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 遠藤周作著 沈黙。

 人生において、この本との出逢いはとても大きなものだった。

 人生に影響を与えた本といえるのだろう。

 

 私の住んでいるところは坂の上には緑が豊かな六甲山脈が連なり、坂の下へ降ると港があり瀬戸内海が広がるという、生まれながらにして身近に自然を感じる街だ。 

 秋から冬には六甲おろしが吹きつけ、港には時折、外国船が港に停泊したりして汽笛が聞こえることも少なくはない。

 そして、日常生活の中、外国の人を見かけることも結構多かったりする。私の通っていた幼稚園や小学校でも、同級生の中に数人は外国人の子供がいた。国籍や宗教が違うということは日常のことだった。

 そんなこともあり、幼いころから近くの教会へ通ったことがあった。だから、最初はイエス様やマリア様のことが書かれてあるのだろうと思っていた。

 

 そんな私がこの本を初めて読んだ時、なんや、神様なんかおらへん。そう思ったのを覚えている。

 当時、両親はバブルで結構な羽振りの良い生活を送っていたと思う。

 そのおかげで、お嬢さん学校と名の知られている中高一貫の学校に入学し、高校へ通い出したころだった。

 そのころ、両親から付属の短大への進学を断念するようにいわれた。

 それまで女子校という花園で、他に負けじと自己主張をする女の子達に圧倒されつつも、その色に染まっていた私は、晴天の霹靂というものを実感した。

 

 憧れていた大学への受験を密かに考えだしていた私は、将来の夢や目標を新たに探し出した。

 知人の紹介で化粧品会社の面接に行こうとしたのだが、結局は両親の反対で行けなかった。

 それならいっそ、専門学校とも考えたのだが、当時の専門学校入学者はまだ少なくて、親類まで担ぎ出されて反対された。その結果、私は両親を恨んで反抗を繰り返したのだった。

 

 神様なんかおらへん。この言葉は私の中に棲みついていた。通っていた日曜学校も行くのを辞めていた。しかし、主人公の焦燥感が私をより一層、焦らせていた。

 もう一度、沈黙を読んでみることにしよう。そして、本棚に追いやられていた沈黙を手に取った。

 

 もう一度、読んでみると、この本を最初に読んだ時の私は、すっかり消えてしまった。主人公の愛や正義、神を求める言葉に共感していたのだった。そして、私の中に、沈黙がしっかりと居座った。

 真実の愛って何やろう。そう考えるようになっていた。そして、まだ夢や目標は見つからなかったが、両親なりの愛に気づいていったのだった。

 

 今、時間が経ち子育てをする中、子供達に愛を伝えられているのだろうかと感じることがある。しかし、頼りない私は思う。どんなだって親だから、忙しい日々の中でも子供達を愛しているのだと。

 そして、私の夢と目標がやっと見つかった。それは子供達に愛を伝え残すこと。

 今、胸を張っていえることがある。それは、すべては愛の上に成り立っているということ。すべての道は、愛に繋がっているということ。

 これは、この本が教えてくれた真実なのだった。


奥付


ターニングポイント 2


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著者 : 清瀬ちこ
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