目次
坂本竜馬の言説(11)
現代の日本人よ(11)
薩長土の動向
― その1 ―  雄藩の思惑と事情
― その2 ―  西郷と久坂の接触
― その3 ―  長州・尊王攘夷に立つ
― その4 ―  武市瑞山の咽び
竜馬、江戸へ
― その1 ―  待ち続ける加尾
― その2 ―  大和の血の滾り
第一の勅使と薩摩軍
― その1 ―  文久の改革
― その2 ―  イギリス商人斬殺・生麦事件
― その3 ―  日本を狙う異形者
江戸の脱藩浪人・竜馬
― その1 ―  重太郎との再会
― その2 ―  桂小五郎、そして間崎哲馬との談義
― その3 ―  滄浪・間崎哲馬の日本海軍構想  
― その4 ―  福井藩への紹介状
横井小楠の海兵養成構想
― その1 ―  土佐の下横目・岡本健三郎
― その2 ―  福井藩政治顧問
― その3 ―  小楠との同調
― その4 ―  佐那の涙
長土の京
― その1 ―  長土と天誅の京
― その2 ―  京の名残
暴れ牛・高杉晋作
― その1 ―  容堂の権力復帰
― その2 ―  瑞山との再会
― その3 ―  上海の実状
― その4 ―  松陰の狂気
攘夷の勅使
将軍・勅命に下る
福井藩邸再訪
― その1 ―  近藤長次郎
― その2 ―  勤王党による土佐国許改革策
― その3 ―  小楠の誘い
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現代の日本人よ(11)

 「今の人間は善き者か、悪しき者か。
 それは他者と通じる心があるのか、自己を中心に生きているのかで計れるぜよ。
 日本のために死んでいった者が美しいのはそれが理由じゃ。

 それを伝えねば日本は腐る。

 もう腐りはじめちゅう。

 
 何のために生き、何のために死ぬるか。
 それが人の真実の姿を映し出しちゅうちや。

 本当の自分を見付け、本来の自分、正しき心を見付けんと抜け出せん。

 
 この世は映し世。
 心の映し世ぜよ。
 世の中が荒んでおれば、人の心も荒んじゅう。
 それを正さないかん。

 
 心が大切なんじゃ。
 物より金より心じゃ。
 人よ、それを取り戻すんじゃ。

 分からん奴が世を支配したら、この世は闇ぜよ」


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― その1 ―  雄藩の思惑と事情

  文久二年六月、
  土佐藩を脱藩し、浪人となった坂本竜馬は京に入っていた。
  この時期、文久期の国内情勢はとてもややこしい。
  少し整理してみたい。
 
  朝廷を軽視し、済し崩しに西洋諸国と条約を締結していった大老・井伊直弼は、その強行路線を安政の大獄という恐怖政治によって正当化しようとした。それは尊王の総本山・水戸藩の力を貶めもした。だが、国内の志士達を発起させ、大老暗殺という形で幕府の求心力をより低下させる事になってしまった。
  桜田門外、坂下門外と江戸城の前で幕閣への暗殺事件が繰り返され、幕府の権威は地に落ちていったのである。・・・それは水戸の怨霊だったのか。
  幕府の地位は揺るがぬものの京の求心力が強大化しているのは明白である。追い込まれた徳川家は回復と延命のために、将軍と和宮の婚姻からなる『公武合体策』に頼る事にした。

  そんな状況であった。
  すると、
  「関ヶ原の覇王・徳川家は弱まった」
  とばかりに、西国雄藩が動き出す。
  この期に乗じて幕政への関与、影響力を高めようとして朝廷と幕府に対して積極的に接触を始めたのである。
  またこれまで禁じられてきた朝廷との接触にも乗り出した。徳川幕府はもう抑えられなかった。朝廷は薩長土の三藩を中心に回り始めようとしていたのである。
  

  長州藩は、長井雅樂の航海遠略策によって従来の幕朝関係を保ちつつ、幕政への復権を目論んでいた。しかし久坂玄瑞ら尊王攘夷派の行動によって藩はそれを撤回し、公武合体策を捨てて真の勤王に目覚めようとしていた。

   その一方で薩摩藩は、軍事力を京に持ち込み、見せつけ、攘夷派の藩士までも斬り殺すなどして一気に京の空気を一変させた。事実上の京の制圧である。更に島津久光は朝廷からの勅使と共に江戸へと向かい、徳川幕府の改革を突きつけようとしていた。朝廷を利用し、持ち上げる事で、その背後で糸を引く己の影響力を徳川家に誇示するのが久光の狙いだったのである。

 

  それぞれの藩主は志士達とは異なる考えで動いていた。自藩の利益を追求して動いていたのだ。それが少しずつ変化してきていた。
  薩摩藩は幕政の権力を欲して公武合体策を推しているが、長州藩は公武合体から尊王攘夷への内部変革を起こし始め、土佐藩は公武合体派の吉田東洋が暗殺された事で尊王攘夷へと走り出していた。
  それが三藩の情勢だった。
 
  その裏では、三藩を含む諸藩の志士達が尊王攘夷の合言葉の下で連携していた。
  彼等には天朝への忠義心があっても、徳川家への忠義心は薄い。吉田松陰の遺志を継ぐも久坂玄瑞が草莽崛起を叫び、藩の呪縛から飛び出せと繰り返していたのである。
  そして坂本竜馬は脱藩したのだ。


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竜馬外伝i-26 政治顧問・横井小楠


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著者 : 中祭邦乙
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