい!」
 じぇにぃ「りょぅかぃですぅ~」
 ハルヒ「無茶ですってば!」
みんなの言葉が心強い。
ハルヒくんの言葉の何処が?なんてツッコミは無しだ。
これがハルヒくんなりの最高の返事である事は、今までの戦いで理解していた。
 ドリーム「カズミン!うちらも行くよ!チリ、今日子、大輔、トイキ、援護よろしく!」
 カズミン「はい!」
 チサト「シールドフェンネル使うよぉ~」
 今日子「了解いいいいいい!!!」
 ダイスケ「俺達は普通に後方から援護するよ。」
 トイキ「わかったさ。」
ダイユウサク軍も此処で行くようだ。
チサトさんの通信に「フェンネルシールド」という文字が見えたので俺は気になった。
つい最近導入されたもので、あのアニメでは、シールドビットと呼ばれるものだ。
導入を検討していたので、後で見る事ができれば参考にしよう。
そんな事を考えていたが、0520の数字を見た瞬間、全てを忘れて、俺は敵の中へと向かって行った。
思ったとおり、ミサイルは誰かが撃墜してくれるので、俺は真っすぐ飛んでくるビームにだけ気をつけて突き進んだ。
突破できる。
此処を突破したら、要塞まで一直線。
そしてようやく、俺の得意な対人型戦だ。
艦船に最接近した。
もう一息だ。
正面以外は、爆発の光で眩しい。
そして俺は見事に突破した。
 一生「やった!」
部屋で一人声を上げた。
しかし、まだ、最後の攻撃が俺に向かってきていた。
艦船から後方に撃ちだしたミサイルが、鋭角に向きを変え、艦船前方に進む。
それは俺の前方から、まっすぐ俺に向かってきていた。
盾もない俺に、コレをかわす術は無かった。

覚醒

向かってくる大量のミサイル。
俺に、かわす術は無かった。
いや、無いはずだった。
俺は無意識のうちに、フェンネルを前方に、半球状に出していた。
さっきチサトさんが「シールドフェンネル」とか言っていたからだろうか。
それとも、俺のフェンネルへの信頼からだろうか。
両方かもしれないし、どちらでもないかもしれないが、とにかく俺は、ミサイルにフェンネルをぶつけて、九死に一生を得たようだ。
やろうと思ってやったわけではない。
体が勝手に動いた。
自分でも信じられない。
俺、覚醒した?なんて思って、少し嬉しくもあるが、まだ現実感が無かった。
そして今も無意識のうちに、ジークの要塞へと向かっていた。
 ドリーム「ちょっと負けちゃったwやるねぇ!」
夢さんの通信に、俺は我にかえった。
どうやら夢さんも無事、あの壁を突破したらしい。
そしてどうやら、俺は夢さんよりも先に、あの壁を突破したようだ。
夢さんに勝ったのか。
仲間があっての勝利だが、勝ちは勝ちだ。
俺は顔がにやけた。
それでも、さっきの自分はなんだったのだろう。
今一受け入れられず、俺に慢心は全くなかった。
 アライヴ「まぐれだよ。なんか勝手に体が動いてさ。」
俺は正直に話した。
すると夢さんは、それが当然と言わんばかりだった。
 ドリーム「ん?いつも勝手に動くよ。違うの?」
それを聞いて理解した。
いつも夢さんは、さっきのあの感覚の中で戦っているのではないか。
だから人間業とは思えないスピードが得られるのではないか。
もしそうなら、勝てるわけがない。
でも、もしさっきのアレが、再び俺にできるなら、ようやく俺は、夢さんに追いついたのかもしれない。
今更ながらドキドキしていた。

突破したのは、俺と夢さん、そしていつの間にか、カズミンさんもこちら側にいた。
俺は要塞を目指したが、夢さんとカズミンさんは、後方から艦船を攻撃していた。
ありがたい。
残った仲間の事は、任せて大丈夫そうだ。
俺はただ一機、広がる空域を突き進んだ。
そして間もなく、要塞内へと突入した。
要塞内は、静かだった。
本来ジークから見れば、紫苑軍は敵であるわけだから、防衛機能が働いていたら、攻撃があるはずだ。
それが無いって事は、この辺りの防衛システムは既に破壊されている事になる。
当然だが、美菜斗軍にやられたのだ。
これは一刻の猶予もない。
俺は先を急いだ。
しばらく進むと、両軍の人型の残骸が、そこかしこに見られるようになった。
この辺りから、本格的な戦闘が行われたのだろう。
美菜斗軍の人型が一機、こちらに攻撃してきた。
俺は軽くかわして、敵機をビームソードで切りつけた。
その後も要塞内で、何度か美菜斗軍の人型と戦闘した。
俺はことごとく勝利する。
そして、もうすぐ司令室のある拠点エリアに入ろうかという辺り、広くなった場所で、信じられない光景を見た。
無数の人型が、その空間を埋め尽くすように漂っていた。
屍がゾンビとなって、行く手を阻んでいるようだった。
これだけ沢山の人型が、導入された大戦争、それほどまでに重要な戦い。
此処でジークが負ければ、美菜斗軍に宇宙は制覇されるって事だろうと理解した。
人型をどけながら、俺は進んだ。
一刻も早く進みたいのに、本当にじれったい。
それでも焦らず、俺は残骸の海を渡り、ようやく拠点エリアへとたどり着いた。
さて、此処からは迷路だ。
そして、より一層美菜斗軍とはち合わせる可能性が高まる。
それでも俺は全速で司令室を目指した。

拠点内では、何度も美菜斗軍の人型と遭遇した。
その度に俺は速攻で倒して、先を急いだ。
そんな時、通信が入った。
 紫苑「その有人要塞阿蘇山、美菜斗に持ち主が変わってるんだけど。(^0^)」
どういう事だ?
ジークは司令室にいたのではなかったのか?
この拠点が落とされたからと言って、ジークが負けるわけではない。
生き残る事が目的なら、別に司令室を放棄して、何処かに時間切れまでかくれている事もできる。
俺はふと思いついた。
隠れるのに、うってつけの場所。
さっき通ってきた、屍の海。
木を隠すなら森の中。
人型を隠すなら、人型の中。
俺はまた無意識に、先ほど通ってきた、人型の残骸の海を目指して、来た道を戻っていた。

無意識の中の決着

人型の残骸の海に戻ってくるまで、ただただ俺は、向かってくる美菜斗軍を倒した。
それは覚えているのだが、いつからか、どんな戦闘をしてきたかも思い出せなくなってきた。
眠気からだろうか。
それとも疲れだろうか。
俺の意識は、先ほどからハッキリしない。
まる一日以上ゲームをしていれば当然か。
そして今も、更に意識が薄れていくようだ。
そんな状態で、俺は再び残骸の中へと入って行った。
今度は此処でも、敵の攻撃があった。
お互いむやみに攻撃はできない。
戦闘不能となった人型を盾に、敵はこそこそと攻撃してくる。
でも、面倒くさいとか、ましてや勝てないなんて思わなかった。
俺はいつもどおり。
来る敵来る敵、俺は排除していった。
そして少しずつ、屍の海の果てを目指して進んでいった。
とうとう見つけた。
追い詰められたジークが、今、目の前にいた。

その後の事は、もうほとんど覚えていない。
ジークのそばには、群青さんと疾風さんがいた。
四天王の残りの二人、麒麟さんと紅蓮さんは既にやられていた。
その時群青さんと通信してそう聞かされた事を、かろうじて覚えている。
後は24時まで、ジークを守る為に、美菜斗軍の人型を倒しまくっていたようだ。
気がつけば夢さんがいて、カズミンさんがいて、じぇにぃがいて、チョビがいて。
戦闘時間が終了した後、寝オチした俺が目を覚ました時には、有人要塞ネコミミに戻っていた。
俺は慌てて、状況を確認した。
ジーク軍は健在だった。
もちろん、紫苑軍も、サイファ軍も、ダイユウサク軍も、問題なかった。
俺達は、負けなかったのだ。
宇宙の領域マップは、多くが美菜斗軍の領域になってはいたが、ギリギリ対抗できるだけの状況は守れたと言える。
もしあのままジークがやられ、美菜斗さんが完全勝利していたら、もっと多くの人が、美菜斗さんに味方する事になっただろう。
やはり勝てないと諦めていただろう。
勝負が決しようとしていたが、まだまだこのゲームは終わりそうになかった。

美菜斗軍は、大量の物資を投入した作戦だったので、3カ月程度、大規模に戦闘はできない。
いや、おそらくもうこんな戦いはできないだろう。
かたやジークは、本拠地を地球へと移し、復活にかけるようだ。
サイファ軍は、相変わらずの戦いを、ダイユウサク軍は地味に領地を増やしていた。
そして我が軍はと言えば、あの大戦の後、快進撃を続けていた。
まずは曹操軍を叩き、再び地球方面へと侵攻していた。
あの大戦の後、俺は紫苑さんに進言した。
 アライヴ「俺達も、艦長と指揮官を分けて、ダイユウサク軍のように指揮する人が必要ではないかと。」
でも紫苑さんは、その進言を受け入れなかった。
 紫苑「あれはあの軍だからできる事。逆に言えば、あんな作戦は、あの軍の司令官じゃなきゃ出せない。俺達は俺達のやり方を貫く。それでも勝てる!(^0^)」
正直その時は納得できなかったが、俺は紫苑さんに従うしかなかった。
それでも、今の快進撃があるわけで、あの大戦の後、俺達は強くなったと感じられる。
結局は、今までのやり方があっていたのだと納得できた。

大戦から2カ月が過ぎた頃、面白い現象がおきていた。
地球から月の外側二周り分くらいの領域が、ぽっかり空いてしまっていた。
コロニーや有人要塞には所有者は存在したが、要塞は皆取ろうとしなかった。
取っても空家状態。
生産性の無い要塞を維持したり、守ったりするコストがもったいないってわけだ。
それに中心付近は、戦場になる事も多いから、誰も欲しがらなかった。
そんな状況を見て、一人のプレイヤが、その地を狙って動こうとしていた。
そしてまた別の軍が、この状況をチャンスととらえて、作戦行動を開始していた。
この偶然のタイミングの一致が、こう着状態になりつつあった戦況を、大きく動かす事になった。

ジーク再び

最近の俺は、フェンネルダガーと、シールドフェンネルを試していた。
あの大人気アニメのファングと、シールドビットをパクったものだが、今一使い勝手が悪いからか人気は無く、使う人はドンドン減っていた。
まずフェンネルダガーから説明すると、大きさはフェンネルの約3倍で、フェンネル3機のスペースに1機しか搭載できない。
攻撃は、簡単に言えばフェンネルの突撃で、それで相手を斬りつける。
それなら、フェンネルでビームを撃った方がコストも良いし、スピードも速く、要するに、バリア対策のミサイル程度にしか役に立たないと分かった。
それでも俺はあの大戦で痛い目をみたので、フェンネルダガーを4機ほど、テンダネスに搭載する事にしていた。
次にシールドフェンネルだが、こちらも微妙だ。
大きさはフェンネルの約4倍で、専用の搭載ボックスが必要となる。
この時点で、人型の動きが落ちる事が想像され、あのアニメと同様、狙撃タイプの人型でしか使えそうにない。
数が無いと大きな効果も望めず、シールドフェンネルを使うくらいなら、盾を持った方が使えるってのが、一般プレイヤの評価だった。
だけど俺は、フェンネルを盾にして攻撃を防いだ経験もあったので、2機だけ、フェンネルのスペースを削って、搭載ボックスを肩のあたりにつけた。

さて、今日もまた俺達は、地道に領地拡大する為に出撃する。
最近はどの軍もおとなしく、積極的に動いているのは、俺達くらいなものだ。
もちろんあちこちで、小さな戦いは行われているが、どうでも良いような要塞の取り合いで、戦略性が見受けられない。
俺達が領地を拡大するのは、生産性の拡大の為に有人要塞とコロニーを取る事もそうだが、強さを誇示する事も大切な目的だ。
美菜斗軍だけではないって事を示さなければ、みんなあちらに味方しかねない。
それでなくても美菜斗さんはネットゲームのカリスマなのだから、得意になって見せつけるくらいでないといけないと思った。
 アライヴ「そろそろ出るよ!」
 紫陽花「了解~よろしく!」
俺は再び、紫陽花さんのパープルフラワーと行動を共にしている。
大戦の時は久しぶりに紫苑さんのパープルアイズに乗ったけれど、どうもしっくりこなかった。
俺の帰る艦船は、もうパープルフラワーなのだな。
今日も必ず此処に戻ってくる、そう決意して出撃した。

戦闘は今日も絶好調。
なんの問題も無い。
フェンネルダガーを使ったり、シールドフェンネルで何処まで守れるか試したり、それでも楽勝なのは、俺が成長した証拠だろう。
今なら水陸両用のモノトーンで戦ってもそれなりにやれそうだ。
俺は勢いにのって、敵の要塞内へと入って行った。
外にもまだ敵は残っていたが、楽勝だし、あとはチョビとみゆきちゃんでなんとかなるだろう。
それにチョビはもう完全体だ。
何かあっても、戦闘終了まで戦える。
チョビの話によれば、毎日のように、母親から200万円は?なんて聞かれるらしい。
ご安心くださいお母さん。
おそらく今では、金利で400万円くらいに増えてますよ、きっと。
そんな事を考えながら、楽しく要塞の防衛機能を無力化していった。

もうすぐ20時になろうかという頃、要塞エリアから、拠点エリアへと入ろうとしていた。
その時、紫苑さんから通信が入る。
 紫苑「ダイユウサク軍の最前線コロニーが、ジークに落とされた。(^0^)」
なんと、とうとうジークが動き出したのか。
それにしても、よくもまあ2カ月で立て直して、ダイユウサク軍のコロニーを落とせたものだ。
やはり地球に拠点を持つ事は、かなり有利だという事か。
ちなみに、ダイユウサク軍や美菜斗軍は、未だに地球に拠点を持っていなかった。
ただ、美菜斗軍に関しては、息のかかった軍がいくつもあるだろうから、機会があれば一気に美菜斗軍へと変わるだろうし、あると言って差し支えないだろうけどね。
それにしても、ダイユウサク軍の拠点がこんなに簡単に落とされるとは、どうも信じられなかった。
 アライヴ「ダイユウサク軍、何かあったのかな?こんなに簡単に落とされるなんておかしいよね。」
俺の疑問は、当然の疑問だと思う。
だから紫苑さんも、その辺りの情報を集めていた。
 紫苑「どうやら、今、地球降下作戦を決行中らしいよ。チャレンジャーだね。ま、空家を狙われたって事かな。」
 アライヴ「ジークはそれを知っていたのかな?」
身内だけの軍、情報が漏れる事はないと思うが、そう考えなければ、説明がつかない。
 紫苑「どうやらジークは、地球周りの空き要塞を占領して、宇宙に返り咲くつもりだったって話も。」
 アライヴ「そしたらたまたま、ダイユウサク軍のコロニーが空き屋同然だったんで、攻めた感じ?」
 紫苑「うん。」
まさか、そんな偶然が。
でも、実際そうなっているのだから、これに対してなんらかの対応が必要になるかもしれない。
本来、ジークとダイユウサク軍の戦いは、現状あまりよろしくない。
美菜斗軍に有利になるからだ。
こんなタイミングなら、美菜斗軍も自由に動けるというもの。
俺達4軍と、美菜斗軍がにらみ合っているから均衡を保っているが、4軍が内輪で争ったりしたら。
 紫苑「くるか?」
 アライヴ「美菜斗さんなら、きっとこんなチャンス逃さないかと。」
俺達がそう言った直後、嫌な予感は現実となった。
 レイズナー「美菜斗軍が領内に侵攻してきたぞ。」
 紫苑「紫陽花、チョビとみゆきだけ乗せて、ネコミミに急行!」
 アライヴ「俺は?」
 紫苑「自力できてくれwテンダネスなら、そんなに時間もかからんよね?」
 アライヴ「いや、艦船と比べれば2倍はかかるかと。」
 紫苑「頑張れ!」
こうして俺は、パープルフラワーに帰る事ができなかった。

ジークの逆襲

パープルフラワーが去った後、俺は急いで要塞をでた。
一応外にいた敵の人型は片付けてくれていたようで、全力で帰還に専念する事ができた。
なんとか有人要塞ネコミミまで帰ってきたが、どうやら戦場は別の場所に変わったようだ。
 紫苑「最初のルートだと、狙いはネコミミだと思ったけど、どうやら旧曹操軍領域方面みたいw(^0^)」
簡単に言ってくれるが、人型でそんなところまで行けるわけがない。
かといって、行かないわけにもいかない。
俺が行かなくても、こちらの領内ならそう簡単には負けないと思うが、敵は美菜斗さんだ。
俺は超久しぶりに、自分の艦船ノレンを出港させる事にした。
ゲーム終了まで、もう使う事はないと思っていた艦船。
それでも一応メンテナンスもしているし、それなりの能力もある。
逃げる能力だけど。
俺はノレンに着艦した。
するとまた、紫苑さんから通信が入る。
 紫苑「悪い!こっちは大丈夫そうだから、サイファ軍の有人要塞メロンぱんに援軍に行けないか?本命はサイファ軍みたいだ。(^0^)」
なるほど。
ジークとダイユウサク軍の戦いを見て、我々紫苑軍にけん制をかけて、サイファ軍を撃つ作戦か。
今日は土曜日でもないし、時間もそれほどはないけど、重要な拠点を取るか、もしくは有利な状況で、大きな打撃を与えられればってところか。
俺が取り残された事は、どうやらサイファ軍には吉だったようだ。
此処からなら、メロンぱんの方が近いし。
 アライヴ「ノレン発進!(笑)援軍了解~」
 紫苑「(^0^)/」
俺はピクニックにでも行くようなウキウキ気分で、サイファ軍領域へと向かった。

有人要塞メロンぱんにつくと、戦場は十分に温まっていた。
これならいつ参戦しても、問題無くスムーズに入っていけるだろう。
なんて冗談を頭に思い浮かべならが、俺はサイファさんに通信をいれる。
 アライヴ「援軍にきました。えっと、状況はどうですか?何すれば良いですか?」
全然スムーズには、入っていけなかった。
 サイファ「ありがとうございます。今日子さんをサポートしつつ、カニさんと共に敵をひっかきまわしてください。」
 アライヴ「了解~」
とりあえず今日子さんと一緒に、美菜斗軍を叩けばいいやと思って、俺はノレンをNPC艦長に任せて、テンダネスで発進した。
そして直後、サイファさんの言葉の重要性に気がつく。
 一生「え?カニさんって、アイドルのしゃこたんじゃねぇかよ!」
どうやら今日は、しゃこたんは艦船を操っているようだ。
とりあえず合流し、通信する。
 アライヴ「どもw援軍にきましたw」
 今日子「おおwありがたい!もう美菜斗軍面倒くさい!」
 キャンサー「よろしくねぇ~wあ、よろしく頼むぜ!(笑)」
今日子さんはどうやら、俺の援軍を心底喜んでくれているようだ。
カニさんは、どうせ通信している人はみんな知っているのだから、男にならなくても良いわけだけど、まあそのまま喋られると照れるし、男の方が良いかも、なんて思った。 
カニさんが敵の真ん中へ突っ込んで行く。
なかなか大胆な行動を取る人だ。
それに気を取られる人型を、俺と今日子さんで狙い撃ちだ。
更にそのまま、敵艦船の背後に取りつく。
この人、人型で出ていた時は、ただのアイドルだと思っていたけど、艦船での戦闘は、なかなかどうして素晴らしい。
前作の宇宙の絆では、前線で戦っていた人なんだよな。
これくらいできて当然か。
数では完全に負けているサイファ軍だけど、コレは勝てると思った。

楽しい戦いをしばらく続けていた。
すると、急に敵が、撤退行動を開始した。
 アライヴ「どうしたんでしょう?」
まだまだ数では圧倒的に敵が有利だし、撤退するには早すぎる。
実際こちらの要塞には、既に侵入も許しているし、勝負はどちらにころんでもおかしくない状況だった。
撤退の答えは、すぐにサイファさんからつげられた。
 サイファ「どうやらジーク軍とダイユウサク軍が、美菜斗軍領域に侵攻しているみたいよ。ジークめ、憎たらしい事しやがるなw」
撤退の答えは分かったが、何故ジーク軍とダイユウサク軍が、一緒になって?
さっきまで戦っていたのではないのか?
 サイファ「ジークから通信が入ったw借りは返したぞ!だってさ。最初からダイユウサク軍と共謀していたみたいね。」
どういう流れでそうなったか、今の俺達には予想する事しかできない。
予想でしかないが、これは最初から仕組まれた事ではなかったように思う。
偶々の状況の中で、ダイユウサク軍がジーク軍にコロニーをプレゼントした?
ま、今考えても仕方がない。
今どういう対応をとるかだ。
 アライヴ「どうします?」
 サイファ「カニさんのキャンサーに乗って、今日子さんと一緒に追撃してもらっていいですか?」
願ってもない。
しゃこたんと一緒に戦えて、しかも追撃だなんて。
俺は、自分の艦船ノレンの事はすっかり忘れて、美菜斗軍を追撃した。

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