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現代の日本人よ(9)

 「日本は神の国じゃ。
 でも今は違う、
 西洋の毒を食らって、駄目人間が溢れちゅう。
 堕落ぜよ。

 

 神の国から堕ちたがよ。

 

 祖国を愛しちゅうか、
 子孫のためを思っちゅうか、
 自分のために日本の未来も子々孫々の未来も食い物にしちょらんか。

 

 日本人には西洋人に無いものがある。
 日本人の美徳。
 それを思い出して欲しい。
 そして隠されている真実を見抜いて、真の日本人の精神を復興せんといかんぜよ」


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― その1 ―  東禅寺事件

  文久元年(1861年)五月、イギリス公使オールコックは陸路で長崎を発った。
  馬に跨がり、好奇の目に晒されながらの旅である。・・・目的地は江戸だ。

  「危険過ぎます」
  幕府は攘夷派を刺激する事を恐れて海路を勧めたがそれを聞き入れず、

  「国内旅行の権利は条約で定められていたはずだ」

  とオールコックは主張し、聞き入れない。

  結局、オールコックは日本の風光明媚を堪能しながら、陸路を踏みしめる旅路を決行したのである。

  それでも無事に江戸高輪のイギリス公使館(東禅寺)に到着した事で、幕府の関係者はホッと胸を撫で下ろした。
  だが、やはり無茶な行動だった。
  「このままでは国土が全て穢けがされてしまう! 異人が好き勝手に歩き回るのを許してはならん!」

  街道の尊王攘夷に火を点けて回ったようなものになった。

  「オールコックめが!」
 
  そして事件は起こった。
  オールコックらが東禅寺に到着した翌日の深夜、水戸藩を脱藩した尊王攘夷派浪士十四名がイギリス公使館に侵入したのである。当然、オールコックらを殺害するためである。
  それに気付いた公使館警備役の旗本や郡山藩士が刀を抜いて応戦した。つまり異国人のために日本人同士が斬り合う形になり、書記官と長崎駐在領事が斬られた。だがオールコック本人は何とか無事だった。
  実行犯の尊王攘夷派浪士の幾人かは討ち取られ、捕縛されもしたが、残りの数人は逃げ去ってしまったのだった。
 

  幕府の怖れていた事になった。
  事件後、イギリスは水兵の公使館駐屯と賠償金一万ドルを要求してきたのである。条約を結んだ徳川幕府がそれを呑むしかない。
  異国と歩調を合わせて開国を進める限り、攘夷との摩擦は当然ある。だが板ばさみとなって巨額な賠償金を背負わされ、命までも狙われるという状況である。
  ・・・攘夷か開国か。
  激流の如く荒れ狂う時代なのだ。
  そして、
  ・・・尊王と佐幕。
  ・・・天皇と将軍。
  ・・・京と江戸。
  日本国内は相反する王の下でもがいる。
  だから、その双方が手を組むための最善策として、政略結婚が計画されていた。


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奥付



竜馬外伝i-24 竜馬飛翔


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著者 : 中祭邦乙
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