閉じる



自然はいつも凪いでいるね

音のない激しさで

行かずとも

在るがまま在る

そのままで

誰にも触れられなくても

世界を愛でている

そういうもので在ろう


2007.4.24.

端切れ

自然のままに在るものは開かれている

閉じている瞬間をリアルに感じることの苦痛

自ら首を絞める手に入る力

閉じること 開くこと

全てを捨てたものに触れていく感覚

穏やかな 裂くような

ゆったりと 毟り取っていく

端切れ


2007.5.4.&2007.5.7.

這うように生えるもの



内側を這うように進んで

自分の中には王国を
壁によるものではなく
在るがままにある開かれた王国

開かれた王国から見た雑多な世界は
開く事ができるものであるながら閉じているもの
開き方を知らないもの
開き方を忘れたもの
無関心なもの
全く何もわからずにただ埋もれているもの

在るままに在るものは
土地が肥沃なら潤い
枯れていれば這うように生える

這うように生えるものであってもいい

その中に開かれた王国を築こう


2007.5.11.

森と



私がそのものであればいいのに

もっと覆って


2007.5.16.


例えば

息をも潜めて

ひっそりと過ごす

この夜のように

色を消して

静かに想い続けるようにして

永遠を見ては

出ない涙が

内側で揺れる


倒れそうになる瞬間に

強く吹く風が

言葉を乗せているようで

支えられながらも

酷く苦しい


そんな形にならなくてもいいから

その存在を守って


2007.6.30.

種子




陽のあたる部屋で澄んだ水に浸すか

常に日陰にある壁際で這うように水を探す野草となるか

野草であったとしても

生きる


2007.6.13.

十三夜

ひそかに足音がするよ

空気のにおいが変わってゆく
少しづつ少しづつ
その澄みを増していく
こんな澱んだ南にもね

そこに貴方がいて
ああ
月がこの眼に

ため息が漏れる
いつも飽いている様なこの胸が
満ちていく瞬間

月がこの眼に


2006.11.4.

さかな

ゆーらり

ゆららり

目覚めた真夜中は

身体が左右に

揺れて

揺れて

空間の感覚を失くす

ゆーらり

ゆららり

さかなは

こうして泳ぐのか


2007.5.26.

誰もが



あの人は唯一であって

全てであって

そして個であった

そして

誰もが


2007.4.17.

その想い

染み渡るように

洗い流す雫ではなくて

ただ染透るように

ゆったりと潤すように


2007.3.16.

あたたかいもの

静かに
まだ音も僅かに
育まれていく命

その重さを想いながら
ただ健やかにあるように願う

あたたかいもの

流れる意識と結びつき

形の無いものに意識を合わせること

まだ幼くとも

それはとても意味のある存在と感じる

あたたかいもの

ひどく恋しい

2007.2.28.

選択

いつでも選択するのは
自分でありたい

常に両手にあって
悩まされるけれど

一つ一つを摘み取っていくのは
常に自分でありたいんだ

選んだことを他動的なように
そこに残ってしまったかのように

そんな風に口にしたくはないの

大切と思った誰かのせいに
そんな風にして語るのはやめて

見つめるのその両手
振り返ればいつでも
その瞬間に選んだ自分を誇ろう


2006.10.26.

無言の時

そこに立っている人がいる

そこに立っている人に声をかける

「本当に必要なものは何ですか」

その答えが聴こえるだろうか


誰かが囁いている

囁いている人は問いかけている

「どうして偽るの」

その問いに答えられる?


そう その無言の時

その瞬間の裏で語られたこと


2006.10.17.

知恵の輪



面白いことはそうそう転がっているものじゃない

だから毎日の生活の中で面白い目で見てみる

そしたら見えなかった面白さが見えてくる

そういうのが好き


例えば知恵の輪みたいな


2002.5.21.

ナミダアメ

雪解け季節に降る雨は

ナミダアメ

涙を流さない私の代わりに冷たい雫を


春待つ静かな

ナミダアメ

全てを溶かしたら 土の香る新しい季節が


雨雲吹き飛ばす風が吹いたら

花開く甘い季節

さよなら ナミダアメ
 

2002.3.12.

街灯の涙

雨の雫にまじって

街灯のはしから大粒の涙がこぼれた


じっと黙って立っているひと

じっと黙って照らしているひと
 

彼の悲しみはどんなだろう

 
2001.11.5.

刻印

ふわふわと

漂う夢

想いをそのように

残して

刻み込め


2007.7.16.

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