目次
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CONTENTS
ゴールデンウィーク弾丸バックパッカー
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テーマ「旅で気づいた幸福論」
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ブータンで気づいた『幸せ』
光のギリシャ
幸福論(前編)
カオサン通りのB-BOYたち
旅先の変な日本語
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Brali Biz 「旅」×「ビジネス」 
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Brali Biz 「旅」×「ビジネス」 
旅で使えるスマホアプリ
旅で使えるスマホアプリ
情熱さえあれば不可能なことはない
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情熱さえあれば不可能なことはない(最終章)
Chibirockの旅はくせもの
Chibirockの旅はくせもの
HANGOVER in the WORLD
HANGOVER in the WORLD(キューバの酒)
旅人からの伝言 「特集 ヨーロッパ」
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ヨーロッパの秘境バルカン半島
プラハのサンタクロース
トホホな話
トホホな話
一本の糸で世界をつなぐチャリの旅
一本の糸で世界をつなぐチャリの旅
自炊派の手料理
自炊派の手料理「鶏肉の親子炒め」
エッセイたびたべ
エッセイたびたべ
アジア漂流日記
アジア漂流日記(創刊号の特集アジアからのスピンアウト企画)
アジア漂流日記(創刊号の特集アジアからのスピンアウト企画)
アジア漂流日記(創刊号の特集アジアからのスピンアウト企画)
世界の標識・アイコンコレクション
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作者・情報提供者一覧
作者・情報提供者一覧(Bralist)
編集後記
編集後記
次号予告
次号予告(2012年4月25日発行予定)
記事募集
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奥付
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ブータンで気づいた『幸せ』

■Writer&Photographer
ワールドハッカー
■Age
31歳
■Profile
元バックパッカー、現在は職業ハッカー。
ブログ『World Hacks!』にて海外旅行関連の情報を毎日発信しています。


ブータンで気づいた『幸せ』

 「幸せ」とは何か?ということを掴むために、2009年夏、ブータンに行ってきた。
 ブータンでは、2005年の国勢調査で97%の国民が「幸せ」と回答したことでも知られており、「幸せ」という抽象的な感情の実態を知るには最適な場所と考えた。

 旅の目的としては2つ。
 ブータン国民が感じる「幸せの要素」を自分なりに把握・理解すること。そして、その要素を自分自身に取り入れることにより、胸を張って「幸せだ!」と言えるようになるためのヒントを得ること。
 結果から言わせていただくと、2つの目的は達成できた。その内容について『国』『思想』『生活』という3つの観点で説明させていただく。

『国』
 ブータンは、中国とインドに挟まれた人口約70万人の小さな国。第4代国王が提唱した「国民総幸福量 (GNH)」という概念のもと国が統治されている。その概念は「持続可能で公平な社会経済活動」「環境保護」「文化の推進」「良き統治」という4本柱で構成されており、さらにそれらが9分野72指標により事細かく策定されているということらしい。このようなしっかりした生活の基盤が国民の「幸せ」につながっているのではという印象を受けた。
 具体的には、「教育・医療が無料」といった生活直結の事項や、「持続可能な開発」「環境保護」など国策で長期的に継続できるような国作りがされているといった事項などが挙げられる。これらのことから、ブータン国民としては、現状の生活に対する不満、また将来に対する不安感はあまり感じられないのではないか。と気づきがあった。
『思想』
 ブータンは、チベット仏教を国教としている。旅をしていて、ブータン国民の信仰心が厚いということは嫌というほどよく分かった。マニ車、ダルシンなど、徳を積むためのものが生活にとけ込んでおり、家にも一番良い場所に仏間があったりする。
 チベット仏教には様々な教えがあるのだろうが、現地でブータン人と話していて『足るを知る』という思想が浸透していることを感じた。「今を満ち足りた状態とし、現状に不満を持たない。そして、己の身の程を知り、多くを求めない」という思想。「人間の欲望は際限が無い」とよく言われる。この欲望を断ち切ること、これが重要なのではないかと気づかされた。
 チベット仏教法王のダライ・ラマ14世もこのような言葉を残している。「もしあなたが質素に暮らしていれば、きっと充足感を得られるでしょう。シンプルでいることは、幸せでいるために非常に重要なことなのです」
『生活』
 「幸福の国」と言われるものは作られたもので、実際はウソなんじゃないか? と、疑い深い私は頭のどこかでそう思っていた。そんな私が出会ったブータン人にした質問が2つ。
・あなたは幸せですか?
・ブータン人の90%以上の人が「幸せ」と言っているというが、それは本当だと思いますか?
 そしてその回答は、両方とも"YES"。話を聞いた感じでは、どうやら本心で言っているようだ。
 しかし、なぜ、彼ら彼女らはそのように感じているのか?10日程度の短期間では幸せの要素はなかなか見えてきそうにない。そんな旅も終わりに差し掛かった頃、民家にホームステイする機会があり、そこで気づきがあった。
 ホームステイ先はブータンの標準的な農家。3世代が和気あいあいとしていて非常に仲がよい。私もその家族の一人のように迎えられた。食事中にワイワイ会話をしながら、世界一辛いと言われるブータン料理のエマダツィ(唐辛子のチーズ和え)を食べている。さすがに毎日食べているとはいえ、唐辛子は辛いらしく、ヒーヒー言いながら食べている。
 この光景を見た時、小学生の頃に見た、TVドラマの「裸の大将」のワンシーンがフラッシュバックした。
 それは裸の大将がカレーを食べながら、離婚間際の夫妻とその子に対して、「カ、カレーを食べる時、こんな風にみんなでスプーンでお皿をカチャカチャ鳴らせながら、家族全員で食事をするのが、し、幸せなんだなぁ……」というシーンであった。(その後、その夫婦は離婚を思いとどまったのは言うまでもない)
 日本から遠く離れたブータンで裸の大将のワンシーンを思い出すのも変な話であるが、その家族全員で唐辛子を食べながらヒーヒー言っている姿がそのシーンにオーバーラップした。
 「幸せ」は既に目の前にあった。むしろ自分もその中にいた。それに気づくか気づかないの違いだった。

 以上、これらの気づきからブータン人の「幸せの要素」を掴むことができた。今後はこれら幸せの要素をヒントに以下のように日々を送りたいと思う。
 「安定した心の状態を維持するための安定した生活基盤を築く!その中で『足るを知る』という思想のもと、自分を取り囲むすべてに感謝しながら生活する!」

 世界一幸福と言われるブータンの公用語であるゾンカ語には「幸せ」という単語は存在しないようです。「幸せ」はブータン人にとって当たり前すぎるのでしょうか。「幸せ」とはまだまだ奥が深いようです。


光のギリシャ

■Writer&Photographer
96 Happy World Journey ゆーじ & ありさ
■Age
30歳代
■Profile
2010年3月から夫婦で世界一周へ。2011年10月帰国。ホームページでは旅の日記、写真、動画、特集ページなどを通して、地球の美しさと旅のワクワクを発信中。
96Happy World Journey 
http://96happyworldjourney.web.fc2.com/


光のギリシャ

 観光シーズン真っ盛りの8月のギリシャで、エーゲ海の島々を巡った。
 夏のギリシャは、島全体が幸せに溢れているように見えた。
 夕暮れ時に、夕陽だけを求めて人々が集まる感じ。安いワインを囲んで、近所のおじちゃんたちがいつまでもしゃべっている感じ。朝陽にキラキラと輝く海の感じ。
 そこで目の前に広がっていたものは、「幸せ」以外の何ものでもなかった。

 きっと、人が幸せを感じるのは、人と人の間にほんわかと存在する愛情を感じる時や、美しいもので心が満たされた時だろう。そういう意味で、ギリシャの島は、美しいもので溢れいていて、人と人との繋がりが密で、幸せを感じやすい場所なのだ。
 エーゲ海に浮かぶ島々は、昼間、まぶしいくらい光に包まれている。島を囲むのは、宝石のように輝く碧い海。小路の角には、ピンクや白のブーゲンビリアが咲き、島をかわいらしく彩っている。
 目に入るものすべてが美しく、暑すぎない気候は心地よく、まるで光の中を歩いているような、夢のような感覚に陥る。
 どんなに多くの観光客が細い路地を行き来しようとも、島全体を包むゆったりとした空気は変わらない。
 猫が塀の上で日光浴をし、ロバがチリンチリンと心地よい鈴を鳴らして坂を登り、波一つない海上では船が白い航跡を残しながらゆっくりと進む。ギリシャの太陽が、誰をも華やいだ気持ちにさせる。気の向くままに島を歩くうちに、心がしっとりと落ち着いてくる。

 陽が傾き始めると、それまで町のいろいろな場所でそれぞれの時間を過ごしていた人たちが、当たり前のように移動して大集合し、ひとつのものをわくわくしながら待つ。人々の顔も家々の壁の色も、少しずつそれと同じ色に染まっていく。地平線上にぼんやりとオレンジ色のもやのような光を残して、それが姿を消すと、島は暗がりの中へ。

 毎日、島中の人々が決まって夕陽に魅了され、美しいもので心を満たして夜を迎える。
 次の日は、また、まぶしい光の世界。太陽が昇り、沈む限り、この美しい営みはいつまでも繰り返されるだろう。
 しばらくすると、レストランやホテルの電気が燈り始める。賑やかなディナータイムの始まり。
 食堂には、近所のおじさんたちがたむろして、松脂ワインとおつまみで、いつまでも話し込んでいる。おばさんたちは、たいてい小太りで、たくましく食堂を切り盛りしている。
 島のおばあさん達は、黒服の人が多い。ギリシャの女性は未亡人になると、亡き人を想いながら黒服で余生を過ごすそうだ。
 島々に滞在している間、何度も何度も美しさに心が満たされた。そして、何度も何度も人と人の間に存在する愛情を感じた。
 ギリシャの島々は、「幸せ」をはっきり目にすることができる不思議な場所だ。

 ギリシャの人々自身が「幸せ」を感じているかどうか調査した、面白いランキングがある。「幸福度」を測るランキングは様々あるけれど、この調査は、シンプルに「あなたは個人的に自分の人生はハッピーですか?」という質問に答えるもの。
 財政危機が叫ばれるギリシャだが、2011年8月にドイツの財団が欧州13カ国、1万5千人を対象に調査した結果、デンマークに続いてギリシャは第2位、80%もの人が「幸せ」だと答えた。一方、経済優等生のドイツは下から3番目、61%の人しか「幸せ」と回答しなかったそうだ。
 この調査結果から、国家経済と個人の感じる「幸せ」は違うんだということが分かる。ドイツ人と国民性が似ていると言われる日本では、「自分の人生が幸せである」と即答する人はどれくらいいるだろうか。

 日本に帰国して、ある時ふと夕暮れ時の空を見て、あまりの美しさにびっくりした。日本にいると、ついつい経済的生産性を優先してしまうけれど、ふと夕陽を見てみたり、しばらく会っていない友達に連絡してみたりするだけで、ちょっと幸せになれる。
 ギリシャみたいに、光いっぱいとはいかなくても、毎日の生活の中で、小さな幸せを積み重ねていきたいなと思う。


幸福度調査の出典:Foundation for Future Studies ホームページ
http://www.stiftungfuerzukunftsfragen.de/nc/en/news/news/article/daenen-sind-die-gluecklichsten-europaeer.html







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