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双子たちは はなちゃんが いつも とても 幸せそうな 笑顔で いるので 
はなちゃんが 歩けないことや 聞こえないことや 話していなかったことなどに 少しも 気付きませんでした… 

「 お父さん… 明日 また はなちゃんと 遊べる? 」 ベティは 少し ドキドキしてきたので たまらず お父さんに たずねました … 


「あのね… 
はなちゃんは お家に 帰る お舟に もう 乗ったんだよ 

探しにきた ものを もう 見つけたからね … 

はなちゃんはね あの 森で 約束が あったんだよ 
はなちゃんはね お前たちの ように 夢の 世界へ 自由にいくことが できるんだよ 

そこで あの 森を見つけたんだよ 

お前たちに 会うために… 
はなちゃんは お舟にのって 長い長い 旅をしてきてくれたんだよ 」 

双子たちは もう ドキドキを がまんできなくなりました 

わあわあと… 泣き出しました 

お母さんが 優しく二人を抱きしめました 

お父さんも 一緒に 泣きました 

四人は まあるくなりました … 


「 優しい娘たちよ 覚えておいて くれるかい… 
この 世界にはね …はなちゃんと おんなじような 子どもたちが あちらこちらに いるんだよ 

はなちゃんたちはね 
世界中の 命の バランスを とってくれているんだよ 


「痛い思いを 私にください 
寂しい思いを 私がしましょう 

あなたの かわりに 私に ひきうけさせてください 」 


そう決めてから 少し 不自由な 体という 形で うまれてきて くれてるんだよ 
そしてね みんな そんな 不自由の 中で 奇跡みたいな 秘密に気づいているんだよ 

「 痛い体に ありがとう… 
寂しい 思いに ありがとう… 」 

はなちゃんたちはね いつも そう いっているんだよ 

お月様に 見守られて 
お日様に 励まされて 
たくさんの 優しい大人たちに 愛されているのを しっているんだよ … 

心で 話す 子どもたちの 声を 聞くことができる お前たちを お父さんも お母さんも 誇りに 思っているよ … 

ありがとう … 

マリー 

ありがとう 

ベティ 」 


泣きつかれて 眠りについた 二人の髪を お父さんは いつまでも撫でていました… 

「 ありがとうございます… 
神様… この子たちを 私たちの 思いを 超えた 場所でも いつも 守ってくださっていることに 感謝しています 

私たちは この子たちと すべての 命を 守り続けます 

丁寧で 優しい 言霊を 紡いで 放ちます… 
時が 満ちるその日まで 

けして 急がず 
けして 諦めず 

喜びと 感謝と ともに 笑いを 絶やさず 平和と 調和を 毎日 淡々と 積み重ねていきます 

すべての 奇跡に 感謝いたします 」 


お母さんは お薬の お部屋の 祭壇の前で 静かに 手を合わせていました 

「 一族の 皆さん… とうとう 会えました 
古い … 古い… お仲間でした 

懐かしくて 魂が 震えました… 

娘たちとの 約束を 果たしに きてくれました 

森に みずの 刻印を 残してくださいました … 

私たちの 秘密も 分かち合いました 

遠い アオイ様の土地に 私たちの 木の 刻印が 刻まれることでしょう 

あの二人は 夢の世界で 私たちが けして たずねることのできない 

未来の アオイ様の 一族の あの 土地に 飛びました… 

お花様に 会うために… 」 

お母さんの 瞳から キラキラと 涙がこぼれました… 
祭壇には 綺麗な文字が 刻まれていました 


…命の秘密の守り人… 木の一族… 




おわり… 




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最終更新日 : 2012-02-12 16:54:08

この本の内容は以上です。


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