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 サインを100枚書いて・・・
 ティーンズ雑誌のインタビュー・・・
 ブログに載せるコメント書いたり・・・・
 気がついたら夕方・・・
 まだスケジュールは終わらない。
 あと、PVの撮影がある。
 愛莉さんによると、NGだらけで日付を超えることもあるらしい。
 やばいっ、わたしってNGメーカーだし。
 でも、胡桃とかと一緒に仕事できるってなんか嬉しい。

 スタジオに行くために外にでたら、
 すごいっ・・・・
 わたしたちに会うためにファンの子がたくさんいて、
 美月って書いたボードとか用意してくれてて・・・・
 一昨日まで、ただの女の子だったのに・・・・
 でも、わたしのファンは男の子が多くて、
 愛莉さんと沙耶香さんは女の子のファンが多い。
 とりあえず、ガードされながら車に乗り込む・・・
 時々手を振ると、ファンの子たちが答えてくれる・・・・
 なんかすごいっ・・・

 それから、スタジオに着くといきなり打ち合わせ・・・
 胡桃としゃべる間もなし。
 美那子さんが歌とダンスの説明をする。
 やっぱ美那子さんってカッコイイ。
 いちファンに戻ってしまう。
 愛莉さんが美那子さんのフォロー。
 ダンスのポイントを解説する。
 やっぱダンスは愛莉さん。
 
 今日のPVは新曲「ロックンロール・ウィッチーズ」って曲
 曲はノリだけで、すごい激しいダンスが売り。
 
「じゃあ、いっぺんやってみようか」
 そのままの服で、みんな自分の位置につく。
 わたしたちは美那子さん、沙耶香さん、麻衣さん、睦美さんを囲むように・・・
 曲が流れたらスタート・・・
 うまくできるかな。
 隣は胡桃・・・・
 目で合図する。
 胡桃もニコって笑う。

 音楽が始まる。
 いきなり激しいんだけど、愛莉さんとの練習のおかげで自然と身体が動く。
 どっちかっていうと胡桃が遅れ気味・・・・
 美那子さんから胡桃にNGがでる。
「すみません!」
 また最初っから。
 3度目でようやくOK。
 
 でも、本番はもっと厳しいらしい。
 カラフルなドレスに着替えて、頭に大きなリボン。
 なんか昔はやった格好らしい。
 胡桃はレザーのホットパンツに白いシャツとレザーのジャケット・・・
 男の子を模した格好・・・・
 みんなどちらかの衣装。

 休憩もなく集められて、リハーサル・・・
 今度のリハは簡単にOKが出ない。
 美那子さんと愛莉さんの怒声が飛ぶ。
 わたしも1度NGを出してしまう。
 みんなの冷たい視線が痛い。
 
 でも、胡桃はもう10回以上NGを出している。
 目が潤んで、すみませんって謝る声が震えている。

「きゅうけーい。一息いれようよっ」
 睦美さんが絶妙のタイミングで声をかける。
「そうだねっ。じゃあ10分休憩っ」
 胡桃が泣き出してしまう。
 胡桃をなぐさめるわたし。
 研修の時は逆だった。
 いつも胡桃に元気づけられていた。

 美那子さんは、沙耶香さん愛莉さんと話をしている。
 時々、こっちを見てるような感じ。
 ちょっと落ち着いた胡桃と2人でダンスの練習をする。
 愛莉さんが近寄ってきて、見てくれる。

「集合っ!」
 美那子さんが手を叩く。
 もう10分たったの?
 わたしたちは美那子さんの前に並ぶ。

「じゃあ、再開っ。それと美月」
 えっ、わたし?
「麻衣と交代」
 麻衣さんと?
 っていうことは・・・・
 真ん中じゃん。
 相手は美那子さん・・・・
 それも、間奏の間ずっとクローズアップされるみたいな・・・・
 よぉし、がんばるぞ。
 こういうときのわたしって案外大胆になる。
「よろしくおねがいします・・・」
 美那子さんの前に行ってあいさつ。
「うん、がんばってねっ」
 美那子さんも笑顔になる。
 胡桃に言わせると、わたしって練習はボロボロでも、本番には強いって・・・
 音楽が始まる・・・・
「カメラを意識してねっ」
 美那子さんが言う。
 夢にまであこがれた美那子さんとの共演・・・
 それが、こんなに早くかなうなんて・・・
 わたしは夢心地の中、音楽にあわせてダンスを続けた。


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 収録は3回目でOKになる。
 胡桃も気をとりなおして、NGなし。
 歌の収録もあんまり問題なく終わる。
 今日は白い背景の中でやったんだけど、
 あとは合成で背景とかつけてくれるらしい。
 どんなのになるかすごい楽しみ。

「おつかれさん」
 美那子さんがわたしの肩をポンって叩く。
「お疲れ様です」
 満面の笑顔で返す。

「ねぇ、沙耶香っ。この子わたしのユニットにくれない?」
 美那子さんがわたしの肩に手をまわす。
「だめだよっ。わたしの妹なんだから」
 愛莉さんがすかさずわたしの手をひっぱる。

 先輩たちがじゃれている中にいるわたし。
 なんかくすぐったい感じ。

「じゃあ胡桃をもらうよっ」
 沙耶香さんが胡桃の後ろに行く。
「あっ、それだめっ」
 美那子さんが胡桃を取り戻す。
 落ち込んでた胡桃に笑顔が戻る。
「胡桃はわたしの妹なんだから」
「じゃあ駄目ジャン。4人になっちゃうし」
「リーダーの権限でユニット4人づつにしようかなぁ」

 その時、美那子さんの携帯が鳴る。
「あ・・・はい・・・」
 
 携帯をたたむと険しい顔になる美那子さん・・・

「出動だよ。麻薬の売人がビルに立てこもってる。胡桃っ、美月いくよっ」
「はいっ」
 胡桃と声がそろう。
 顔をみあわせてニコッって笑う。

 美那子さんについて車に走る。
「ぐずぐずするんじゃないよ」
「はいっ」
 動く車の中で着替えるわたしたち。
 胡桃はグローブをつける。
 わたしはロッドを持つ。
「敵は3人。全部魔獣使い。一人づつ相手するよっ。倒したら他の子のフォロー。カメラ回ってないから秒殺でいいよ」
 作戦は単純。
 ドアが開いて、わたしたちは外に飛び出す。

 美那子さんに続いて走る。
 目の前のドアに美那子さんの出す光弾があたる。
 爆発音と閃光。
 その音に気がついた男たちがドアから飛び出てくる。
 3人・・・・
 よぉし、やるぞぉ
 わたしと胡桃は身構える。
 わたしたちのLOVE☆WITCHESははじまったばかりだった・・・

 TO BE CONTINUE 第1話「魔女狩り」
 


この本の内容は以上です。


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