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CONTENTS
ゴールデンウィーク弾丸バックパッカー
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テーマ「旅で気づいた幸福論」
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ブータンで気づいた『幸せ』
光のギリシャ
幸福論(前編)
カオサン通りのB-BOYたち
旅先の変な日本語
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Brali Biz 「旅」×「ビジネス」 
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Brali Biz 「旅」×「ビジネス」 
旅で使えるスマホアプリ
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情熱さえあれば不可能なことはない
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情熱さえあれば不可能なことはない(最終章)
Chibirockの旅はくせもの
Chibirockの旅はくせもの
HANGOVER in the WORLD
HANGOVER in the WORLD(キューバの酒)
旅人からの伝言 「特集 ヨーロッパ」
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ヨーロッパの秘境バルカン半島
プラハのサンタクロース
トホホな話
トホホな話
一本の糸で世界をつなぐチャリの旅
一本の糸で世界をつなぐチャリの旅
自炊派の手料理
自炊派の手料理「鶏肉の親子炒め」
エッセイたびたべ
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アジア漂流日記
アジア漂流日記(創刊号の特集アジアからのスピンアウト企画)
アジア漂流日記(創刊号の特集アジアからのスピンアウト企画)
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ブータンで気づいた『幸せ』

■Writer&Photographer
ワールドハッカー
■Age
31歳
■Profile
元バックパッカー、現在は職業ハッカー。
ブログ『World Hacks!』にて海外旅行関連の情報を毎日発信しています。


ブータンで気づいた『幸せ』

 「幸せ」とは何か?ということを掴むために、2009年夏、ブータンに行ってきた。
 ブータンでは、2005年の国勢調査で97%の国民が「幸せ」と回答したことでも知られており、「幸せ」という抽象的な感情の実態を知るには最適な場所と考えた。

 旅の目的としては2つ。
 ブータン国民が感じる「幸せの要素」を自分なりに把握・理解すること。そして、その要素を自分自身に取り入れることにより、胸を張って「幸せだ!」と言えるようになるためのヒントを得ること。
 結果から言わせていただくと、2つの目的は達成できた。その内容について『国』『思想』『生活』という3つの観点で説明させていただく。

『国』
 ブータンは、中国とインドに挟まれた人口約70万人の小さな国。第4代国王が提唱した「国民総幸福量 (GNH)」という概念のもと国が統治されている。その概念は「持続可能で公平な社会経済活動」「環境保護」「文化の推進」「良き統治」という4本柱で構成されており、さらにそれらが9分野72指標により事細かく策定されているということらしい。このようなしっかりした生活の基盤が国民の「幸せ」につながっているのではという印象を受けた。
 具体的には、「教育・医療が無料」といった生活直結の事項や、「持続可能な開発」「環境保護」など国策で長期的に継続できるような国作りがされているといった事項などが挙げられる。これらのことから、ブータン国民としては、現状の生活に対する不満、また将来に対する不安感はあまり感じられないのではないか。と気づきがあった。
『思想』
 ブータンは、チベット仏教を国教としている。旅をしていて、ブータン国民の信仰心が厚いということは嫌というほどよく分かった。マニ車、ダルシンなど、徳を積むためのものが生活にとけ込んでおり、家にも一番良い場所に仏間があったりする。
 チベット仏教には様々な教えがあるのだろうが、現地でブータン人と話していて『足るを知る』という思想が浸透していることを感じた。「今を満ち足りた状態とし、現状に不満を持たない。そして、己の身の程を知り、多くを求めない」という思想。「人間の欲望は際限が無い」とよく言われる。この欲望を断ち切ること、これが重要なのではないかと気づかされた。
 チベット仏教法王のダライ・ラマ14世もこのような言葉を残している。「もしあなたが質素に暮らしていれば、きっと充足感を得られるでしょう。シンプルでいることは、幸せでいるために非常に重要なことなのです」
『生活』
 「幸福の国」と言われるものは作られたもので、実際はウソなんじゃないか? と、疑い深い私は頭のどこかでそう思っていた。そんな私が出会ったブータン人にした質問が2つ。
・あなたは幸せですか?
・ブータン人の90%以上の人が「幸せ」と言っているというが、それは本当だと思いますか?
 そしてその回答は、両方とも"YES"。話を聞いた感じでは、どうやら本心で言っているようだ。
 しかし、なぜ、彼ら彼女らはそのように感じているのか?10日程度の短期間では幸せの要素はなかなか見えてきそうにない。そんな旅も終わりに差し掛かった頃、民家にホームステイする機会があり、そこで気づきがあった。
 ホームステイ先はブータンの標準的な農家。3世代が和気あいあいとしていて非常に仲がよい。私もその家族の一人のように迎えられた。食事中にワイワイ会話をしながら、世界一辛いと言われるブータン料理のエマダツィ(唐辛子のチーズ和え)を食べている。さすがに毎日食べているとはいえ、唐辛子は辛いらしく、ヒーヒー言いながら食べている。
 この光景を見た時、小学生の頃に見た、TVドラマの「裸の大将」のワンシーンがフラッシュバックした。
 それは裸の大将がカレーを食べながら、離婚間際の夫妻とその子に対して、「カ、カレーを食べる時、こんな風にみんなでスプーンでお皿をカチャカチャ鳴らせながら、家族全員で食事をするのが、し、幸せなんだなぁ……」というシーンであった。(その後、その夫婦は離婚を思いとどまったのは言うまでもない)
 日本から遠く離れたブータンで裸の大将のワンシーンを思い出すのも変な話であるが、その家族全員で唐辛子を食べながらヒーヒー言っている姿がそのシーンにオーバーラップした。
 「幸せ」は既に目の前にあった。むしろ自分もその中にいた。それに気づくか気づかないの違いだった。

 以上、これらの気づきからブータン人の「幸せの要素」を掴むことができた。今後はこれら幸せの要素をヒントに以下のように日々を送りたいと思う。
 「安定した心の状態を維持するための安定した生活基盤を築く!その中で『足るを知る』という思想のもと、自分を取り囲むすべてに感謝しながら生活する!」

 世界一幸福と言われるブータンの公用語であるゾンカ語には「幸せ」という単語は存在しないようです。「幸せ」はブータン人にとって当たり前すぎるのでしょうか。「幸せ」とはまだまだ奥が深いようです。



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