閉じる


<<最初から読む

4 / 34ページ

何度でも

昔の僕は天才だった
誰よりも高く飛べた
もう過ぎ去ったこと

 

ある日
僕の羽根は折られてバラバラになった
意識は宙を漂った
心は命を失いかけてた

 

みんなは役立たずになった僕を見捨てて去ったのに
君だけがそこにいた
傷だらけの僕を待っててくれてた

 

 

僕は「もうダメだ」と言ったよね
心はもう死にかけてた
だけど君は
「まだいけるよ」って言ってくれた
望むように生きることを諦めないで
昔のように飛んでる君が見たい・・・

 

 

 


何度でも 僕は生き返る
何度でも 君のために転ぶよ
いつか障害をのりこえてここへ戻ってくるから
それまで待っていて

 

 

いつか自由を手に入れて
ここへ戻ってきたとしても
君はきっとそこにいてくれるだろう
何て言おう
言う言葉が見つからないよ


「ありがとう」の他に


休日なんか

生き急いでる風に見えないこともない
って君は言うけど
明日が楽しみで 眠れないんだ


一秒一秒が
楽しくて もったいなくて
息つく暇もなく
この瞬間のざわめきを
君に触れる喜びを
ひとつ残らず感じていたいから


どんな休日よりも
君といる時間だけが 一番の休憩だから
休日なんかいらないよ

君と僕の間に
休日なんかいらないよ


いつか、色あせても

卒業文集の背表紙が 白くなってしまった     
お気に入りのクッションも色あせて           
                                           
「永遠に変わらないものが欲しい」と
人は言うけれど
僕らがいなくなっても 愛だけが続くの?

 

光を浴びて 全てが輝きながら色あせていく
限りある命を燃やして

それでもいい いつか色あせる日が来るとして
光を浴びていたい
この景色をずっと見ていたい

 

 

 


ちっちゃなアクセサリーは
みんな錆びてしまった
大好きだった海は汚れてしまった


光を浴びていたい
窓の外の青空をずっと見ていたい
見慣れた景色と一緒に色あせるのが
どうしようもなく楽しみだから
幸せだから・・・

 


展望台と天使

何もかも知った後では
展望台へ上るのさえ恐くなってしまった
子供の頃は大好きだったのに

エレベーターへ乗るのさえ
恐くなってしまった
何も知らなければ良かったのに

 

お気に入りの景色が消えていく
世界は夕方へ向かってゆっくり動いてく
僕らの日の入りの前に 
展望台で君と夕日を見たいよ
神様
どうしたらいいだろう

 

 

天使が現れて
恐怖を忘れさせて
僕らを最上階へ導く夢を見た
ただの夢の話

 

 

 


いつも孤独で 何かに怯えてて
誰かに支えてもらわないと倒れてしまいそうだ
神様
どうしたらいいだろう
階段を見るだけで吐き気がする

 

 

 

いつか天使が現れて
自信が恐怖に打ち克つ日を
いつも夢見てる


いつか天使が舞い降りて 
恐怖の扉を壊して
展望台の一番上で
何もかも忘れて君と夕日を見る夢を
神様
日の入りまでに
僕はあきらめない

 


写真の中に

戻りたいよ 写真の中に
あの頃の二人に
写真の僕は
悲しみを知る前の顔をしてる

 

中学校で 全てを失った
高校の頃は 死ぬことばかり考えてた
暗雲が頭を占拠して
鬱が関心の全てだった
君の事なんか考える暇も無くて
幼い感情も忘れてしまった


いつの間にか君は 
ここからいなくなっていた
気が付いたら追い払っていた
手も感情も 汚れてしまった

 

 

 

戻りたいよ あの頃の二人に
今年の夏は海へ行きたい
君を誘って
貝の転がる海で泳いだら 
みんな忘れられそうだ


戻りたいよ 写真の中に
何も知らなかった頃の笑顔に
海は二人の手を繋いでくれるかな



読者登録

雨野小夜美(おけちよ)さんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について