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全二十話タイトル目次とご案内

春野ルハ短編集 幽霊シリーズ 第一集 二十話 

 

              二十話タイトル目次とご案内

 

            価  格  公 開 関 係

一 話 「ホルマリン池から出てきた女」     60円    3月中旬公開済

 

二 話 緑地の幽霊               60円    3月下旬公開済

 

三 話 墨染の衣                60円     未公開

 

四 話 病院の幽霊  ―病院見送り人―       30円     未公開

 

五 話 悲愴パン屋の死             40円     未公開

 

六 話 あの世とこの世の出入り口        50円     未公開

     ―京都でのこと― 

 

七 話 「姨捨」対「間引」戦争          50円     未公開

     ―姥捨ての幽霊― 

 

八 話 新地の幽霊                70円     未公開

 

九 話 咳 呪われた家               10円    未公開

 

十 話 「幽霊電車は夜中に走る」          90円    未公開

 

十一話 コンビニの幽霊・・コンビニ小僧       10円    未公開

 

十二話 六月の夜                 20円    未公開

 

十三話 元駐在所警察官の最も恐ろしかった話      30円      未公開

 

十四話 橋を彷徨う女の幽霊              20円      未公開

 

十五話 元高校教師・・川田次郎の不思議な話     30円    未公開

 

十六話 峠の幽霊・・柿木太郎物語              30円    未公開

 

十七話 「地源池」の呻き               70円    未公開

 

十八話 幽霊体験者                   20円     未公開

 

十九話 女郎蜘                      130円              未公開

 

二十話 命が惜しい・・有馬の幽霊                                        140円       未公開

 

第二集予告

二十一話 幽霊屋敷

     幽霊からのメッセージを聞いてみませんか、幽霊はいつの時代にでも人間に寄り添って

               歩んできました。

     私達の分身の声を聞けばきっと元気がでるでしょう。  

 

 


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最終更新日 : 2012-04-15 11:21:33

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本文1

 

 『ホルマリン池から出てきた女』

              

内海洋一は暇(ひま)さえあれば海へやって来た。 彼の目的は素(す)潜(もぐ)りにあった。

豊富な彼だけの漁場を知っていたからである。

彼は高校を卒業するとすぐ地元のスポーツ販売店に就職した。

スポーツ好きの彼にはもってこいの職場だった。すでに就職して8年が過ぎようとしていた。

彼が今日訪問した建設会社の社長はまだ若いが、彼もまた大のスポーツ好きで通(とお)っていた。

創業10周年記念スポーツ大会という名目で、社員やその家族、35種類の工事協力会社、その家族、関係取引先などいつも100人以上は集まってくる。

 

そこからまたこの会社の営業情報が入って来るという仕組(しくみ)である。 午後2時、スポーツ大会の企画計画実行など行うための関係者が会議室に集められた。 例年のことなどで予定時間である3時間の会議は手際(てぎわ)よく運び1時間余りで終了した。

余った時間は社長が話をすることも恒例(こうれい)となっていた。

社長の緒方(おがた)は上機嫌で話し始めた。 「・・・、こう見えても甲子園球児だよ、おれは・・・」と話を切り出した。そしてなめるように囲りを見回した。

洋一他6人が残っていた。社長の話は大体皆が知っていることでもあった。

 

「高校3年生、最後の夏の甲子園、1回戦、9回表ツ―アウトランナー無し、9対0のボロ負けでさあ、俺、ピンチヒッターだ、誰も自分が最後のバッターになりたくないよなあ、監督(かんとく)の温情は分るがこっちは足が震えたよォ、そりゃあ必死で振ったよバットをな、みんなはオマエ目えつぶって振ってたぞといっていたがちゃんとボールは見えていたよ、 しかし3球3振さあ、最も恥なことは最後の1球は振らずになあ、一生の後悔だよ、ピッチャーゴロでもセカンドフライでもよかったのになあ一生の不覚(ふかく)だよ」 このあたりから緒方社長の顔色が変わってきた。

こんな様子は一度も無い。

特別な話が出て来るかも知れないと皆は唾(かたず)を呑(の)んで次の言葉を待った。

 

「トラウマさあ、今も心のどこかでトラウマさ、野球ばっかりやっていたからさ、それにプロとか大学野球とかいった器でもないしさ、先輩の引きで地元にある大手建設会社の支店に就職したけどさあ、嫌な係長がいてな、いつも使(つか)い走りや嫌な仕事ばっかり押しつけられてさあ、ちょっと前迄は甲子園初出場、地元の英雄、映えある甲子園球児とちやほやされていたし女の子からも憧れの目で見られていたしさあ、その頃は女の子から20通くらいはラブレターもらっていたし、後輩の男の子からももらっていたよ、今は1通も無いしな、それでいいんだけどな、だんだんと不満が溜っていってな、俺って結構短気な所あるだろう、3ヶ月もしない間に係長と喧嘩して係長の顔を思いっ切りなぐってしまってなあ、軽量の係長はふっ飛んで、口切って鼻血出してやれ傷害罪で訴えるだの、会社の恥だから訴えるのだけはやめとけとかいろいろ騒ぎになってしまってな、皆の目が『お前が会社をやめろ』と云っているのが分るしな」


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最終更新日 : 2012-04-01 10:59:04

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販売価格60円(税込)

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