目次
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CONTENTS
ゴールデンウィーク弾丸バックパッカー
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テーマ「旅で気づいた幸福論」
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ブータンで気づいた『幸せ』
光のギリシャ
幸福論(前編)
カオサン通りのB-BOYたち
旅先の変な日本語
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Brali Biz 「旅」×「ビジネス」 
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Brali Biz 「旅」×「ビジネス」 
旅で使えるスマホアプリ
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情熱さえあれば不可能なことはない
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情熱さえあれば不可能なことはない(最終章)
Chibirockの旅はくせもの
Chibirockの旅はくせもの
HANGOVER in the WORLD
HANGOVER in the WORLD(キューバの酒)
旅人からの伝言 「特集 ヨーロッパ」
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ヨーロッパの秘境バルカン半島
プラハのサンタクロース
トホホな話
トホホな話
一本の糸で世界をつなぐチャリの旅
一本の糸で世界をつなぐチャリの旅
自炊派の手料理
自炊派の手料理「鶏肉の親子炒め」
エッセイたびたべ
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アジア漂流日記
アジア漂流日記(創刊号の特集アジアからのスピンアウト企画)
アジア漂流日記(創刊号の特集アジアからのスピンアウト企画)
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世界の標識・アイコンコレクション
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作者・情報提供者一覧
作者・情報提供者一覧(Bralist)
編集後記
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次号予告(2012年4月25日発行予定)
記事募集
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エッセイたびたべ

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たびエッセイ2【路上屋台の野菜】タイ
 
はうぉぉぉぉ……

 噛み締めた瞬間、野菜の旨味、甘味、そしてその野菜の育った土や畑の情景すら浮かんで来るような深みのある味だ。これがホンモノの「野菜」なんだろうな。日本でスーパーで売られている野菜とはまるで違う。同じ野菜という名前でも中身が山本太郎と岡本太郎くらい違う……。正直こんな野菜は日本では海原雄山しか食えないレベルだろう。

 タイ、バンコクのワット・アルンを観光した後、小腹が空いた俺達はたまたま見つけた路上の屋台にいた。メニューもひとつしかない、無愛想なおばちゃんひとりで切り盛りしている小さな屋台だ。
 古びて斜めに傾いたテーブルの上で、カオ・ニャオ(タイのもち米)を手で丸めながら、その名も知らぬ野菜をかじり、丸めたカオ・ニャオを牛肉のスープに浸けて口に放り込む。牛肉スープにトッピングされたパクチー(香菜)が口内に刺激を与え、鼻までスッとした香りが抜ける。
 一口、一口と噛むごとに味わいが出てくる。口から喉、喉から胃へと「食べ物」が入っていく感覚が判る。口に入れた時、噛んだ時、飲みこんだ後の後味、全ての味が違う。それはまるで、タイという国をも表しているようだ。タイという国はいつも俺に違う表情を見せてくれる。飽きる事の無い、尽きる事の無い魅力を持つ国、タイ……。

 「うまいなぁ~」「おいしいね」俺達二人はニコニコ笑いながら猛烈な勢いでメシを平らげる。そんな俺達を見て、さっきまで無愛想だったおばちゃんが笑顔で「アロイマイ?(おいしいかい?)」と聞いてくる。俺達二人は同時に「アローイ!(おいしい)」と即答する。余りのハモり具合に二人で顔を見合わせながら苦笑する。

 だって本当においしいんだもん。

 ふと空を見たらワット・アルンの上に月が翳っていた。そんな幻想的な風景を眺めながら、もう日本に帰りたくないな……。このままここで暮らしたい。

 そんな風に感じたバンコクの夜だった。