目次
坂本竜馬の言説(8)
現代の日本人よ(8)
久坂玄瑞と高杉晋作
― その1 ―  悲しみから怒りへ
― その2 ―  試撃行の晋作
西洋砲術の優位性
― その1 ―  最後の心壁
― その2 ―  刀とピストル
武市半平太の西国探索
― その1 ―  讃岐丸亀藩
― その2 ―  長州・高杉家の暴れ牛
― その3 ―  九州路
― その4 ―  一抹の不安
公武合体策
― その1 ―  徳川回生の奇策
― その2 ―  和宮の悲劇
遣米使節団の帰国
― その1 ―  アメリカを見てきた男達
― その2 ―  張り詰める江戸の空気
上士対下士
― その1 ―  永福寺門前刃傷事件
― その2 ―  鬼山田惨殺
― その3 ―  一触即発の危機
― その4 ―  下士が立ち上がるために
― その5 ―  竜馬の誓い・隷属破壊
加速する雄藩の動き
― その1 ―  水戸と長州の蜜約
― その2 ―  航海遠略策
― その3 ―  歩調を合わせる雄藩勤王派
― その4 ―  薩長土勤王密約
結成・土佐勤王党
― その1 ―  神明への誓い
― その2 ―  竜馬血判
― その3 ―  反目する東洋
― その4 ―  擦り寄る影
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現代の日本人よ(8)

  「時代の変革期には坂本竜馬が必要じゃろうか。
  わしは偉い先生の考えを信じ込んで行動しただけじゃ。
  ようは信じて命を賭けるにか。
  馬鹿になって動くかどうかぜよ。
  そう考えると、武市さんもわしもアホじゃった。
  信じて信じて死ぬまで信じ込んでおったがやきに。
  武市さんなんて最後には意地を見せて、三段に腹を切って見せるがやき、凄いぜよ。
  それほどに信じちょったということよ。

 

  信じる力は人を動かす。
  吉田松陰先生がそうじゃった。
  でも今の世は不信ばかりがはびこっちゅう。
  嘘が嘘で塗り固められちゅうがや、嫌な世の中ぜよ。
  日本人の質が低下し、己を律する事が出来ちょらん。
  とても日本人とは呼べん者が蔓延っちゅう。
  ・・・政治家も官僚もそうじゃ。
  それに目を瞑って、ぬるま湯に浸かっちょったら知らぬ間に尻の毛まで抜かれてしまうちや。
  気づいた時には手遅れ、哀れ茹で蛙よ。
  今の政治家は近視眼的じゃ。
  若者や子供の未来は潰してばかりで、見て見ぬ振りよ。
  こんな国は洗濯せんと良くならん。
  誰が?
  己を捨てて馬鹿になる真の人がするがよ」


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― その1 ―  讃岐丸亀藩

  諸藩の武士達は異人を嫌っている。

  奴等が日本の国土に上陸するのを快く思ってなどいない。
  「徳川家は天皇から征夷大将軍を任命されているのに、異人の前にまるで腰抜だ。尊王の心を取り戻し、攘夷を決行しなければダメだ」
  「上陸する異人は斬り殺すべし! それが攘夷だ! 天皇(みかど)を中心とした神国から穢れを追い払え!」

  それが諸藩の武士の声である。
  桜田門外で幕府の大老・井伊直弼が暗殺された事で、彼等は徳川家の呪縛から解放されようとしていた。
 
  ― 土佐 ―
  万延元年(1860年)七月、武市半平太は腕の立つ三人を従えて西国諸藩に旅立っていた。
  藩庁からは武芸修行の名目で許可を得てはいるが、攘夷思想の経典・『霊能真柱(たまのみはしら)』を携えている事からも分かるように、尊皇攘夷を信奉する志士達の動きを探る旅である。
  お供に従えているのは岡田以蔵、久松喜代馬、島村外内の三人で、武市道場の中でも腕の立つ剣士達である。そう、あの以蔵も武市道場に腕の立つ兄弟子として通い続けていたのだ。
 
  八月、一行は讃岐丸亀藩の剣術指南、直清流矢野道場に草鞋を脱いだ。
  土佐で武市道場がそうであるように、矢野道場も藩内の尊王攘夷志士が集う場所となっている。一行はそこで剣客・矢野市之進、土肥大作・七助兄弟らと剣を交え、親交を深める事から始まった。
  諸国で修業につとめたという土肥七助は武術に格段の強さがあり、また秘技『地ずり剣法』の遣い手として名高い剣士だ。それを目の当たりにした岡田以蔵らは剣技の競い合いに熱くなっている。
  だが、そもそもの目的は情報交換である。

  座敷に通されると、武市半平太は冷静に土佐藩の状況を伝えた、下士は尊王、藩論は佐幕であると。そして、
  「讃岐の状況もお聞かせ願いたい」

  と、切り出した。
  勤王の志厚い矢野市之進が応じた。
  「私以外にも讃岐に勤王の士は相当居る。中でも土肥兄弟は強烈な尊王攘夷の志士だ。・・・兄の大作は丸亀藩随一の尊王攘夷の志士と呼ばれ、時には藩主の命によって隠密行動も行い、長州など他諸国の志士らとも情報交換している」

  と言う。その上、
  「藩論を勤王へと導くべく行動を起こしてもいるが」
  とも言うのである。
  「何と、藩を動かそうと言うのか」
  「無論、藩が動けば、想像以上の力になる」
  それが半平太の心に響いた。
  「確かに、・・・我が土佐も勤王を藩論とする事が出来れば良いとは考える。だが、実際はかなり難しい。・・・水戸や薩摩、長州と手を組めば勤王一大勢力となるのは確かではあるがな」
  と口にしながら、己の心の中に秘めているものと一致していると知り、確信を得ていた。


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竜馬外伝i-23 土佐勤王党


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著者 : 中祭邦乙
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