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モノローグ

ねぇ届きますか。
この空の向こうに。
ねぇ聞こえますか。
この空の果てまで。
いつか、この想いは、かないますか……?

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とある冬の日

「また、来ちゃった、か……」
冬の寒い、とある高台。
見下ろせば、そこには葉っぱが落ちきった木々の林と、その先に見える街の小さな明かり。
周囲には、こんなに寒い日だからなのか、誰もいない。
夏にはちょっとしたデートスポットにもなるこの場所も、真冬の寒さには勝てないらしい。
ましてや、今日は夕方から雪になるって、天気予報では言っていた。
こんな日に、こんな場所へ来て、冬の寒さにケンカを売ろうなんて言う恋人達も、さすがにここら辺にはいないってことなんだろう。
『ったく、こんなさみ~日に、あいつらバッカじゃね~の?』
ふと、あいつの言葉が蘇った。
『それをわざわざ冷やかしに来てる、あんたの馬鹿さ加減はどうなのよ?』
そう言ってあいつをからかった、わたしの言葉も、それにふくれっ面になったあいつの顔も、次々に浮かんでは、消える。
「結局、わたし達もバカの仲間だったんだよね……」
ふふっ、と、自然に笑みがこぼれた。
「……ねぇ。まだ、笑えるよ。全然おかしくなんて、ないのに……あんたのことを思い出すと、まだ笑える」
空を見上げて、ぽつりと呟いた。
「ほんとに、バカだね……せっかく、手に入れられる所だった魂を助けちゃうなんてさ。――そんなだから、いつまでたっても落ちこぼれなんだよ」
『うるせぇ、ばぁか』
そんな風に、怒ったように、でも何故か嬉しそうな目をしてうそぶく、あいつの顔がまた、思い浮かんだ。
「――ダメだね。まだ、逢えない。迎えに来て、貰えないね。だってわたし、まだ笑える。約束、果たせないよ。あんたとの想い出がある限り……」
見上げ続けていた空は、いつの間にか、今にも泣き出しそうな灰色に変わっていた――。

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奥付

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冬のうた


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著者 : 樹 征明
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